「誠実」の2文字で涙があふれる…「もしハセ」現象!
今や日本のホットキーワードでもある「心を整える。」。言わずと知れたサッカー日本代表キャプテン・長谷部誠さんの大ヒット著書であります。その売り上げは65万部を突破。しかも、印税を全額東北関東大震災の復興のため寄付するという美談つき。ざっくり計算するとその額は8450万円となり、サッカー界では本田△の5000万円を超え、スポーツ界全体を見てもイチローの1億円を超える可能性が出てきました。
義援金の多寡は問題ではありませんが、AKB48の大島優子さんが「票数=売上=愛」と言っている現代にあっては、誠実さのひとつの指標として受け止めることも可能。仮に僕が著者であれば「しもた…」「思ったより売れるやん…」「一部寄付にしときゃよかった…」と後悔したことは確実。しかし、そんなシモタ感をおくびにも出さない長谷部さん。日本代表キャプテンへと推されたのも、今ならば理解できる気がします。
試合中のふるまいも誠実そのもの。心…ではなくチームのバランスを整えつつ、前線から最終ラインまでポイントとなる局面に愚直に顔を出す献身的動き。慣れない3-4-3の布陣でのぞんだキリンカップでは、長谷部さんの献身がチームの穴を塞いだといってもいい働きぶりでした。日々の戦いで見せるこうした姿が周囲の人の胸を打ち、この男を世界の舞台へと導いたのでしょう。特別に秀でたとはいえない体格や技術を、誠実さでカバーする長谷部誠という男のサクセスストーリーに注目が集まるのは、ある意味で必然だったのかもしれません。
しかし、本当に真面目な男かどうかはわからない…!
10日に放映されたTBS「金曜日のスマたちへ」と日テレ「アナザースカイ」。いずれも長谷部さんをフィーチャーし、その誠実さを採り上げる内容でした。確かに描き出された長谷部像は誠実そのものでしたが、真面目が突き抜けて面白くなるゾーンへ徐々に踏み込むような、「おや?」エピソードがちょこちょこ紛れ込んでいるではありませんか。
これはぜひ見逃した人にも広めなくては。そして、長谷部誠という男が決して誠実な聖人君子ではなく、一本気で融通が利かないだけの天然兄ちゃんであることを強調しなくては。誠実とはまったく対照的な僕の中の悪魔は「長谷部がモテモテって納得いかない」「長谷部ですよ、長谷部」「何とかしてイメージをダウンさせねば」と、ここに決然と立ち上がった次第。
ということで、長谷部さんのイメージダウンを画策しつつ、10日の「金曜日のスマたちへ」「アナザースカイ」をチェックしていきましょう。

◆全然誠実じゃないやん…結構ウソにまみれた生活してるやん…。
まず先行して放映されたのは、TBS「金曜日のスマたちへ」。若くてキレイなお姉さん50人くらいが待ち受けるスタジオに颯爽と登場したのは、個性派ぞろいの日本代表を率いるキャプテン・長谷部誠。「見るものの目を奪う強烈なプレーをする選手ではない」と長谷部さんの並平凡なプレーを紹介しつつ、一回下げてから持ち上げていく長谷部アゲ番組がスタートしたのです。
↓長いので箇条書きでポイントだけまとめていきます!
<「金曜日のスマたちへ」長谷部誠エピソード集>
・スタジオ登場後「僕が(番組に)出ていいのかな」とワザワザ控え目発言をし、共演者に「イヤイヤイヤ」「そんなことないですよ」と言わざるを得ない状態を強いる
・「オフは3週間です」と発言し、共演者に無理やり「三週間は短いですねぇ」と言わせる。日本の社会人で正月に3週間も休むヤツは稀ということは無視。練習している1時間半以外は基本ヒマという現実も無視
・「中居さんに呼ばれたらいつでも(番組に)行きますよ」と優等生発言のタイミングは逃がさない
・もちろん「心を整える。」の印税を寄付していることも忘れずに紹介

