Jリーグにやって来るかもしれない外国人選手10人（2016冬編）
11月を迎え、レギュラーシーズンを終えたJ1、佳境を迎えているJ2共々、徐々に来シーズンへ関心が移りつつある時期となった。
この時期活発になるのは各クラブの補強動向。そこで今回も「Jに来るかもしれない外国人選手」と題し、10名の外国人選手を紹介する。
ただ、ここで気になるのは、Jリーグが来シーズンに採用する外国籍選手登録の拡大だ。
Jリーグは来シーズンから外国人選手登録枠を従来の「3名+アジア枠+提携国枠」から、国籍を問わず「5名」までに変更することが確実視されている（試合出場に関しては現行の「3名+アジア枠か定型国枠」になる可能性が高い）。つまり来シーズンは全クラブが例年よりも多くの外国人を保有することが可能になるのだ。
さらに巨額の放映権収入のニュースもあり、来シーズンは一層外国人選手の移籍が活発になることが予想される。
今回はこういった最新事情を踏まえ、「フリーではない人気選手」も何人かピックアップしてみた。以前よりも取り上げる選手の知名度は上がっていると自負している。
厳選に厳選を重ねた選手達。ぜひご覧いただきたい。
オスマール・バルバ
国籍：スペイン
ポジション：DF/MF
年齢：28歳
所属：FCソウル (KOR)
韓国サッカー界で「現在のKリーグで最も優れた選手」との評価を持つ左利きの守備的MF。左足から繰り出される長短のパスは正確で、直接FKも強烈。また本職はCBで空中戦も強く、セットプレーでの得点源としても魅力的な選手だ。
FCソウルは本日(11/6)、ライバルの全北現代を下しKリーグ1部優勝を達成。オスマール自身もフル出場し優勝に貢献。韓国メディアからは「彼こそリーグ年間MVPにふさわしい」と称賛されている。
オスマールとソウルとの契約は今シーズン限りであるとのこと。これまでの活躍からソウル側は延長オファーを提示することが予想されるものの、ディフェンス面で課題を抱える多くのアジアクラブから熱視線を注がれるのは間違いない。
J入りの可能性は決して高くないが、「FCソウルで3バックシステムを経験済み」「長身で左利き」「ビルドアップ能力が高い」などの点から需要がマッチする浦和が全力で獲得に動くことも十分考えられる。
【Jに来るかも知れない度】★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★
レアンドロ・ダミアォン
国籍：ブラジル
ポジション：FW
年齢：27歳
所属：サントスFC (BRA) ※フラメンゴからローン移籍中
187cmの長身を生かしたポストプレーに加え、水準以上のテクニックも兼ね備えるセンターフォワード。
2012年のロンドン五輪で得点王を獲得して以降のキャリアは苦難が続いており、再起を図ったベティスでも結果を残せず。現在は母国の名門フラメンゴに在籍しているが、後半途中から投入されるシーンが多い。かつて浦和などで活躍したFWエメルソン・シェイキ(38)らの後塵を拝しているのが現状だ。
なかなかキャリアアップ出来ていない彼だが、パトリック(ガンバ大阪)、ジェイ(元磐田)らを見ての通りサイズを生かしたプレーはJでは有効。現時点で移籍の噂はないが、市場価値が下がっていることも考慮するとJへやって来る可能性は低くないだろう。
実績は十分。上手くハマればゴールラッシュも期待出来るはずだ。
【Jに来るかも知れない度】★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★
フレデリック・メンディ
国籍：ギニアビサウ
ポジション：FW
年齢：27歳
所属：蔚山現代 (KOR)
おそらく今冬の東アジア移籍市場No.1の注目銘柄と言っていい身体能力抜群の長身ストライカー。
Sリーグ、ポルトガルリーグのクラブを経て、今シーズン途中からKリーグ1部の蔚山現代に所属。ここまで18試合6ゴールと活躍し、前年度不振に苦しんだチームを躍進に導いている。高い・速い・上手いの三拍子が揃ったストライカーである彼をJクラブが見逃してはいないだろう。
2012年にはSリーグのホーム・ユナイテッドで井畑翔太郎(元アルビレックス新潟・Sなど)と2トップを組んでおり、現在もMF増田誓志と共にプレー中。日本人とのコンビネーションも早い段階で構築出来る可能性が高い。
彼に関しては既に中国クラブが獲得に乗り出しているとの噂があるが、果たして名乗りを挙げるJクラブは現れるだろうか。
【Jに来るかも知れない度】★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★
ケイリソン
国籍：ブラジル
ポジション：FW
年齢：27歳
所属：ロンドリーナ (BRA)
2008年にブラジル全国選手権得点王に輝いた「ロマーリオ2世」。
2009年に約15億円もの移籍金でバルセロナに加入するも出場機会を得ることは出来ずに退団。その後タイ・プレミアリーグの強豪ブリーラム・ユナイテッドと加入合意に至るも土壇場で破談。現在はブラジル・セリエCのロンドリーナでプレーしている。
184cmと大柄だがフィジカルで勝負するタイプではなく、スピードを生かしスルスルとゴール前に侵入するタイプのよう。
