死刑制度がある国、ない国

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日本には死刑という制度があります。死に値する罪とはなにかと考えてしまいますが、果たして世界において「死刑」という刑罰はメジャーなのでしょうか? 死刑のない国はどういう理由なのでしょうか?

■死刑を廃止していない国は結構あるのだが……?

世界には194の国がありますが、そのうち97の国が「あらゆる犯罪に対する死刑を廃止」しています。また、反逆罪など特別な場合のみ死刑を規定している国は7、法律上は死刑制度が残っているものの死刑を執行していない、もしくは死刑をしないと公約した国が48カ国あります。

一般的な犯罪に対し死刑制度が残っていて、実際に今も死刑が行われている国は42カ国と少数派なのです。もちろん、日本も42カ国のうちの1国になります。

■先進国の中では日本とアメリカだけ

先進国と言われる国の中で、死刑制度が残っているのは日本とアメリカのみです。アメリカの場合、アメリカ連邦法と州法で見解が異なっており、州法でも死刑制度が残っているのは33州になります。ヨーロッパの先進国で死刑制度が廃止となっているのは、EU加盟の条件として「死刑制度廃止」という文言があるのも一因となっています。

もっとも、EU加盟とは無関係に死刑制度を廃止している国々も多いのですが。

■日本の死刑囚は何人?

2014年10月16日現在、死刑が確定している死刑囚は129名います。この数は、10年前と比較すると2倍以上になっています。ただしこれには理由があって、特別抗告など「死刑判決はおかしい!」という申し立てをし、それの審理が行われている最中は、死刑執行ができないからです。

また、死刑執行に当たっては法務大臣がサインをしなければならないため、大臣によっては全く執行されないことが起こりえるのです。

■死刑のやり方あれこれ

先進国であると言われている日本に「死刑」という残忍な刑罰が残っているのは異常だと、他の国の人からは言われます。特に「すぐに死に至らしめることのない」絞首刑を採用しているところが、残忍な刑罰と言われるゆえんです。

アメリカの死刑は薬物注射ですし、ヨーロッパにおける死刑の代名詞であるギロチンは、死刑囚が苦しむ前に死ねるという人道的配慮により生まれた道具だったりします。死刑制度が残っている他の国の処刑法を見ると、銃殺刑や石打ち刑(石をたくさん投げて殺す方法)など様々です。

最近は裁判員制度による裁判において死刑判決が出るケースが増えてきました。私たちが裁判において死刑を宣告するケースも起こりえるのです。死刑とはどういうものか、お勉強しておくといいかもしれませんね。