初デートで告白した34歳男。それでも、女が交際をOKしたポイントとは
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は?
▶前回:アプリでせっかくマッチしても3回目のデートがない男。彼が女に見限られるワケ
たった一度しか、デートをしていない。でも僕は今日どうしても言いたくなって、目の前にいる椿に思わず告白してしまった。
突然の僕の告白に、明らかにフリーズしている椿。
― 早かったかな…。
そう思った。でも次の瞬間、椿は少し照れながら首を縦に振ってくれた。
「よろしくお願いします」
「え!!いいの?」
「うん。私も、林太郎さんのこといいなと思っていたから」
嬉しいけれど、どうして、たった一度のデートでOKをもらえたのだろうか。
Q1:初対面で女が男に対して思ったことは?
椿とは、知人が主催した忘年会で一緒になった。ただこの忘年会は想定外の大人数で、椿と話したのは一言、二言くらいだったと思う。
大人数の中でも、美人で目立っていた椿。ただそれ以上に話しかけにくいオーラが漂っており、椿の周囲は静かだった。
「初めまして、林太郎です。涼太の知り合いですか?」
「そうです。でもここまで人数がいると思っていなくて…」
「僕もです。人数が多くてびっくりしました!」
この日は、これくらいの会話だった。
ただ、運命が僕を味方してくれたようだ。忘年会にいたメンバーで新年会をすることになり、そこに椿がいたのだ。
新年会は個室に合計で6人と少人数だったので、僕は前回より椿と話せた。
しかも、椿と隣の席でなんとなく会話が始まる。
「林太郎、さんでしたっけ?この前チラッと話しましたよね?」
「名前覚えていてくださったんですか!?嬉しいです!あの時は人数が多すぎて、全然話せなかったなぁと思ってて」
「同じくです」
「今日は少人数なので、この前より話しやすいですね」
椿はもっとツンケンしているのかと思いきや、ただの人見知りだったらしい。
「実は私、すごい人見知りで…」
「そうなんですか?全然そんなふうに見えないですけど…」
一見冷たそうに見えるけれど、話すとふわふわとしている椿。僕からすると、人見知りには見えなかった。
「本当ですか!?なんでだろう、林太郎さんが話しやすいからですかね」
綺麗な笑顔でそんなふうに褒めてもらえて、僕のハイボールが減るスピードも思わず速くなる。
「椿さんは、お仕事は何をされているんですか?」
「私は秘書をしています。林太郎さんは?」
「僕は自分で会社を経営してます」
「すごい!何系の会社なんですか?」
そこから各々の仕事の話などをしたりと、二人で話す時間がかなり多かった。
「椿さんって、話しやすいですね」
「そうですか?林太郎さんも!」
結局この日、二次会ではみんなで六本木にあるカラオケ付きの個室バーへ行き、解散したのは24時前だった。
店を出て、タクシーを探しながらも僕はさりげなく椿へ近づいてみる。
「椿さん、お家はどの辺りですか?」
「私は白金高輪です。林太郎さんは?」
「僕は芝のほうなので、送って行きますよ」
まだ椿の連絡先をゲットできていなかったので、知りたいというヨコシマな気持ちもあった。
でも純粋な椿は、目をキラキラとさせながら喜んでくれている。
「いいんですか?じゃあお言葉に甘えて」
こうして一緒にタクシーに乗り、そこでも椿とは会話が弾んだ。
「椿さんって、意外にお酒強いんですね」
「そうですか?林太郎さんも、全然顔色が変わってないです。お酒、お好きなんですか?」
「そうですね。…良ければ、今度二人で食事しませんか?」
「はい、ぜひぜひ」
こうしてタクシーの車内で連絡先を交換し、デートの約束までして別れた。
そして迎えた初デートで、僕は思わず椿に思いの丈を伝えてしまったのだ。
Q2:初デートで女がOKした理由は?
新年会から1週間後。
早速僕は小皿で家庭的な和食が楽しめる、お気に入りの店『一即夛』へ椿を連れて行くことにした。
「場所、すぐにわかりました?」
「はい!」
そんな会話をしながら、改めて椿を見てみた。今日も椿は綺麗で、思わず見惚れてしまう。
そしてうっかり、心の声が漏れてしまう。
「椿さんって、本当に可愛いですね。性格含めて」
「どうしたんですか、急に」
「あ…すみません、つい本音が!」
何かおかしかったのか、椿がケラケラと声を出して笑い始めた。
「林太郎さんって、面白いですね」
「そうですか?単細胞なんですよ、きっと」
「そこがいいですよね。素直な人って、素敵です」
「ありがとうございます」
カウンター席で隣り合いながら、自然と会話も弾む。気がついた時には、お互い敬語も抜けていた。
「林太郎さん、お料理は?家で作ったりする?」
「いや〜それが、料理はそこまで得意じゃなくて。たまに男飯作るくらいかな。椿ちゃんは?」
「私もたまに。家でひとりだと、つい適当になりがちで」
「わかる!でも奥さんとか彼女がご飯作ってくれるだけで、何でも美味しく感じられる自信がある」
今日が初デートなはずだけど、椿と話していると居心地がよく、楽しい。そして会話は、結婚などの話になっていた。
「林太郎さんは、彼女とか…結婚願望とかは?」
「あるよ!もうすぐ34歳だし、めちゃ結婚したい。椿ちゃんは?」
「私も今年で33歳だから、早めに結婚したいかな」
この話を聞いて、どうして僕は“イケる”と思ったのか自分でもわからない。
ただ直感で「椿とこの先も一緒いれたら楽しいだろうな」と思い、そして純粋に「交際したい」とも思った。
この後もう一軒行き、そこでも僕たちは盛り上がった。
「椿ちゃんといると、本当に楽しいな。椿ちゃんって、今本当に彼氏いないの?」
「うん、いないよ〜。リアルに彼氏募集中」
「そうなんだ」
酒の力もあったのか、帰り際。僕はタクシーを拾う前に、「言うなら今しかない!」と思い、玉砕覚悟で椿に思いを伝えることにした。
「僕、椿ちゃんのことが好きになってしまい…。こんなこと言われたら困るかもなんだけど、付き合わない?」
早すぎるかと思ったけれど、椿からは予想外のOKをもらえた。
交際できることになり、僕はかなり舞い上がっている。
ただなぜ一度のデートで椿がYESと言ってくれたのか、自分でも不思議だ。
▶前回:アプリでせっかくマッチしても3回目のデートがない男。彼が女に見限られるワケ
▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT:1月14日 日曜更新予定
女が一度のデートで、男との交際を決めた理由は?