スパイスに潜む罠―食中毒を引き起こす「サルモネラ菌」に注意
食べ物をおいしくしてくれるだけでなく、健康にもいいスパイス。でも、実はサルモネラ菌のリスクが高いことが分かりました。
スパイスの国と言えばインド。しかし、この国で「手摘み」「水洗い」「天日干し」といった昔ながらの方法で生産されているスパイスには、サルモネラ菌が混入している恐れがあるので注意が必要です。
アメリカ食品医薬品局による20,000隻以上の輸入船を対象にした調査で、7%近くのスパイスに、サルモネラ菌が混入している可能性があることが分かりました。これは、その他の輸入食品平均の倍にあたる数値だということです。
特に危険度が高いのはコリアンダー(15%)、オレガノ、バジル(各12%)。ゴマやコショウ、カレーパウダーなども数値が高くなっているそうです。インドのほか、メキシコ産のスパイスにも混入が見られるということです。
サルモネラ菌は、急性胃腸炎やまれに腸チフスなどの食中毒の原因となる細菌で、2,000以上の種類があると言われています。嘔吐(おうと)、下痢、高熱といった、ひどい風邪に似た症状を起こし、死亡例もあります。
日本では、卵などの動物性食品が原因になることが多いですが、低温や乾燥に強いため、スパイスの中でも生き残ることができます。殺菌には加熱が有効です。
流通しているスパイスの殺菌には放射線照射が有効ですが、国内では義務付けられてはいないのが現状(http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/f06_food_irradiation.pdf)。特に輸入食品店やオーガニックの商品を買う時には注意したいところです。
※ 当記事は、ハイブリッド翻訳のワールドジャンパー(http://www.worldjumper.com)の協力により執筆されました。
参考:Salmonella in Spices Prompts Changes in Farming
http://www.nytimes.com/2013/08/28/world/asia/farmers-change-over-spices-link-to-food-ills.html?src=un&feedurl=http%3A%2F%2Fjson8.nytimes.com%2Fpages%2Fworld%2Fasia%2Findex.jsonp