Jで通用するかは未知数だが、年齢的にもまだまだ伸びる余地はあり、市場価値もお手頃。MFリヒャルト・ヴィチュヘ(2004年に大分に在籍)以来のFCバルセロナトップチーム在籍経験者の来日なるか。
【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★
マシュー・スピラノヴィッチ
国籍：オーストラリア
ポジション：DF
年齢：28歳
所属：杭州緑城 (CHN)
193cmの長身を生かした空中戦が持ち味のCB。2011-12シーズンにかけて浦和に在籍した経歴を持つ。
今シーズンは中国スーパーリーグの杭州緑城でプレーしていたが、残念ながらチームは2部へ降格。今冬には中国を始めとする多くのクラブが獲得に名乗りを挙げそうだ。
ちなみに、現在はかつてのひ弱な印象は消え失せ、落ち着いたプレーでチームを牽引する立派なCBとなった印象。オーストラリア代表でもスタメンの座をがっちりキープし、先日行われた日本代表選でもフル出場。興味を示すJクラブも少なくないだろう。
【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★★
カーティス・グッド
国籍：オーストラリア
ポジション：DF
年齢：23歳
所属：ニューカッスル・ユナイテッド (ENG)
2014年にオーストラリア代表デビューを果たした長身で左利きのCB。
若くしてニューカッスル・ユナイテッドに引き抜かれたものの、負傷に悩まされここまで出場機会はゼロ。下部クラブをローン移籍する日々が続いている。
現在はニューカッスルのリザーブチームに在籍している模様。Jクラブに加入後即戦力になるとは考えにくいが、それでも高いポテンシャルは魅力的だ。
また、名前(Good)もメディア・サポーター受けしやすく、活躍次第ではアジア枠CBの人材不足に悩まされている中国クラブから巨額のオファーが届く可能性も。「ダイヤの原石枠」としては申し分ない選手だ。
【Jに来るかも知れない度】★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★
エリアス・ダラー
国籍：タイ/スウェーデン
ポジション：DF
年齢：23歳
所属：ソンクラー・ユナイテッド (THA)
スウェーデン生まれだが、父親がタイ人のためアジア枠として登録することが可能な196cmの超大型CB。状況判断に未熟な部分を残すものの、圧倒的なフィジカルと空中戦の強さを持つ。
彼に関しては先日タイメディアにて「千葉と栃木が獲得に興味を示している」と報じられた。一方でタイメディアが報じたJ行きの噂は空振りで終わるケースが多く、信ぴょう性には疑問符が付く。
果たして噂は現実となるか。今後の経過に注目したい。
【Jに来るかも知れない度】★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★
パク・チュホ
国籍：韓国
ポジション：DF
年齢：29歳
所属：ドルトムント (GER)
キム・ジンス
国籍：韓国
ポジション：DF
年齢：24歳
所属：ホッフェンハイム (GER)
試合を通して尽きることのないスタミナを完備した左利きのSB。韓国代表としても豊富な経験を持つこの2人は国籍、ポジション、取り巻く状況が非常に似ているため同じく表記する。
両者とも現在所属クラブでレギュラーポジションを掴めておらず、本来の実力とは離れた評価を受けている。今年には韓国メディアにて「なぜ彼らは出場機会を掴めないのか」とのコラムが韓国メディアにて取り上げられたことも。
共にJでのプレー経験を持つため、今オフは左SB不足に悩む多くのJクラブが獲得に興味を示すことが考えられる。
しかしここで気になるのがKリーグ勢の動きだ。特に現役韓国代表左SBホン・チョルが兵役期間を迎えた水原三星は獲得レースに参戦する可能性が高い。
激しい争奪戦となりそうだが、獲得が実現すれば安定したパフォーマンスを披露してくれることだろう。
【Jに来るかも知れない度】★★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★★★★
ロ・クンチ
国籍：台湾
ポジション：GK
年齢：31歳
所属：台湾電力 (TWN)
台湾代表の正守護神。2007年には当時東北社会人リーグに所属していたグルージャ盛岡に在籍した経歴を持つ。
現地での愛称は「台湾のブッフォン」。台湾代表は今月からかつて滝川第二高校や神戸などで指揮を執った黒田和生氏が新監督に就任するなど日本との繋がりが深い。
台湾代表の中でも屈指の実力を持つ彼が、実に10年振りに日本の地を踏む可能性は決して低くないだろう。
【Jに来るかも知れない度】★★★★
【Jで活躍するかもしれない度】★★
筆者名：yosuke
杜の都、仙台を中心に活動している20代。小学生の頃にアジアのエスニックなユニフォームデザインに魅力を感じ、独自に情報収集を開始。歳を重ねる毎にアジアサッカーの虜となる。FKでの得点が大好物だが、これまで10年以上のアマチュア選手キャリアの中で1度もFKを蹴ったことがない(なかなか蹴らせてもらえない)。またベガルタ仙台やソニー仙台、コバルトーレ女川といった地元クラブの応援にも熱を注いでいる。
Twitter： @maimaidenden
