付き合って2ヶ月。彼女の家に行くけど、自分の家に絶対あげない男の心理とは
今週のテーマは「家に上げてくれない男。その実態は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:4回目のデートでお泊まりした女。でも、付き合っているのか確信が持てないワケ
ここ最近デートをしている裕子の家の扉を、僕はそっと閉める。スマホを見ると、もうAM2:00だったので、僕は慌てて彼女のマンションを後にした。
「やば。すっかり遅くなっちゃった」
大通りへ出てタクシーを拾い、自宅へ急ぐ。
裕子と出会ったのは、友人の康平が誘ってくれた食事会の席だった。
性格もいいし、うるさいことも言わない。優しいし美人。最高の女性に出会えて、僕は康平に感謝していた。
デートを繰り返し、早2ヶ月。
ここ最近、デートの終わりは裕子の家に行く流れが続いている。でも毎回彼女の家に行くばかりで、僕は裕子を自分の家には上げたことはない。
A1:自分のタイプだったから。
出会ってすぐ、僕は裕子をデートに誘った。すると裕子も乗ってきてくれた。しかも初デートもかなり楽しくて、僕はすっかり舞い上がっていた。
「裕子ちゃん、次はいつ会える?」
初デートで、もう次の予定を決めたいと思った。だから僕は積極的にたたみかける。
「えっと来週だったら、火曜と金曜が空いているけど…」
「じゃあ、両方空けておいて!」
こうして、僕たちは、出会ってから2週間で3回もデートした。
そして、3度目のデートの帰り道。裕子の家の下に着いたタイミングで、僕は裕子に問いかける。
「今日は家行っちゃダメだよね…?」
優しい裕子のことだし、僕たち二人の関係性は今かなり盛り上がっている。だからOKかと思ったけれど、裕子のガードは意外にも堅かった。
「うん、そうだね」
予想外だったが、僕のテンションはかなり上がっているし、裕子のことが好きだから、この先にも進みたいと思っている。
もちろん、一晩限りでいい、みたいな中途半端な気持ちではない。
「わかった。じゃあ今日は帰るね。変なこと言うけど…次は、よければ泊まりでデートしない?」
「え?」
「せっかくだから特別な感じにしたくて」
これも本心だった。裕子のことを大事にしたいと思ったから、せっかくだったら一泊どこかへ泊まるのはいいアイディアだと考えたのだ。
すると裕子も少し考えてから、コクリと頷く。
「わかった。じゃあ次回は、だね」
「本当に!?嬉しい!!その日、絶対空けておいてね」
― やった!次こそは…!!
僕は次のデートで東京の夜景が綺麗に見えるホテルを予約し、そこで裕子と一晩を過ごした。
でも泊まったその日。裕子が少し不思議そうな顔で僕に問いかけてきた。
「あれ?そう言えば…。なんで今日は健の家じゃないの?」
「実は…言えなかったんだけど、僕ルームメイトがいるんだよね」
「ルームメイト?」
これも、嘘ではない。僕は今一緒に暮らしている人がいる。だからどうしても、裕子を家に上げることができない。
「そうなんだ…。どういう人と一緒に住んでいるの?」
「弟なんだけど。実は弟がまだ大学生で、親が心配しているから僕と一緒に住んでいるんだよね」
「なるほど…」
僕の言葉を信じてくれたのだろうか。それ以上、裕子は問い詰めてこなかった。
「今度行ってもいい?」
「もちろん!でも恥ずかしいから、弟がいない時ならいつでも」
少しだけ、良心が痛む。でも、こう言うしかない事情が僕にはあった。
A2:長く付き合っている彼女と同棲しているから家には上げられない
最初は、軽い気持ちだった。食事会で出会った時は、タイプだったし、少しだけデートするくらいの気持ちだった。
でも何度か会っているうちに、予想外の展開になる。
僕は、いつの間にか、裕子にハマってしまっていたのだ。
だから毎日連絡もしたし、頻繁にも会った。
「裕子、今度温泉行かない?」
「いいね〜行きたい」
「じゃあ車出すね。裕子との旅行、楽しみだな〜裕子のこと、俺めっちゃタイプなんだよね」
「そうなの?嬉しい♡」
温泉旅行も行きたいと思うし、何より裕子は僕のタイプをそのまま落とし込んだような女性だった。
いつか、酔っ払った時に裕子にこう問われたことがあった。
「健、私たちって付き合ってるの?」
「うん、そうだよ」
そう答えたものの、僕の中では、どうすれば良いのかわからない状態だった。
僕が家に裕子を上げられない理由…それは、長年交際している彼女がいるからだ。
彼女のことを嫌いになったわけではない。でも、裕子のことも気になる。それに裕子に出会う前までは、彼女と結婚するかもとさえ思っていた。
でも、裕子に出会い、僕の気持ちが揺れ始めた。
― どちらかを選ばないといけないのはわかっているんだけど…。
そう思いながらも、結論を先延ばしにし続けている自分がいる。ただ、僕の中でも少しずつ答えが出始めていた。
裕子の家でうっかり寝てしまい、2時過ぎに家に帰った時のこと。そっとドアを開けたつもりが、彼女が起きていたので思わずびっくりしてしまった。
「最近、健帰りが遅くない?」
「え?ご、ごめん。ちょっとクライアントさんに捕まっちゃってさ…」
「そうなんだ」
明らかに疑いの目を向けてくる彼女に対して、僕は一生懸命取り繕う。
「ほら、最近プロジェクトも一段落したからようやく心置きなく飲めるようになって…。ごめんね、遅くなって」
「いいけど。お風呂入ってから寝る?」
「うん、そうする。おやすみ」
ズルいのはわかっている。でも長年交際した彼女との関係を壊すことはできない。安心するし、好きだという気持ちもある。
裕子には申し訳ないけれど、一瞬の煌めきは裕子のほうが大きい。でも既に一緒に暮らし始めているし、もはや結婚すらせがまれている状況で、彼女を捨ててまで裕子のほうに行く決断は僕にはできない。
― どうしよう。なんとかしないといけないんだけど…。
そう思いながらも、つい裕子に連絡をしている自分がいる。
「まだ結婚してないから、大丈夫。バレてないから、大丈夫」。自分にそう言い聞かせながら…。
◆
交際して1ヶ月経っても家に上げない男には、大概何か理由がある。仮に男友達や弟と同居していたとしても、家に上げることくらいはできるはずだから。
▶【Q】はこちら:4回目のデートでお泊まりした女。でも、付き合っているのか確信が持てないワケ
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
▶NEXT:9月30日 土曜更新予定
仲良し夫婦だったはずが…別れを選んだ理由