2018年サッカーW杯ブラジル大会、決勝、ドイツ対アルゼンチン。優勝を喜ぶドイツの選手(2014年7月13日撮影)。(c)ADRIAN DENNIS / AFP

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【AFP=時事】ドイツサッカー連盟(DFB)が代表チームの公式キットサプライヤーを同国スポーツ用品大手アディダス(Adidas)から米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)に変更すると発表したことを受け、独副首相らは22日、「愛国心」に欠ける決断だと非難の声を上げた。

 DFBは21日、70年以上にわたるパートナーシップで4度のW杯(World Cup)制覇を経験してきたアディダス社との契約を、2026年をもって終了することを明らかにした。代表チームは2027年からナイキ社製のユニホームを着用する。

 これに対して、ドイツのロベルト・ハーベック(Robert Habeck)副首相兼経済・気候保護相は、AFPの取材で「三本線のないドイツのユニホームなど、とても想像できない」とコメント。アディダスのトレードマークである3本のストライプと独国旗の色の組み合わせは「ドイツのアイデンティティーの一部だ」とし、「自分にとって、アディダスと黒・赤・金は常に一心同体だ」と述べた。

 ハーベック氏はまた、アディダス社とドイツの経済がともに厳しい時期を経験してきた中で、DFBから「もっと愛国心を示してもらいたかった」と語った。

 バイエルン(Bavaria)州政府のマルクス・ゼーダー(Markus Soeder)首相も、「代表チームは三本線とともにプレーする。それは、ボールが丸く、試合が90分間であるのと同じくらい明白だ」とX(旧ツイッター)に投稿した。

 DFBによると、ナイキとの契約は2034年までとなっており、「これまでで最高の金銭オファー」だったという。

 独日刊紙ビルトの報道では、アディダスのビヨン・グルデン(Bjorn Gulden)最高経営責任者(CEO)が、20日にフランクフルトで年間6000万ユーロ〜6500万ユーロ(約98億円〜106億円)の金額を提示し、最後まで懸命にDFBの上層部を説得したとされている。しかしながら経済紙ハンデルスブラットは、ナイキとの契約は年間1億ユーロ(約164億円)と報じている。

【翻訳編集】AFPBB News

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