福士蒼汰、日本から世界へ羽ばたく “グローバルスター”への階段を着実に歩む努力家の素顔
福士蒼汰主演ドラマ『東京P.D. 警視庁広報2係』(フジテレビ系)が佳境を迎えようとしている。捜査一課の刑事になるために警視庁に入ったものの、なぜか広報課へ異動となった今泉麟太郎(福士蒼汰)は、広報の中でも報道陣への対応を専門とする“広報2係”の所属となる。当初は困惑しながらも、信頼できる元捜査一課の刑事で係長の安藤直司(緒形直人)らとともに働くうち、次第に広報の重要性を学び、成長していく姿を描く社会派警察ドラマだ。
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今泉は過去に起きた事件のトラウマから記者のことを嫌っていたが、だんだんと広報としての立場からできる限りの力を尽くし、捜査現場の刑事と対立することも厭わず、奮闘するようになる。3月3日に放送された第6話では、都内で通り魔事件が発生。サバイバルナイフで男女3人を無差別に切りつけて逃走した犯人を追っていくと、被疑者と思われる人物が浮上するも、発表前にSNSではその男性を犯人だと決めつけ、彼の家族のもとにまで記者や野次馬が群がり、収拾がつかなくなっていく……というストーリーだった。
本作の面白さは、捜査する刑事ではなく、広報に焦点を当てていること。フジテレビで実際に警視庁記者・報道記者を経験した安永英樹が原案・プロデュースを担っているからこその警視庁広報課のリアリティーがある。さらに、複数の脚本家が集まり、作品全体のストーリーや各話の構成などを共同で執筆する“ライターズルーム方式”によって、事件解決への道のりがスピーディーかつ濃密に展開されていくうえ、season1の終了後からFODでseason2の独占配信が決まっているという異例づくしのドラマだ。福士は、当初悪態をつくもだんだんと責務に目覚めていく、等身大の今泉を見せている。
ここであらためて、福士蒼汰について振り返ってみよう。1993年5月30日、東京生まれの、今年32歳。2011年1月にドラマ『美咲ナンバーワン!!』(日本テレビ系)で俳優デビュー。同年9月に『仮面ライダーフォーゼ』(テレビ朝日系)でドラマ主演、12月に公開の『仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX』で映画主演デビューも果たす。同作では、彼の十代の頃のはつらつとしたエネルギッシュな演技が初々しく、ほかにも吉沢亮や菅田将暉といった、現在日本の映画界をリードする実力派のフレッシュなやりとりがまぶしい。
2013年には、NHK連続テレビ小説『あまちゃん』で、能年玲奈(現・のん)演じるヒロインに一目惚れされる高校の先輩・種市浩一役にて、お茶の間の人気者となる。これまで子どもから年配の方まで、幅広い年齢層に響く作品に出演し、2014年に立て続けに公開された映画『イン・ザ・ヒーロー』『神さまの言うとおり』『好きっていいなよ。』の演技で、第38回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。以降も周知の通り、ドラマや映画から舞台に至るまで、活動領域を広げていく。
そしてその活躍は、日本だけに留まらない。2023年にHuluオリジナル『THE HEAD』Season2で初の海外ドラマ出演を実現する。太平洋に浮かぶ巨大貨物船を装った秘密研究基地を舞台に、震撼の事件が繰り広げられ、極限状態に追い詰められた人々が真相に迫るサバイバルスリラーだ。福士は唯一の日本人でメインキャストのひとりとして、エンジニアのユウト・ナカムラ役に。同作で彼にインタビューしたが(※)、もともと海外作品への意欲と志が高かったそうだ。中学のときに英語の先生に発音を褒められたことがきっかけで、ずっと独学で英語を勉強してきたのだという。いつかの海外作品出演のために、語学力と演技力を磨いてきた努力家だ。
2026年には、韓国のNetflixシリーズ『恋の通訳、できますか?』に、『スタートアップ:夢の扉』『海街チャチャチャ』のキム・ソンホ、『還魂』『ムービング』のコ・ユンジョンとともに出演。福士は日本人俳優の黒澤ヒロ役として、冒頭から登場。恋愛リアリティ番組の撮影中、殺人ゾンビのドラミ役で有名になった女優チャ・ムヒ(コ・ユンジョン)に、「私は本気でチャ・ムヒという人が好きです」と愛の告白をする。彼女にほのかな想いを寄せていた多言語通訳者のチュ・ホジン(キム・ソンホ)は、ヒロの言葉に動揺し、訳せないのだった。日本、イタリア、韓国、カナダなど抜群の海外ロケーションのなか、ホジン×ムヒ×ヒロの想いが交差するロマコメは大いに話題を呼んだ。
同作で韓国ドラマ初出演を果たした福士だが、キム・スヒョンとチョン・ジヒョンが主演を務めた人気韓国ドラマの原作の日本版ドラマ『星から来たあなた』(2022年/Prime Video)で主演を務めたこともある。日本版は、韓国版の魅力を抽出しながらも、福士ならではの味わいのある役となり成功していた。そして2026年は、マ・ドンソク製作・主演の大ヒットシリーズ『犯罪都市』を日本オリジナルストーリーでユニバース化した映画『TOKYO BURST-犯罪都市-』の公開が5月29日に控えている。東方神起のユンホや、『ペントハウス』のオム・ギジュンらと共演するヴィラン役となるのだ。さらには、今秋公開予定の『花臉猫:修羅道』で、台湾映画に初主演。いよいよアジアから世界へと羽ばたく時期が来たようだ。
今年デビュー15周年を迎え、2月にはグローバルファンクラブ『SoTime Fragment』を開設した福士。恵まれた容姿にあぐらをかかず、コツコツと努力して着実に前進し、時には大きくジャンプアップすることもあるであろう。福士蒼汰の今後のますますの活躍から目が離せない。
参考※ https://lp.p.pia.jp/article/news/277066/index.html
(文=かわむらあみり)
