重大な傷害・死亡事故を引き起こすリスクがあるとして、テスラの電気自動車「モデルS」および「モデルX」がオーストラリアでリコールされました。

REC-005562 - Tesla, Inc. - TESLA Model S & Model X 2017 - 2020 | Vehicle Recalls

https://www.vehiclerecalls.gov.au/recalls/rec-005562

More than 1,000 Teslas recalled in Australia over steering fault, days after fatal crash in China | Australia news | The Guardian

https://www.theguardian.com/australia-news/2022/nov/16/tesla-recall-australia-steering-fault-after-fatal-crash-china

Tesla says it will assist police probe into fatal crash in China | Reuters

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/tesla-says-it-will-assist-police-probe-into-fatal-crash-china-2022-11-13/

2022年11月15日、オーストオラリアの運輸省が「電動アシストステアリング(EPAS)が意図した通りに動作しない可能性があり、事故のリスクが高い」として、2017年から2020年の間に販売されたテスラ車2種、計1012台を対象にリコールを発行しました。

運輸省によると、最近更新されたソフトウェアキャリブレーションの問題により、EPASが意図した通り動作せず、ステアリングのアシストが弱まる可能性があるとのこと。アシストの機能低下はドライバーや通行人を巻き込む重大な人身事故を引き起こす可能性があります。

The Guardianは「このリコールはオーストラリア史上2番目に大きいもの」とし、リコールの数日前に中国で死亡事故が発生していたという情報を併記しました。



2022年11月5日、中国広東省でテスラ「モデルY」による死亡事故が発生していました。現場を映した動画には、モデルYが暴走し、自転車や自動車と衝突する様子が記録されています。





事故を起こしたドライバーの親戚と名乗る人物によると、当時ドライバーは停車体勢に入ろうとしたものの、ブレーキペダルが非常に固く、パーキングギアに入れても車が止まらなかったとのこと。ハンドルを切って車道に出たところ、車が突然加速し、そのまま2.6kmにわたり暴走し続けてしまったそうです。この事故によりバイクの運転手と自転車に乗っていた高校生が死亡し、3輪バイクの運転手が重傷を負いました。

親戚と名乗る人物は「動画からはブレーキランプが点灯した様子が確認できます。これはドライバーがブレーキを試みたことの証明でもあります。国家当局とメディア、車の所有者が私の家族を支援し、一刻も早く事故の真相を突き止め、死者と負傷者を慰めてくれることを願っています。私たちは法的責任を負うつもりでいます」と述べました。

なお、テスラはこの事故を捜査する警察に対し、「必要な支援を積極的に提供する」と述べています。