テスラ車が子どもを跳ね飛ばすというテストは不正確だとしてテスラが映像の削除を要求
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ソフトウェアの安全性を検証する団体のDawn Projectが行ったテストにより、テスラの自動運転車「Model 3」は身長77cm程度の子どもを跳ね飛ばしてしまう危険性があることが指摘されています。自動運転の安全性を問うたこのテストに対して、テスラは顧問弁護士を通じて「テスラの技術を誤って伝えている」と非難し、テストに基づくキャンペーン映像を直ちに削除するよう求めました。
https://www.washingtonpost.com/technology/2022/08/25/tesla-elon-musk-demo/
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/f/d/fd84b_88_c2e0ad6544c237073ce164a589969987.png)
テスラのディナ・エスキン副法務顧問は2022年8月11日付で書簡を公開し、「テストとされるものはテスラの技術を誤って伝えており、独立機関によって実施された広く認められたテストと、顧客が共有した体験を無視している」と声明を発表。テスト映像を切り貼りして作成された「FSD非難キャンペーン」の映像を直ちに削除するよう求め、テスラの運転支援機能「Full Self-Driving(FSD)」を不適切に取り扱ったとして非難しました。
問題のテストはDawn Projectが2022年7月13日に実施し、同年8月9日に公開したものです。このテストでは、FSDのベータ版を使用した「Model 3」を子どもサイズのマネキンに向かい走行させ、FSDがマネキンを認識して正しく停止するかどうかが検証されました。
検証の結果、FSDに完全移行した車はマネキンに向かうにつれ減速したもののの完全に停止することはなく、3回の試行で3回とも時速約25マイル(約40km)でマネキンに衝突したと報告されています。Dawn Projectはこの結果を基にFSDの安全性を問うキャンペーン映像を作成し、テレビやYouTubeなどに流しました。
Our new safety test of @ElonMusk’s Full Self-Driving Teslas discovered that they will indiscriminately mow down children.
Today @RealDawnProject launches a nationwide TV ad campaign demanding @NHTSAgov ban Full Self-Driving until @ElonMusk proves it won’t mow down children. pic.twitter.com/i5Jtb38GjH— Dan O'Dowd (@RealDanODowd) August 9, 2022
この結果およびキャンペーン映像が公開されたあと、FSDが路上の子どもを正しく認識しないのではという懸念から、ソフトウェアの安全性を問う声が多く上がりました。しかし、一方で「映像に見られる速度とテスト結果に食い違いがある」という指摘や、ドライバーの足を映した映像がないことから「アクセルペダルが踏まれている可能性がある」という指摘もなされています。
Dawn Projecを率いるDan O'Dowd氏は上院議員にも立候補しており、以前からテスラを狙い撃ちにしたキャンペーンを行っていると報じられています。O'Dowd氏がテスラを追及するのは「現代社会で人々が依存している他の多くのソフトウェアと同様に、この技術は十分に安全ではなく、再設計する必要がある」と考えているからだとのこと。O'Dowd氏はワシントン・ポストが行ったインタビューで「キャンペーン映像を削除するつもりはない」と答えました。