・誠という名の由来は、祖父・松太郎さんの「誠実な人間になってほしい」という願いから。ただし、長谷部さん本人は「もともと大っ嫌いだった」とそんなに気に入ってはいなかった。今はまぁまぁ誇りを持っている
・サッカーを始めたきっかけは松太郎さんが3歳の誕生日にくれたサッカーボール(という、心温まるエピソードもちょいちょい入れる)
・サッカーに夢中になり、ご飯までに帰ってこない不良幼年時代をすごす
・お爺ちゃん子となった長谷部さんは、夜な夜な松太郎さんの「戦争の話」に目をランランと輝かせる悪魔的嗜好を発露
・松太郎さんは「いつでもサッカー相手になってくれる」「お菓子を買ってくれる」貴重な存在
・「キャプテン翼」に影響されて泥だらけのボールを抱えて寝るなど、布団を無駄に汚す不良幼年時代をすごす
・学級委員長、サッカー部のキャプテンなどを歴任する計算高さ
・部活後のグラウンド整備をさぼる部員は絶対に許さない。サボった部員に「残りはお前らが全部やれ」と厳罰を与えたことも
・日本代表の合宿ではそのクソ真面目ぶりから、「米は最後の一粒まで残さず食べようぜ」「お前はハセベか!」という会話が飛び出すほど、生きるギャグとして扱われる
・藤枝東高校の監督曰く「平均的な選手だったという印象しかない」「強烈な印象はない」。浦和レッズのスカウトが来たときも「ええっ!?長谷部?」「全然ムリだよ」「プロで通用する選手じゃないよ」と応じた監督は、全然ムリだと思っていたので本人に連絡するのも忘れたほど
・両親も「ムリに決まってるでしょ」「大学に行って」「お願いだから」と号泣。中学時代の恩師も「お前にはムリだ」「大学に行け」と断言し、友達のカネコ君からもプロ入りを断念するよう説得される。ちなみにこれは、ご両親が長谷部さんの知人に根回しした結果
・そんな中、祖父・松太郎さんだけがイチかバチかのプロ入りを勧める山師ぶりを発揮
・というJリーグ入りの話題が出たところで、間髪入れずに「大きな夢はあるけれど、自分の足元を見つめて一個一個小さな壁をクリアしていきたい」と優等生発言を忘れないのはさすが。共演者も「誠実なんですね…」と言わざるを得ない雰囲気
・さらに「僕は全然おちゃらけてますよ」「オフはお酒も飲みますし」「カラオケも行きますし、踊りも…まぁ」と遊んでいるコトを強調することで、逆に真面目さをアピールするやらしいテクニックも発揮。酒飲んでカラオケなんてコッチは平日でもやってるっちゅー話
・やがてプロ入りした長谷部さんだったが、初年度は出場機会も乏しく苦しむ。そんな折、松太郎さんが大腸ガンで入院。病床で「浦和…誠の試合に行くぞ。まだファンもいないようだから、ワシらで応援してやらんとな…」とうわごとのように漏らす松太郎さん
・長谷部さんは2年目に向け猛練習するも、活躍する姿を見せることは叶わず松太郎さんは他界。悲しみをこらえる長谷部さん。長谷部さんはスパイクに「松」の字を入れ、松太郎さんの死から半年後プロ入り初ゴールを決めた。以降長谷部さんはゴールのたびに天を指差し、松太郎さんにそのゴールを捧げつづけている
・今もその思いは変わらず、ワールドカップの舞台でも南アフリカの空に「じいちゃん、今日もよろしく」と呼び掛け、天国の松太郎さんとともに戦っているのだった…

何だ、この感動的エピソード…。
最後のほうはイメージダウンさせるの難しいやん…腹立つわ…。

まさにドラマのようなエピソードたち。特に祖父・松太郎さんの話は、僕の中の悪魔さえ目を潤ませるもの。しかし、涙はこぼしませんでした。何故かというと、松太郎さんの話は以前聞いたことがあったからです。そう、この話は長谷部さんを語る上での鉄板エピソード。再現VTRやロングインタビューでは必ず登場してくるおなじみの話なのです。逆に「コレしかないんじゃないのか?」と疑問を抱かせるほどに。
そんな状況で長谷部さんが登場した日テレ「アナザースカイ」。「日本では真面目ぶっているがはたしてドイツではどうかな?」と訝しむ僕の中の悪魔にとっては、むしろコチラが本番。案の定長谷部さんは、爺さんの話をしても打ち消せないほどの、ドイツでの悪行三昧を告白し始めたのです…。
↓ウソで塗り固められた長谷部誠のドイツ生活!
<「アナザースカイ」長谷部誠エピソード集>
・司会の今田さんに「スゴイ緊張されてると聞いたんですけど」「緊張しすぎて打ち合わせ中に弁当落としたそうですね」とわざわざ言わせるなど、「バラエティで緊張するオレ」を懲りずにアピール
・「あまりトーク番組は出られないですよね?」「そうですね、こういう感じは初めてです」という白々しい会話。結構出てるやん…

・番組はまず周辺の人物に聞き込みを開始。岡崎慎司は「ハセさんは真面目っすね。真面目かっ!って言うところが、長谷部かっ!っていう話になって、それが定着した」と証言
・川島永嗣は、ちょっと抜けている面について「この前帰国したときのTシャツでTHE END OF LOVEとか着ちゃったりとか。どうしたマコと思うときはある」と証言
・中澤佑二は日本代表キャプテン交代の件について「ハセがやることでチームがまとまった」「ハセも一回り大きくなった」「長谷部だったら任せられる」と本音を吐露。しかし、その後付け加えて「今度メシ呼んでくれ、そのときまでに心を整えておくから!」と著書イジリも忘れない
・そんな中、長谷部さん本人は後輩想いの面を強調すべく、香川真司の「ライブ行きたいんすけど、ハセさんチケット取れる〜?」というお願いに気軽に応じたエピソードを披露
・そして番組はドイツ・ヴォルフスブルクへ

