「年収3,000万の彼だけど結婚はムリ!」交際1年で外銀彼氏を29歳女が見限ったワケ
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「両親へ紹介しようとした途端に、女が逃げた理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:デートの会計時。「ごちそうさま」と笑顔で言うが、財布を出さない女に男が苦言を呈したら
交際して、もうすぐ1年になる龍介。悩みに悩んだ結果、私はある結論に至った。
「龍ちゃんごめん…。私、龍ちゃんとはこれ以上付き合えない」
龍介は、外資系金融勤務で、年収は3,000万ほど。千代田区出身のお坊ちゃまで、年始に、彼の実家へ挨拶に行く予定だった。
結婚の話も出ていたけど…。
「…え!?」
心底驚いているのか、それ以外の声が出てこない龍介。
― 龍ちゃん、ごめんね…。
心の中でそう呟きながらも、年内のうちに彼との関係を清算でき、どこかスッキリしている自分もいた。
A1:年収が自分の倍以上あるのに、ケチ過ぎる。
龍介に出会ったのは、知人の紹介だった。しかし肝心の紹介者が当日来れなくなり、最初から龍介と二人で会うことになった。
「寛貴、今日来れなくなったみたいで…」
「聞きました(笑)最初から二人って…ちょっと緊張しますね」
そんな感じで最初は緊張していたものの、なぜか龍介とは初めての気がしないくらい、気が合う。
「僕たち、どこかで会ったことありました?」
「私も思いました!でもたぶん初対面ですよね?」
そしてこの後三度ほどデートをし、龍介のほうから告白をしてきてくれ、交際することになる。
「改めて、よろしくお願いします」
「こちらこそ。龍ちゃん、よろしくお願いします」
この時は、すべてうまくいくと思っていた。フィーリングも合うし、結婚願望のある私には最高の相手だと。
でも交際してすぐに、第一関門がやってきた。
交際する前までは、デート代は龍介が全額支払っていた。交際後もそれが続くのかと思っていた。
だから、交際して初めてのデートで、お会計が運ばれてきた時、私はいつも通り先に龍介にお礼を言った。
「龍ちゃん、ごちそうさまです」
すると、龍介は会計のレシートを見たまましばらく考え込み、まじまじと私の顔を見てきた。
「あのさ、瞳。お金のことなんだけど」
「う、うん」
「毎回僕が支払うのかな?」
― ……え??
呆然とする私に、龍介は畳み掛けてくる。
「この先のこと。例えば結婚とか…瞳は、ちゃんと考えてる?」
「もちろん!龍ちゃんと、この先も一緒にいたいと思っているよ」
「そっか。そしたら尚更、ちゃんとしておこう」
毎回支払ってもらって当然だと思っていた私も悪い。
でも交際する前までは何も言っていなかったのに、突然態度を変えてきた龍介に驚いた。
ただ「結婚を考えている」と言われると、それ以上は何も言えなくなる。
― たしかに、結婚するなら金銭感覚の擦り合わせは大事だしな…。
そう自分で自分を納得させる。でも、さらに龍介は話を続けてきた。
「例えばなんだけど、1軒目は俺。2軒目は瞳…とかはどうかな」
きっと彼なりに、私と龍介の収入格差を加味してくれたうえでの提案なのだろう。でも私はお酒に強くないので、そこまで飲まない。
一方の龍介は、かなり酒量が多い。
「それなら私にも支払えそう!でも私、龍ちゃんほどお酒飲まないけど…」
「だったら逆に、安くなるから良かったじゃん(笑)」
― そういう問題?
支払うのは当然のことだと思うし、それはいい。でも外資系金融に勤めている龍介の年収はたぶん3,000万くらいはある。一方の私は日系の広告代理店なので、年収800万くらいだ。
「無理のない範囲でね。僕が飲みすぎた時とかは、さすがに払うから(笑)。それに、本当にキツいときは言ってほしい」
「わかった。ありがとう」
― いや、でもそうだよね。今の時代、おごられて当然なんて考えはおかしいし。しかも結婚を考えているならば、尚更だよね。
「良かった。瞳がちゃんと話し合える人で」
「この先も一緒にいるなら、大事なことだよね」
「結婚するなら、やっぱり瞳みたいな人がいいな」
「ありがとう♡」
私は笑顔でそう返したが、どこか釈然としていなかった。
A2:「この人とは結婚したくない」とハッキリと悟った。
龍介のことが嫌いになったわけではない。今年で30歳になる私にとって、結婚を意識する相手として、貴重な存在だったのも事実だ。
でも交際期間が半年過ぎたあたりから、龍介の家で食事をすることが多くなっていった。
基本的に、私が料理をする関係で、食材も毎回私が買って行くことになっていた。
― 龍介:ちょっと遅くなるかもだから、俺の家で待ってて!冷蔵庫の中、何もないよ〜。
― 瞳:わかった。スーパーで夕ご飯の材料買ってから行くね。
最初のうちは外食も多かったので、龍介の負担が大きかったことは確かだ。でもここ最近は家ご飯が多く、龍介はまったく支払っていない。
― これって…どうなの?みんなこんな感じなの?
結婚もしていないうちから、食費のことで悶々としている自分も嫌だ。でももっと嫌なのは、それを龍介に言えないことだった。
そして家で私が買ってきた材料で、私が作った料理を当たり前のように食べている龍介が、突然実家への挨拶の話をしてきた。
「瞳は、今年のお正月はどうするの?実家に帰るの?」
「帰るけど…横浜だし、すぐに帰ってくるよ。なんで?」
「良ければ、うちの実家に来ない?親戚が集まるし、その時に瞳を両親に紹介しようかなと思って」
龍介の家は、千代田区にある。龍介は、いわゆる、東京のいいところのお坊ちゃまだ。
「え…?それって…?」
「もうすぐ交際して1年になるし、そろそろ両親にも紹介しておこうかなと思って」
当然の流れだとは思う。アラサーの二人が交際期間1年になる。結婚の話になるだろうし、両家への挨拶も必要だろう。
でも龍介の次の発言で、私の中の何かが大きな拒否反応を示した。
「本当に!?ありがとう!でも緊張しちゃうな」
「母親の機嫌さえ取っておけば大丈夫だよ。今回紹介できたら、瞳と一緒に実家へ行く頻度も増えるだろうし、まずは慣れるということで」
― マジで嫌なんだけど…。
龍介ひとりに対しても、相当気を使っている。それがお母様も入ってくるとなると、かなり大変だ。
「それって…結婚への第一歩という認識でいいのかな?」
「もちろんだよ。まぁ、結婚しても今とあまり変わらないと思うけど」
「たしかに…最近、龍ちゃんの家でご飯食べる日も多いしね」
家でダラダラとし、何もしない龍介。食費も全部私もちで、掃除も片付けも全部私がしている。
― この人と結婚するメリットって、何だろう…。
結婚は、メリットとかで考えてはいけないのかもしれない。“好き”という感情が一番大切だと言う人もいると思う。
でも結婚前から、そもそもこんなことを考えている時点でダメだと思う。それと同時に、私は悟った。
― あ…。私、この人と結婚したくないんだ。
本当に結婚したかったら、多少のことには目をつぶるし、ご実家へご挨拶へ行けるなんて結婚に100歩近づいたも同然のことなので喜ぶはず。
でも真っ先に浮かんだ感情は、“嫌だな”だった。
別れるなら、早いほうがいい。そう思い、私は今年の恋愛は今年のうちに清算することにした。
▶【Q】はこちら:デートの会計時。「ごちそうさま」と笑顔で言うが、財布を出さない女に男が苦言を呈したら
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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