歴史が教えるもの ユルユルの金融政策がインフレをもたらすのであって、地政学リスクはきっかけにすぎない
原油は買いです。
中東情勢はたいへん流動的であり、いま慌ててトレードすると逆を突かれるリスクがあることは僕も十分承知しています。
でももうインフレの流れは変わらないと思うのです。
少し説明させてください。
1965年にジョンソン大統領がマーチンFRB議長を自分の牧場に呼びつけて低金利を維持するように指示しました。
これはベトナム戦争の戦費調達のために低金利を維持する必要があったからです。
まず金価格が1971年から1973年までの間に3倍になったのです。
第一次オイルショックは1973年10月にOPECが1バレル=5ドルを皮切りに翌年1月には1バレル=11ドルまでカルテル価格を維持すると宣言したために起きました。
当時の大部分のエコノミストは人為的なカルテルは抜け駆けする奴が出てくるので必ず失敗すると予想しました。
しかしその予想に反してカルテルは大成功します。
その理由はそもそも貨幣の供給が多すぎたので潜在的なインフレ圧力が蓄積していたからです。
このように:
1.まずジャブジャブの金融政策が採用される
2.貨幣の供給が多すぎたので度重なる地政学的材料に市場が反応した
という順番なのです。
今回も追加的量的緩和政策で過剰な流動性は穀物などのコモディティに向かいました。だから小麦価格が騰がれば騰がるほど、チュニジアやイエメンやエジプトの不安定さが増しているのです。だからこれは偶然ではありません。
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