「結婚したら浮気できないし…」女がデートしながら、あえて“曖昧な関係”を望む理由
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「女がやたらと自分の周りの友達に会いたがっていた理由は?」という質問。さて、その答えとは?
▶【Q】はこちら:「この子、やたら周りの男友達に会いたがるな」デート中の女性に不信感を抱き、その結果…
ここ数ヶ月、デートを繰り返していた雄也。一緒にいて楽しかったし、高身長の独身経営者というスペックは、彼氏にするには悪くはないと思う。
「私、雄也のこといいなと思ってる」
「マジで?それ最高なんだけど」
ただそんな会話をしながら、私たちの関係がオフィシャルになることはなかった。
体の関係もあったけれど、それでも私が正式に付き合いたいと思えないのにはいくつか理由があった。
男女が付き合うまでの過程において、男性は、自分に主導権があると思っているかもしれない。
でも意外に、女性も“曖昧な関係”を望む時があるということを、知っておいたほうがいい気がする…。
A1:男の嫉妬を感じてしまった。
雄也と出会ったのは、あるワイン会。
その日はレストランの個室を貸し切って開催されたのだけれど、大きなテーブルを囲むようにして参加者が座った時に、隣になったのが雄也だった。
このワイン会は参加費が3万くらいしたので、変な人は来ていないはず。しかも隣に座った雄也はカッコ良くて、半分出会いを求めて参加していた私はすかさず雄也の左手の薬指をチェックした。
「ワイン、お詳しいんですか?」
そう話しかけると、一瞬驚いたような顔をした雄也。けれどもすぐに優しい笑顔になった。ちなみに、左手の薬指に指輪もなければ、指輪を外した跡もない。
「それが、全然なんです。今日は友達に連れられてきて…」
この会話がきっかけとなり、私たちは会の間中話し続けた。そして連絡先を交換し、自然な流れで『エンリコ』でデートをすることになった。
カウンター席で隣に座る雄也に、私は笑顔で話しかける。
「この前のイベント、楽しかったですね」
「本当に。ワイン、もっと詳しくなりたいなと思いました」
「でも意外です。雄也さん、すごく詳しそうな雰囲気だったから…」
「本当ですか?全然ですよ(笑)。里帆さんのほうこそ、玄人感出てましたよ」
会話のテンポもいい。ワイングラスをくるくる回しながら、私は雄也の横顔を眺める。すると雄也は、嬉しいことを言ってきてくれた。
「里帆さんって、すごくいいですよね。こんな綺麗だから、もっと冷たいのかと…」
「え〜全然!それを言うなら雄也さんこそ。すごくモテそうだし…」
「いやいや。この歳で独身ですし」
たしかに、なぜこんなにも良い人が独身で残っているのだろうか。そんな疑問も感じつつ、燻製されたモッツァレラチーズがたまらない「仔羊のポルペッテ(肉団子のトマト煮込み)」などを食べながら、私たちのデートは進んでいく。
でも中盤で、少しだけ引っかかることがあった。
「そういえば、雄也さんはお仕事何されているんですか?」
初対面で仕事のことを詳しく聞くと、がっついていると思われそうなのでNG行為だと思っている。だから私は、あえてあの場では聞かなかったのだ。
「あれ?言っていなかったですか?僕はウェルネス系の事業で、会社経営をしています」
何となく経営者かなとは思っていたけれど、大正解だ。
「ウェルネス系…ジムとか?」
「うーん、もう少しIT寄りですね」
ここまでは、良かった。でもここから、私は少し何かが引っかかり始める。
「よくこの界隈で飲んでいる宮田さんってわかりますか?まぁ実はあの人、ウェルネスに関しては超ど素人なんですけどね」
「そうなんですか?」
「そうそう。業界じゃ有名ですよ。名前ばかりの経営者で、全然知識がないって。言っていることも間違っていることが多いし。でもあの人とかが同じ業種ですね」
実はその彼の名前を何度か聞いたことがある。けれどもあまり関係のない私に、よく知らない人の悪口を言われても、どう反応すれば良いのか…。
