鮨が美味しくなる魚の知識4選！大人が知っておきたい旬のネタ
鮨とは、知れば知るほど、その美味しさが増すもの。
夏から秋にかけては、いま食べに行きたくなる「旬」の鮨ネタが多いのだ。
この季節にこそ食すべき、選りすぐりのネタを4選、紹介する！
知識1．脂がしっかりとのった、光り物の王道「鯵」
初夏から旬がはじまる光り物の代表格、といっても過言ではないアジ。6月を越えてからどんどん美味になるといわれている。
夏〜秋アジは、小〜中型のサイズの個体が多いが、身に厚みがあり、脂のノリも上々。特に旨みが凝縮しているアジを見極めるポイントは「体の丸っこさ」だという。
中でも、鹿児島出水のアジは鮨店が好んで用いるブランドアジ。その他、淡路、山陰、房総など産地はさまざまだ。
傷みやすい魚ゆえ、昔は塩と酢でしっかりと締めていた。
現在では、流通と冷蔵技術が発達したので塩も酢も軽く締める程度の鮨店が多くなっており、塩締めのみ、あるいは生のまま握る店も増えている。
意外と知らない「鯵」の豆知識！
アジの名前の由来は“味”が良いからとの説が有力。
だが群がる習性があることから、群れの意味を持つ“あち”が由来との説もある。
「鯵」は、今が旬！
分類：スズキ目アジ科
サイズ：40cm前後
生息地：日本近海、朝鮮半島沿岸、東シナ海
知識2．伝説の美食家も愛した、幻の白身魚「星鰈」
マコガレイやスズキ、マゴチなど夏からが旬の白身魚の中でもホシガレイは別格。
最も高価で旨いといわれており、その希少価値は、幻の魚として高級料亭などでも珍重されているマツカワカレイを上回るほど。
ちなみにホシガレイの名の由来は、体やヒレに点在する黒く丸い斑紋が星のように見えることから。全長60cmほどにもなり3kg以上の大きなものがより高級とされている。
カレイの中でも肉厚で旨みの強いその身は、芸術家かつ美食家であり国民的食漫画のモデルにもなった北大路魯山人をも虜にしたとか。
透明感があり、淡麗でありながら旨みが深く、舌に残る豊かな味わいは実に上品。おろしてからの日持ちが良く、鮨店では2〜3日寝かせてから用いることも多い。
意外と知らない「星鰈」の豆知識！
ホシガレイは“海のダイヤモンド”とも呼ばれるほどの高級魚。
低脂肪高タンパク質とヘルシーで、動脈硬化を防ぐ働きもあるとか。
「星鰈」は、今が旬！
分類：カレイ目カレイ科
サイズ：60cm前後
生息地：日本海から黄海、東シナ海、三陸以南の太平洋沿岸と瀬戸内海
知識3．鮮やかな色と濃厚な旨みで、目も舌も満足「雲丹」
まぐろのトロと並び、戦後に日の目を見た鮨ネタといえば生うに。今や高級鮨ネタのひとつだ。
昨今、そのうにが鮨店の付け場を華やかににぎわせるが、品種によって産地も味わいも変わってくる。
身がオレンジがかった黄色で、濃厚かつ滑らかな舌触りが特徴のバフンウニ。
それよりもやや大きく旨みも濃いのがエゾバフンウニで、この写真のキタムラサキウニはボリューム感があり、身は白っぽく淡白な甘みがあるといったあんばいだ。
北海道など北で採れることが多いうにだが、希少価値の高いアカウニは暖かい海に生息。その名のとおり身が赤みがかった甘みの強い小ぶりのうにだ。
最近では、何種類ものうにを取りそろえる店が増えているように、一口にうにといっても種類がさまざまなのだ。
意外と知らない「雲丹」の豆知識！
昭和16年、『銀座久兵衛』の今田壽治氏が考案した軍艦巻きにより、それまで鮨ネタとしてなじみの薄かったうにが一躍人気のネタとなった。
「雲丹」は、今が旬！
分類：棘皮動物
サイズ：8cm前後
生息地：日本全域
知識4．江戸前鮨には欠かせない、〆を飾る握りの代表「穴子」
まぐろや小肌と並ぶ江戸前鮨の筆頭が穴子。
昔から、梅雨の水を飲んで旨くなるといわれ、“梅雨穴子”との呼び名もあるように、夏からが旬といわれている。
東京湾、中でも羽田沖で揚がったものが江戸前の鮨には最良とされてきたが、不漁が続く昨今では、対馬や淡路産を使う鮨店が増えている。
頭が小さく胴体の太いものが良しとされ、小骨が気にならない100〜150gの穴子が鮨には向いている。
また、穴子のような長物と呼ばれる魚には鱗がなく滑りがあるのが特徴。この滑りが臭みの元となるため、仕込みの際は丁寧に取り除くことがおいしさのカギとなる。
これを、酒、醤油、砂糖などで煮るわけだが、その煮方、味付けに店の個性が現れる。
意外と知らない「穴子」の豆知識！
一般的な旬は夏だが、身に脂がのってくる10〜12月も旬。
あっさりした夏穴子に対して、冬穴子はこってりとコクのある味わいが特徴だ。
「穴子」は、今が旬！
分類：ウナギ目アナゴ科
サイズ：オスは40cm前後、メスは90cm前後
生息地：北海道南部以南の日本全域
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「旬」のネタについて伺ったのは
『㐂寿司』
人形町に店を構えて来年で100年となる老舗鮨店。鮨はコースではなくおこのみという江戸前スタイルを貫く。
養殖のネタは使わず、天然のもののみを使用している。1貫800円〜。
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鮨、真っ盛りのこの季節。
魚のことをもっと知れば、さらに鮨が美味しくなるはずだ。
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