しいたけ.さん「ピンチの時は、人のいる場所へ行って」 人生を好転させる8つのアクション
五感を研ぎ澄ます、挑戦する、何もしない…。人生を変えるような、あなたにとって本当に必要なメッセージを得るためのアクションや心構えを占い師・しいたけ.さんが紹介します。できることから実践を!
1、憧れの人のまねをしたり、メイクを変える。
ふといつもと違うメイクやネイルに興味が湧いた…。そんな時は秘めた願望や理想の自分像を知るチャンス。どんなふうになりたいか、自分に問いかけてみよう。
「メイクやネイルを変えたくなるのは、新しい自分になりたいというメッセージ。例えば赤いネイルやアイラインをしたくなったら、いつもより前に出たい気持ちがあるのかなとか隠れた本心を探って、なりたいイメージに向かって前進してみてください。理想像がわからない人は、憧れの人やなんとなく気になる人を観察して、メイクや持ち物をまねしてみて。シンパシーを感じる人と共通項を持つことでその人のパワーをもらうことができるし、それが新しい自分になるきっかけになったりするんです」
2、ピンチの時は人のいる場所へ行く。
窮地に立った時にひとりで悶々と考えても行き詰まる可能性が。友だちに会うなど人との関わりの中に、打開策につながるメッセージが見つかりやすい。
「ピンチの時は、ある種の“神様チャンス”。できるだけ人のいる場所に行って、会話したり聞こえてくる声に耳を傾けたり、目につく人を観察したりしてみてください。居酒屋で知らないおじさんにかけられた言葉や、たまたま見かけた親子連れの佇まいなどが大切な気づきになったりするから。人は根本的に変わることに怖さや抵抗があるけど、普段通りが通用しないピンチの時は、ちょっと荒療治的に思考ややり方を見直せる機会でもある。『まずい…!』と思った時こそ、人のいる場所へ行く。これを覚えておいてください」
3、脱力する時間を大切にする。
仕事が一段落ついた時や、目標を達成してほっとしている時は、メッセージが降りてきやすいタイミング。
「新幹線の移動中やお風呂でリラックスしている時にいいアイデアが浮かんだりしますよね。それと同じで、頑張る期間を乗り越えて脱力している状態は、街を手ぶらで歩くだけで次の展開につながるヒントを拾えたりします。逆に、渦中にいる時はなかなかそうはいかない。占いでも、まだやり切っていない人、例えば、仕事の壁にぶつかった時に、試行錯誤をしないまま転職を考えている人などが相談に来ると、言葉が届きにくいなと感じることがあります。頑張る時は全力で集中してやり切り、次に行く前に少し気を緩める時間をつくる。そんなメリハリが大切です」
4、「どうでもいいんですけど…」で始まる話は注意深く聞く。
どこかで聞いた話やありふれた言葉より、オリジナルの言葉のほうが心を捉え、解釈の余地を広げてくれるもの。とくに「どうでもいいけど」と前置きが入る話は、その人の価値観やパーソナリティに根ざした内容が多い。聞き逃さないで。
「例えば、焼きそばパンは認められないとか、おしゃれすぎる文化になじめないとか、たしかにどうでもいいんだけど(笑)、ちょっと物議を醸す話って面白い展開に転がっていったりします。そこで価値観が一致すればいい気づきを与え合える仲になれるかもしれない。それに本筋とは違う話をちゃんと覚えておくと、それがストックされて、ここぞの時に助けになることもけっこうあると思います」
5、「私も頑張っている」と言い聞かせる。
他人軸の人は承認欲求が人一倍強く、認められないと自己否定に陥りがち。抜け出すにはまず「私も頑張っている」と言い聞かせて自分を認めてあげることが大切。
「自分軸があると人を選ばないから、結果的に幅広い場面でメッセージを受け取ることができるんです。軸を自分にするために、弱点とうまく付き合っていくことも大切です。例えば僕は忘れ物をして怒られることが多いのですが、『努力はします。でも完全になくすことは無理です、ごめんなさい』という気持ちで生きています。できないことがあってもいい、自分は頑張っている、と受け入れられるようになると、他人の評価から解放される気がします」
