「広東語を守れ！」集会で、当局が3人の身柄を拘束・処罰
広東省広州市公安局（警察）は2日、同市内で1日午後2時ごろから行われた「広東語を守れ」と題された集会に絡み、3人の身柄を拘束したと発表した。騒ぎを率先して交通を妨害し、公共の場所の秩序を混乱させたことが理由とした。中国新聞社が報じた。
広州市警察は「少数の人間が『広東語を守れ』との名目で、越秀区人民公園や北京路で不法な集会を行った。騒ぎを起こす者もおり、公共の秩序を乱した。広州市警察は集会デモ示威法、治安管理処罰法の定めにもとづき、勧告を無視して騒ぐ者を現場から連れ出して処理した。午後4時30分ごろから集まった者は徐々にその場を離れ、現在は正常さを取戻した」と説明した。
警察によると、連行した人のうち19歳男性、42歳女性、25歳男性の計3人を行政拘留処分とした。残りの人は釈放したという。行政拘留処分は比較的軽微な違法行為に対する処罰で、拘束期間は最大で20日。裁判は必要ない。警察は3人の実名を公開し、うち1人には強盗で懲役刑を受けたことが、1人は違法薬物の使用で3回、強制治療処分になったことがあると付記した。
広州市では最近になり、「広東語が禁止され、普通話（標準語）に統一される」とのうわさが発生し、市民らの間に反発の動きが出ていた。
「広東語を守れ」とする集会は、7月26日にも発生していた。広州市政治協商会議委員のひとりが、テレビでの広東語使用の全面廃止を提案したことが、原因とされる。（編集担当：如月隼人）
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◆解説◆ 「普通話（プートンホア）」は北京など中国語の北方方言を土台にした共通語。中国政府は普通話の教育と普及に力をいれている。ただし地方では、テレビやラジオでは一部、地元の言葉による放送が行われている。
中国語は方言差が大きく、近隣の言葉ならともかく、「北京語」と「広東語」のように遠く離れた方言の場合、会話しても意思疎通は困難だ。そのため、「中国語というひとつの言語としての概念を設定することには無理がある」との指摘がある。ヨーロッパの言語の場合、イタリア語とスペイン語、ポルトガル語など近縁の原語ならば、会話での意思疎通がかなりの程度、可能だ。「北京語」と「広東語」の場合、それ以上の距離が大きいと考えてよい。
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