・現地の紹介をしながら「僕はサッカーやるためにコッチに来てるんで」と語る長谷部さん。僕の中の天使は「長谷部かっ!」とツッコミ、僕の中の悪魔は「ウソだろ…ちょいちょい悪さしてるんちゃうんか…」と訝しむ
・自宅にカメラを招き入れると室内は整然。「めちゃくちゃキレイですね」とスタッフに褒められると、「そうすか?来るっていうからキレイにしたんです」とニンマリ。テレビのリモコンや調味料まで整然と並ぶさまは、「今片付けた」なんて話は絶対ウソだと雄弁に物語る
・「寂しくないですか?ドイツでの生活は」「いや、寂しいと思ったことはあんまナイですね。最初の頃は友達会いたいとか家族会いたいとかあったんですけど、今はもう慣れちゃったんで」という会話。僕の中のフジテレビ女子アナウンサーも「ウソよ!」「ウソでしょ…ウソって言って…」「THE END OF LOVE」と絶叫
・司会の今田さんとキレイ好きという点で意気投合した長谷部さんは、「お互い結婚できないタイプ」とニヤリ。僕の中のフジテレビ女子アナウンサーも「ウソよ!」「ウソでしょ…ウソって言って…」「THE END OF LOVE」と絶叫
・流れで女性関係の話になると「僕は日本人女性が好き」と告白する長谷部さん。僕の中のフジテレビ女子アナウンサーも「ウソよ!」「じゃあどうして…」「THE END OF LOVE」と絶叫
・そんな中、何故か髪を切ると言い出した長谷部さん。往復2万円の交通費を払って、わざわざ日本人美容師の店へ行くなどこだわりを見せる。しかし、そこではトンデモない長谷部さんのウソ生活の実態が…
・長谷部:「ここいつも、名前を長谷部じゃなくて、先輩の田中達也の名前を借りて、田中の名前で予約してるんで」
・やらしい店に通うオッサンみたいなしょうもないウソだなwww
・ちなみに、美容院の店長は「常連の田中達也さんが、実は長谷部誠さんであることは薄々気づいていた」とのこと
・しかし、担当の女性はまったく気づいておらず「いろいろ話思い出してみたらおかしい…」「日本に行くってそういうことだったんですか…」「家庭教師とか言ってたし…」と謎の人物・田中達也にすっかり騙されていた
・担当の女性のうかつぶりは凄まじく「長谷部さーん!35ユーロじゃなくて32ユーロでした!」と料金まで間違う始末。長谷部さんは「あぁいいっすよ」と3ユーロをケチケチしない器の大きさをここぞとばかりにアピール
・その後、「ええ人やん」ムードに持っていくため、さっきとまったく同じ爺さんの話を繰り返す。爺さんの株無駄に急騰
・さらに「ええ人やん」ムードに持っていくため母校を訪問し、小学生とサッカーで戯れる。「まだまだっすよ俺も。ボール取られちゃいました(テヘッ)」と嘯き、向上心と子ども好きを同時にアピールするやらしさ日本代表
・最後は太宰の「人間失格」の一節を引き合いに、「これからも簡単に解決するような道は選ばないで行こう」と宣言。やらしさ日本代表キャプテンを襲名
・シメの一言は「私にとってのヴォルフスブルクは…」「第二の故郷です」と普通

実は「長谷部かっ!」って言われたいんだろ!
腹の底では計算高い男と見た!

と、このように2番組を見ただけで、同じ話が混じってくる長谷部さん。オフということもありテレビ出演バブルはつづきそうですが、「爺さんの話は禁止」「もうウソはつかない」「ええ人ぶらない」などの注意点を、マネージャーさんからも指導してもらいたいところ。そして世間にも、いたずらに長谷部さんを神格化しないよう、僕も及ばずながら努力していきたいと誓うのでした…。
↓田中達也の名前を語ってわざわざベルリンまで移動する、長谷部誠のアヤしいウソ生活動画

男:「明日?明日は髪切るからムリ」
女A:「えー、まだ伸びてないよ」
男:「いやいや、プレーにも影響するし」
女A:「ふーん…」
男:「もしもしタナカです。明日行くから…」

女A:「美容院さんですか?そちらにハセベという客は…」
男:「食事もタナカで予約しておいたよ」
女A:「美容院さんですか?そちらにハセベという客は…」
男:「ホテルもタナカで予約しておいたよ」
女A:「美容院さんですか?そちらにハセベという客は…」
男:「僕の仕事は家庭教師だよ…」
女B:「あなたって謎めいた人ね…」
女A:「THE END OF LOVE」
アヤしいでwwwww悪さの匂いがプンプンするでwwww
僕の色眼鏡はそう簡単にダマされないぞ!

長谷部さん、心だけじゃなくアリバイを整えるのもお忘れなく!


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