6、子どもの頃に好きだった作品を見直す。
雑音やストレスの多い現実社会を生きていると、必要なメッセージに気づく余裕を持てないことも。リセット法のひとつとして、絵本や童謡、漫画やアニメなど、子どもの頃に夢中になった作品を楽しんでみて。
「自分が大好きだった世界って初日の出に似ていて、原点に戻ってフラットになれるんです。いいメッセージは心が揺さぶられることが前提だから、ピュアな童心に戻ることは感度を上げることにもなります。もう少し身近なところでいうと、推しを応援する、気の置けない友人と愚痴を言い合う、居酒屋で好物のレモンサワーを飲むとかでもいいと思います。要は利害関係にとらわれず、仮面が脱げる方法ですよね。自分なりのリセット法を持っている人は強いです」
7、一週間あえて何もしない。
やりたいことがわからない、頑張らなきゃと思うけどやる気が出ない…。そんな時は、知らず知らずに負のメッセージを受け取りすぎているかも。SNSやネットを見るのを控えて「何もしない」一週間を過ごしてみよう。
「自分の幸せと充実ぶりを過剰に伝える投稿や、夢を持つ素晴らしさを訴えるメッセージなどがあふれているせいで、『私は何も持っていない…』と悶々としてしまう人が多い気がします。やりたいことが見つからないなら無理に向上心を持たなくていい。夕飯を決めるのも用意するのも面倒だったら家にあるお菓子を食べる日にすればいい。仕事や最低限のこと以外は潔く何もしない期間を置くと、自分を客観的に見つめることができて自然と前向きになっていきますよ」
8、チャレンジ精神を忘れない。
人に会う、旅をする、本や映画を楽しむなど、行動するほどメッセージに出合う可能性は高まるもの。日常的に小さなチャレンジ精神を持つことでさらに受信度がアップ。
「メッセージが受け取れませんという人は、どうせ私なんてと諦めがちだったり、常に受け身だったりしませんか。いろいろトライして山あり谷ありで生きている人のほうがやっぱり、集まるメッセージの量は多いです。挑戦って壮大なものじゃなくて、『自分から挨拶する』みたいなことで十分だし、失敗してもいいんです。むしろその経験がきっかけで人生の金言が得られるかもしれません。誰かが授けてくれるのをじっと待つより、自分から取りに行く。そのほうが手っ取り早いし、インパクトの大きいメッセージを掴めます」
メッセージを受け取るトレーニング法。
必要なメッセージに気づいていくには、冷静さと客観視できる力が欠かせないと思います。このふたつを養う「訓練法」があります。何かを判断する時に、自分がとれる選択肢の行動を紙に書きあげていくのです。
例えば、会社で上司に報告するか迷う案件があって、面倒だなとか怒られるんじゃないかとかモヤモヤしているとしたら、「全部報告する」「それとなく相談してみる」「自分で対処する」のように書いてみる。すると、その行動をとったらどうなるか、一歩引いて判断できるようになるんです。頭で考えているだけだと、イヤだな…という気持ちが勝って冷静になれないもの。この方法はすごくシンプルですが、けっこう効果がありますよ。
あと個人的には、心に響いた言葉でも一晩置くのが大事だと思っていて。距離をとることで別の意味や発言者の本音が見えてくるかもしれない。僕自身はどんなメッセージも、ゆっくり咀嚼するようにしています。
しいたけ.さん 占い師、作家。カラー心理学などを用いて占いを行い、著書の『しいたけ占い』(小社刊)、『しいたけ.の部屋』(KADOKAWA)などはどれもベストセラーに。
※『anan』2023年2月8日号より。イラスト・100%ORANGE 文・熊坂麻美
(by anan編集部)