香川は低い位置ではなく、ゴール前、PA内やバイタルエリアでプレーした方が良い、というのは、もちろん間違ってはいませんが、では、メッシやイニエスタやシャビが、特にメッシとイニエスタが(シャビは基本的には低い位置でプレーしているので)、常に高い位置でプレーしているのかと言えば、必ずしもそうではない。最終的に勝負する場所は高い位置であっても、そこに対して良い形(タイミングや態勢)で入って行かなければ、特にイニエスタの場合(最近のメッシはフィジカルが強いので)はそうで、という事は、やはり香川にも同じ事が言えると思っています。

また、おそらくファーガソンが香川に求めているのは、得点を取る事よりも、周囲の選手に得点を取らせる事、なのではないかと思っています。ファン・ペルシー、ルーニー、ウェルベック、ナニ、ハビエル・エルナンデス、アシュリー・ヤング、など、そういう選手たちとのポジション争い、もしくは、香川はどこのポジションで起用されるのか、その事が盛んに議論されていますが、個人的にはそれは論点を外していると思っていて、それはなぜかと言えば、ファーガソンが、そういう選手たちに求めている事と、香川に求めている事と、そこに違いがあると思うからですね。

そういう意味では、マンチェスター・ユナイテッドで、ではあっても、ドルトムントの時にやっていたプレーと大きく変える必要も変わる必要も香川には無くて、特に2シーズン目に香川がドルトムントでやっていたプレー、周囲を活かすために主にプレーする、という事が、むしろマンチェスター・ユナイテッドでも求められていると思います。ファン・ペルシーも加わり、得点を取れる選手は揃っています。では、そういう選手たちを活かすのは誰なのか。そういう選手たちに得点を取らせるのは誰なのか。その答えは、香川、という事になると思います。