「業界、狭いんですね」
「そうなんですよ。里帆さんは何のお仕事を?」
「私はマーケ会社で働いてます」
とりあえず話が変わったのでホッとしたけれど、彼の宮田さんに対するコンプレックスが見え隠れしてしまった気がした。
でもそんなこと、別にどうでもいい。なぜなら目の前にいる雄也は素敵な人だから。
「里帆ちゃん、今彼氏いないの?」
「いないよ〜。雄也くんも、本当に今いないの?」
「うん。僕もフリーだよ」
― 独身でいてくれてありがとう。
そう心の中で雄也に感謝をする。しかもここから、私たちは深い関係にもなった。でも“付き合いたい”とは思えず、適度に遊ぶくらいがちょうど良い相手だなと思ってしまった。
A2:真剣交際するならば、本人の“人となり”を知りたかった
初デート以降毎日連絡を取り合うようになり、食事に行く回数も増えた頃。流れで私は雄也の家へ行き、結局一線を越えてしまった。
そしてそこから私たちは、何となく家に行く関係になった。
「里帆って本当に可愛いよね」
「雄也って、いろんな人に言ってそうだよね」
「そんなことないよ!」
「可愛い」とかは言ってくるけれど、決して「好きだよ」とか「付き合おう」とかは言ってこない雄也。
付き合うのに体の関係が先になっても後になっても、私はどちらでも良いと考えている。家に行っても他の女性の影はないし、デート相手は私ひとりっぽいな、と感じていたから。
ただ私が引っかかっていたことは、雄也に「結婚願望がある」と伝えていた、という点だった。
私に結婚願望がることを知りながら、何も言ってこない雄也の答えは「こういう関係はいいけれど、結婚は考えられない」ということだろう。
遊ぶのはいいけれど、結婚するまで重くは考えられない…。そういう意味だと私は捉えた。
ただ雄也がそのつもりなら、私もそれで構わなかった。次に交際する人とは結婚したいし、責任を取りたがらない雄也に男気を感じられなかったから。
「この後どうする?」
「え〜。雄也の家、行ってもいい?」
「うん。もちろん」
彼がそんなテンションなら、私も同じ感じでいかせてもらう。
結婚したら自由にできないし、今を存分に楽しもう。そう切り替えたのだ。
また雄也を真剣に考えられない理由は、他にもあった。
雄也は、頑なに私を彼の友人に会わせようとしなかった。
「そういえば、ワインのイベントに一緒にいた太郎さんは?最近会っていないの?」
友達に自分のことを紹介してもらえるということは、真剣に考えてくれている…というコトだと女性は捉える。
しかし雄也は、私を紹介する気が全くない。
「太郎は会ってないな〜。元気なんじゃない?どうせ今日もどこかの女の子と遊んでいるよ」
「え…。そういう感じの人なの?太郎さんにもし彼女とかいなかったら、友達を紹介したいなと思ったんだけど…微妙かな?」
紹介しない上、雄也から出てくる友達の話はいつも小言がついてくる。
「太郎いい奴だけど、手が早いよ。あとここだけの話、仕事も『転職したい』と言いながら動いていなくて中途半端だし…」
― この男、ちっちゃいな。
初デートの時もそうだけれど、雄也は基本的に同性のことを説明するときにどこか必ずマイナスポイントを言ってくる。
― 人の悪口を言えば言うほど、自分の器の小ささを露呈するだけだから言わないほうがいいのに…。
そんなことを考えているうちに、本命にならない男性に会っている時間がもったいなく思えてきた。
いい人だけど、ハッキリしない男に費やしている時間は私にはない。
だから早々に切り替えて、私は他の人を探すことにした。
▶【Q】はこちら:「この子、やたら周りの男友達に会いたがるな」デート中の女性に不信感を抱き、その結果…
▶1話目はこちら:「この男、セコすぎ…!」デートの最後に男が破ってしまった、禁断の掟
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