シカゴピザ店舗（帝国データバンク撮影）

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関西を中心に関東から九州にかけて直営店・フランチャイズ店を展開

　（株）シカゴピザ（TDB企業コード：616015904、資本金5000万円、大阪府茨木市大住町2-5、代表中野雅弘氏）は、3月20日に大阪地裁へ自己破産を申請し、同日保全管理命令を受けた。

　申請代理人は片岡牧弁護士（大阪府大阪市中央区北浜2-3-9 入商八木ビル2階、堂島法律事務所、電話06-6201-0444）ほか4名。保全管理人には宮本圭子弁護士（大阪市北区中之島2-2-7中之島セントラルタワー24階、弁護士法人第一法律事務所、電話06-7669-8933）。

　当社は、1986年（昭和61年）10月に創業したピザ宅配業者をルーツとする。関西地区を中心に70店舗を展開していた宅配ピザチェーン店「シカゴピザ」の株主であったリサグループが、同社の株式を売却することとなったため、取引銀行の支援を得て、2015年（平成27年）6月に設立された。

　西日本を中心に「シカゴピザ」を展開するほか、「どんぶり名人」の運営および「麺や逸杯」、「天かつ庵」、「匠屋」の宅配事業を手がけていた。関西では相応の知名度を有して店舗を増やし、宅配可能地域を拡大。2020年3月期には年売上高約34億6300万円を計上していた。

　しかし、大手各社との競争は厳しく、仕入れコストや人件費なども重荷となり、出店費用を借入金で賄っていたことから設立以降、収益は低調に推移していた。

コロナ特需もデリバリー乱立や人材獲得競争で一転苦境に

　厳しい業況が続いていたものの、新型コロナウイルスの感染拡大以降は巣ごもり需要を追い風に、2021年3月期の年売上高は約42億3800万円にまで伸長し、収益面も黒字化を果たしていた。

　ところが、その他業種のデリバリー事業参入によって売り上げは減少。宅配業者間での人材獲得競争も激化したことで、人件費が高騰し営業段階から欠損を計上するなど苦しい経営を余儀なくされていた。今期に入っても業績は回復せず、資金繰りが急速に悪化するなか、支えきれなくなり今回の事態となった。

　負債は2022年3月期末時点で約14億6000万円。

　なお、一部のFC店などは営業を継続している。