「男が全額おごるのはいいけど、これはちょっと…」高級和食店での女のNGマナー2つとは
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「毎回高級店へ連れて行ってくれるのに、何も起こらなかった理由は?」という質問。さて、その答えとは?
真緒と最初に出会った時、僕の心はたしかに動いた。しかし何度かデートをしていくうちに、すっかり気持ちが冷めてしまった。
可愛いけれど、結婚を見据えて交際するのには少し違うかなと思ったからだ。
「湊くんって、誰かと付き合う気はあるの?」
三度目のデートで真緒からそう問われたとき。僕は素直に答えた。
「うん、あるよ」
結婚願望もあるし、そろそろ本気で誰かを探そうと思っていた。
「だったら私は?」
「真緒ちゃんには、僕よりもっといい人がいると思う」
男のこの言葉の真意は、まったく別のところにある。
「僕は付き合えないけど、他の人だったらきっと幸せにしてくれるよ」と…。
A1:ジム帰りの彼女は、ナチュラルで良いなと思った。
真緒と出会ったのは、友人の紹介だった。中目黒で飲んでいた時に男友達が呼び出したようで、彼女はかなりラフなスタイルだった。
「真緒、こちら湊。イケメンでしょ?」
友達が冗談混じりで紹介してくれたのだが、真緒は若干頬を赤らめている。
「うん…かなりの。私ジム帰りで、こんな適当な服装で来ちゃったんだけど!」
ほぼすっぴんに近い感じだったけれど、彼女は顔立ちが整っているので、それでも綺麗だなと思った。
「初めまして、湊です。全然可愛いけど」
すると真緒は再び顔を赤くする。そんな彼女を見て、可愛いなと思った。
この日はLINEとインスタのアカウントだけ交換して解散したけれど、翌日真緒から連絡をくれた。
でも2人で会うという流れにはならなくて、何となくDMが続いていたある日。好きな店へ行ったことをストーリーズに投稿すると、真緒から連絡が来た。
― Mao:いいな〜!このお店、一度行ってみたくて。
― Minato:そうなの?じゃあ今度一緒に行こうよ。
これはきっと「一緒に行きたい」という意味だろう。そう思い、僕は早速真緒を誘って、大好きな広尾の『ボッテガ』を訪れた。
「ここ来たかったの!湊くん誘ってくれてありがとう」
目を輝かせる真緒。でもインスタを見る限り、真緒も相当色々な店に行っている。
「真緒ちゃんも食べること好きだよね?いつもインスタで、良いところ行ってるな〜と思って見てるよ」
「たまたまね。食べること大好きだから♡こういういいお店に行くのも好きかな」
「食って人生が豊かになるよね」
僕は食べることが好きだし、いい店に行くのも好きだった。だから話が合う人が見つかったことは嬉しかった。
「湊くんグルメだから、また色々お店教えてほしいな〜」
「もちろんだよ。むしろ真緒ちゃんも詳しそうだから、教えてほしいよ。これからいろんな店に一緒に行ければいいね」
気がつけばこの日、ワインは1本空いていた。真緒とは食の好みも酒の好みもマッチし、純粋に楽しかった。
「真緒ちゃんは食事だと何が好きなの?」
「そうだなぁ。何でも好きだけど…」
「じゃあ今度、鮨行かない?好きな店があってさ」
「行きたい!!」
サラリと決まった二度目のデート。ここまではよかった。しかし三度目のデートくらいから「ん?」と思い始めてしまったのだ。
A2:マナーもなっていないし、何より図々しい。
二度目のデートは約束通り鮨へ行き、三度目のデートも予約がなかなか取れない懐石料理店にした。
しかし店に着いて早々、まずこのセリフに驚いた。
「真緒ちゃんが今日空いていてよかった〜」
「こちらこそ。誘ってくれてありがとう!」
「何飲む?」
「最初はシャンパンがいいな。湊くんも飲むよね?だったらボトルにする?」
ボトルでも全然いい。なぜなら僕たちは飲むため、どうせボトルで頼むことになるから。しかし過去二度のデートを経て、真緒もわかっているはず。お会計は全額僕持ちなことを。
自分から言い出すのは良いけれど、女性からボトルを提案されて少しだけ驚いた。
「そうだね。真緒ちゃんも結構飲むしね」
そして隣に座る真緒から、甘ったるい香りがする。
「真緒ちゃんって…いつも良い香りがするよね?」
「そう?でも香水とかはつけてないよ」
香水か何かなのかは問題ではない。でも隣に座った僕にもわかるくらいの甘い香りを、高級な懐石料理のカウンター席につけてくる行為。それは少し下品だなと思ってしまった。
― なんでこんな香りがキツいんだろう。
それだけではなかった。ふと真緒を見ると、膝の上にかけていたはずのナプキンが床に落ちている。
「あ〜幸せ…♡」
「真緒ちゃん幸せそうな顔してるね…って、真緒ちゃんナプキンが落ちてるかも」
すると、真緒は下を見向きもせずにこう言い放った。
「本当だ…。でも店員が拾ってくれるから大丈夫」
― 店員“さん”じゃなくて店員なんだ…。多少は気を使わないのかな。
しかも店員さんをそっと呼ぶのではなく、彼女は店員さんを睨みつけていた。
「全然気がついてくれないから困っちゃうね」
「みんな忙しそうだから仕方ないよね。…って、もう真緒ちゃんもシャンパン空いちゃったね。次は何が飲みたい?」
「うーん。白のモンラッシェとかどう?」
― また高いのを指定してくるね…。
「さすがわかってるね。OK」
人のお金だったら、何でも良いのだろうか。
今回のデートで、真緒が若干図々しい女性であることに僕は気がついてしまった。
「真緒ちゃんってかなりお酒強いよね」
「そうかな。湊くんも強くない?」
「お酒好きだからね〜。一緒に飲めるのっていいよね」
僕自身も結構飲むし、支払うのはまったく構わない。僕が行きたくて連れてきた店だし、デートでもなんでもせっかく食べるならば美味しい物を食べたい。それが僕のポリシーだ。
決して彼女に払ってほしい訳ではないけれど、たとえフリでもいいから、気遣いや遠慮を見せてほしい。
「湊くんはどういう女性が好きなの?」
「僕は品があって優しい人かな。友人とか職場の人に紹介しても恥ずかしくないとか。あとはどちらかと言うと、一緒に飲める人のほうがいいな」
すると、真緒は急に真顔になって僕に迫ってきた。
「湊くんって、誰かと付き合う気はあるの?」
「うん、あるよ」
「だったら私は?」
「真緒ちゃんには、僕よりもっといい人がいると思う」
決して悪い子ではないけれど、ガツガツしている感じが否めない。僕としてはもっと感謝の気持ちや、相手を多少でも思いやる丁寧さがある子が好きだ。
― とりあえず…ナシかな。
そう思い、僕はすっとフェードアウトすることに決めた。
▶【Q】はこちら:毎回デートは予約困難な高級店で、全額男性が支払ってくれる。でも何も求めてこない理由は..?
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