先日2016年3月1日に発表された仏Parrot の新ドローン「Bebop 2」は、今までのBebopにくらべ、バッテリーの持ちが11分から25分と2倍以上長くなり、プロペラのモーターも強力になって上昇や移動の速度も格段にパワーアップしました。このほかにも、新しくなったポイントがたくさんあり、ほぼすべてが一新されています。製品のくわしい情報は発表会レポートをご覧ください(コンパクトな新ドローン「Parrot Bebop 2」発表! 飛行時間が25分間になった!)。価格は67,500円(税別)で、発売は3月下旬からとなっています。

さて、そのBebop 2ですが、慶応義塾大学SFCにて、飛行のレビューをさせていただきました! さらに、レビューには突然の千葉功太郎さん(株式会社コロプラ取締役)や、SFCドローンレースチーム「KART」代表の高宮悠太郎さんと、パイロットの佐藤健史さんにもご参加いただきました。千葉さんは慶應義塾大学SFC研究所が設立した「ドローン社会共創コンソーシアム」の上席所員としても活躍されているそうです。ドローンの操縦の腕前も、プロのドローンレースパイロット並み!

株式会社コロプラ取締役の千葉功太郎さん(右)は、キレッキレのドローン操縦を披露してくれました。また、KART の高宮さん(中央)と佐藤さん(左)が出場しているドローンレースは、パイロットがFPV(First Person View)映像で操縦しながら、決められたフライトコースを飛行するという競技なのだそう。ドローンに乗っているというよりは、「ドローンが自分自身」みたいな感じになるらしいです

強風にも流されず安定! さらに俊敏な操縦も可能になりました

耐風性能が格段にアップしたBebop 2は、強風にさらされたり、風の強い上空にいても流されることなく安定して空中に静止します。さらに、横移動の反応の速さが強化され、安定した安心感のある飛行の中で、思い通りにダイナミックな操縦を楽しむことができるようになりました。高宮さんも「Bebop 2でドローンレースできそう!」 と言うくらい、操縦の俊敏性が上がっているみたいです。

以前のモデルのように、風に流されてコントロールできなくなり、木々や建物にぶつかって墜落してしまう、ということが今回のレビュー中にはありませんでした。

千葉さんにBebop 2を操縦してもらいました。こんなにキレのあるドローンの飛行を見たの、初めて……! と編集部員一同、驚愕しました

KART高宮さんに操縦してもらい、撮影した空撮動画。先ほどの千葉さんの操縦のように、上昇や横移動で機体は激しく動いているのですが、手ブレ補正の効果で、撮った映像はなめらかです

機体の操縦者以外なら、FPVを使って空撮されている映像を見ることができます。手ブレ補正された映像がほぼリアルタイムで見られるので、FPVを使っても酔いにくい! 画面も広いので、爽快な感じです。なお、操縦者は、機体を直接肉眼による目視で常に監視していなければならないという国土交通省による飛行ルールがありますので、FPVによる操縦を行う際には、国土交通大臣の承認を受ける必要があります

コントローラーは従来機種とほぼ同じですが、「緊急着陸ボタン」がなくなりました

コントローラーは従来機種とほぼ同じですが、「緊急着陸ボタン」がなくなりました

地面方向への撮影が可能! 撮影の楽しみも強化されました!

Bebop 2は、前方に搭載されたカメラが地面方向へ30度傾くようになりました。高い位置から見下ろすように地上を撮影することができます。

Bebop 2は、前方に搭載されたレンズの向きが、従来機種よりも下向きに30度傾いているので、機体のほぼ真下を撮影することが可能になりました。いままでは空も映像に入りがちだったのですが、上の画像のように地面だけを見下ろすことができます

上空から人物を撮ったりもしやすい! 今まで以上に、映像表現の幅が広がりますね

上空から人物を撮ったりもしやすい! 今まで以上に、映像表現の幅が広がりますね

前方、やや上向きで撮影するとこのような感じ。飛行機が映っていました

前方、やや上向きで撮影するとこのような感じ。飛行機が映っていました

かなり近いところまでドローンを飛行させて撮影。人の顔の表情がこれくらいわかるので、人物を撮影したビデオを見返すのが楽しそうですね

従来機種に比べ、上昇速度も横移動も段違いに速くなりました

Bebop 2は、モーター出力がアップし、上昇や横移動のスピードが速くなっています。バッテリーの持ちも2倍の25分になりました。さらに、耐風速度は63m/h! 従来機種のBebop Drone と比較してみると、パワーの差がわかります。

以下に掲載する新旧機種の比較動画は、どちらも最大出力の設定になっています。比べると、そのスピードの違いにビックリするはず!

Bebop 2と従来機種を同時に飛行させてみると、上昇や加速のパワフルさの違いがわかると思います。これは、モーターが新しくなり、プロペラも大きくなったためとのこと。また、この日は強風でしたが、従来機種と比べて格段に風に流されづらく(その場にい続ける力の強さが強く)なっていることがわかりました

最後に、千葉さんにBebop 2のポイントをお聞きしました。「コストパフォーマンスがよくて、入門機としておすすめです!」とのことです

まとめ

比較動画からもわかるとおり、新型のBebop 2は他の一般向けドローンたちよりも高性能だと感じました。見た目は一回り大きくなっただけで、あまり変わりませんが、操縦してみると、風向きや抵抗を考えなくてよくて、自由な感じです。さらに、スルスルっと加速していく感覚は、これまでの一般向けドローンやラジコンでは経験できなかったような操作感でした。ますます簡単!

また、下向きにカメラのレンズが搭載されたことで、地形や建物がばっちり見られるようになったので、地図みたいに見えて面白かったです。

千葉さんもおっしゃっていた通り、これほどの性能のドローンを6万円台で購入できるのはかなりコスパがよいと思います。都心など、人口が集中している地域では飛ばすことは難しい(国土交通省の許可が必要)ですが、それ以外の場所では飛ばせるところがあります。優雅に操縦を楽しむなら、広くて見晴らしのよい場所のほうが楽しめると思いました。


>> 6万円台でセミプロレベルの性能。新ドローン「Parrot Bebop 2」レビュー の元記事はこちら