クサいとつい、顔にでちゃう。好感度キープを目指す働く女性は、それも気をつけないといけません。

今週の16日、月曜日の朝に沖縄で入梅宣言が発令されました。

ジメジメ、ベタベタ、不快指数が高い季節の幕開けです。
梅雨のシーズン、快適なオフィスライフを阻む要因のひとつが男性の汗クサさです。働く堅実女子からも、こんな声が聞こえてきますよ。

「うちの上司、とにかく体臭がキツイんです。席の後ろを歩かれるだけで彼だってわかるくらい。

デスクは私の左斜め前なんですが、椅子にかけっぱなしのスーツからも、汗に何かがブレンドされたニオイが放たれて……。

今は、こっそり消臭スプレーを吹きかけていますが、“もう、クサいんだけど!”といつか口を滑らせてしまいそうです。どうしたらいいでしょうか」(広告会社勤務 27歳)

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対処法を鈴木真理子先生に伺いました。

ダイレクトな指摘はビジネスマナー違反に!?

本人に自覚のないことが多いオフィスの体臭問題。

深刻なのは十分理解しますが、どんなにていねいな言葉を使ったとしても、本人に「臭いです」とストレートに言うのは完全なるマナー違反です。

仕事以外の忠告は、相手のプライドを傷つけ、パワハラやセクハラにつながることもあるのです。

もちろん、上司だけでなく、部下や後輩への指摘もNG。それこそパワハラと受け取られかねません。
うっかり口を滑らせないよう、くれぐれも注意するのはもちろん、「直接言わなきゃ変わらない!」と忠告できる自分を正当化することも危険です。それこそ、職場でのあなたの立場を危うくさせ、居心地が悪くなる可能性が。それでは本末転倒ですよね。

おすすめは本人に“気づいて”もらう作戦

まずは気配り女子を演じてみましょう。

あなたのクサい上司を変えたいという思いを、

「外回りお疲れ様です。男性は夏場でもスーツですし、こまめにクリーニングをできるわけでもないので、衣料用消臭スプレーを買っておきました。ぜひ使ってください」

「今、男性の消臭スプレーがすごくヒットしてるそうなんです。買ってみたので、感想を教えていただけませんか? もし、○○さんが使ってみていい感じだったら、営業部の備品にしませんか?」などというセリフを利用して、チーム全体のことを考えての言動に転化させるのです。

感度の高い上司なら、気持ちを察してくれるだけでなく、あなたのビジネスウーマンとしての力量も汲み取ってくれるはずです。

鈍感上司には「部内で意見交換」を提案

上の方法で察してくれない“おとぼけ上司”の場合、次なる作戦はミーティング。

定例打ち合わせのときなどに、「夏場の身だしなみマナー」の議題をプラスするのです。

お客さまや取引先に不快感を与えてしまうと、責任者である上司も損をします。

「今のうちにみんなで夏場の身だしなみについて意識を高めておくと、業績アップにもつながると思います」と提案すれば、上司もNOと言わないはずです。

爽やか若手男子を味方につける

チームに爽やか若手男子がいる場合は、ミーティングの前に相談を持ちかけてみましょう。美意識の高い男子なら、出勤前にシャワーを浴びたり、制汗剤やシートなどを使ったりしているはず。

衣料の消臭スプレーの効果も、実際に使っている人の提案だったら説得力もありますよね。

「夏場のオフィスの身だしなみのマナーについて、意見交換したいから、積極的に意見を出してね」とひと言伝えておくとよいでしょう。

嫌われずに自分が居心地よくなるオフィス環境をつくる法

汗クサさも、加齢臭も、避けられないもの。本人だって(臭いには気づけないとしても)老化は感じているはず。そして気にしているはずです。

「尊敬しているからこそ、ずっとカッコいい上司でいてほしいんです」という応援する気持ちでさりげなく伝えれば、相手も嫌な気はしないでしょう。オジサマたちは、部下に好かれたいし、おだてに弱いんです。逆に、直接的なアプローチを「自分に対する攻撃」と受け止めてしまうことも。

マイルドに対応して、居心地いい職場に変えつつ、あなたの好感度も死守しましょう。思ったことをマイルドに伝えられてこそ、「はっきり意見を言える優秀な社員」なのです。

「はっきり」の度合いは、女同士の「ズケズケ」とは似て非なるもの。ここのトコロをくれぐれも間違えないようにしてくださいね。



■賢人のまとめ
ストレートに伝えることだけが正解ではありません。やんわりと、婉曲的に、提案型で思いを伝えるテクニックを鍛え、あなたのさらなる好感度アップにつなげましょう。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『もう必要以上に仕事しない!時短シンプル仕事術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部に迫るヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/