YouTubeより

男性が1日「妊婦体験」をする動画がネット上で話題を呼んでいる。その名も『The TRY GUYS』という4人のアメリカ人男性が、あらゆる妊婦のシチュエーションを実際に体験してみるというもの。

お腹部分に水の袋が入れられた重い妊婦スーツを試着

まずは本物の赤ちゃんのお世話をし、人生初めてのオムツ替えに戸惑いながらも挑戦。しかし、これは序の口で、臨月に近いと思われる体重の妊婦スーツを着て1日を過ごしてみる体験がとても興味深い。

お腹部分に水の袋が入れられた妊婦スーツは非常に重く、試着してからすぐに腰が痛いと訴えるメンバーも出てくるほど。スーツを着たらお次は、クローゼットに準備された数々の服に着替えることに挑戦。ところがどの服もピチピチで入らない! それに、服を着る動作がいかに大変かということに気がつくのだ。

「一体、妊婦さんはいつ休めるっていうんだ!」

メンバーの中には「僕の母親は3回妊娠を経験しているけれど、ずっとハイヒールを履いてたんだよね」と自分の母親を思い出し、妊婦スーツを着用したうえに履き慣れないハイヒールに挑戦。がに股歩きする無惨な姿が映し出されてしまった。

ベッドで寝がえりをうつ挑戦には、バランスを崩してベッドから落ちることも。「寝るのにもこんなに苦労するなんて、一体、妊婦さんはいつ休めるっていうんだ!」と、妊婦の大変さを早くも実感。

ほかにも妊婦スーツを着たまま階段を降りてみたり、マタニティーヨガを体験したり、デスクワークに挑戦してみたり……。食器洗い機を開け閉めするのにしゃがむと立ち上がれなくなること、車から降りようとしてもなかなか身体を動かせないこと等々、とにかく日常生活で当たり前にできていることが、不自由すぎてしょうがないことが分かったようだ。

自分の母親が誰よりも強い人だって分かった

この辺、妊娠したことがない女性でも見ていて「そんなに大変なのね!」と驚かされるシーンが多い。他にも、実際の妊婦さんに話を聞いたり、お腹に手を当てさせてもらって、赤ちゃんのキックを感じて興奮している様子は、まるで彼らが子供に戻ったよう。

きわめつけは陣痛体験。お腹や背中だけでなく、性器の近くに電気パッチをいくつも張りつけ、痛さのレベルを1〜4まで少しづつあげていくもの。レベル1は、笑い声がでているのでまだ余裕があるようだ。レベル2、3辺りから、声だけでなく汗が出始めてくる。レベル4になると、叫び声しか出てこなくなり、足がけいれんしているようにも見える。

見ているこちらが力んでしまう程、相当な痛みを感じているのが十分伝わってくる。もう罰ゲームにしか見えなくなってくるほどだ。

こうして1日の妊婦体験を終えて、彼らの感想は「とんでもない1日だった」「これを9か月間も体験し続けるってどういうことなんだ!?」「分かったのは、自分の母親が誰よりも強い人だってこと。お母さんに電話して『ありがとう』って伝えたい」と語るものまで現れた。

「自分を産んでくれてありがとう」

この妊婦体験の番外編動画では後日、母の日にメンバー1人ひとりが、母親に電話をして、自分が産まれたときのこと、赤ちゃんだったときの話を聞くシーンも紹介されている。なかなか男性が母親に向かって「自分を産んでくれてありがとう」と言う機会はないだろうに、妊婦体験はそうさせてしまうほど強烈な体験だったということだろう。

最初はこの動画を見た時に「いつも女性ばかりが大変な思いをしているのだから、男性も見習うべし!」と上から目線でいたのだけれど、最後にはなんだかハート・ウォーミングな体験動画で感動してしまった。英語が分からなくても、陣痛体験映像はなかなか見物。女性も色々考えさせられる面白い動画だ。

(中村綾花)