JLPGAステップ・アップ・ツアーが来週開幕！ スカイA中継コンビが魅力を語る
昨年30周年を迎えた女子ゴルフのステップ・アップ・ツアーが、3月29日（火）に今年も幕を開ける。そこで、スカイAで長年リポーターや実況をしてきた小西綾子さんと、ラウンドリポーターの下村樹美プロに今年の見どころを聞いた。
■21年は豊作の年 印象に残ったシーンは？
――昨年のステップ・アップ・ツアーを振り返ります。印象に残っているシーンをお聞かせください。
小西 やっぱりなんといっても、岩井明愛（あきえ）選手、千怜（ちさと）選手の姉妹ですよね。強烈な印象を残しました。姉妹で連勝なんて普通はあり得ないことで、運もありつつ実力ももちろんあって、周りの選手に聞いてもセンセーショナルだったと言っていました。
下村 そうですよね。私も岩井ツインズの連勝が印象に残っています。ツインズなんですが、違ったプレースタイルで、双子なのに違うんだなと思ったのを覚えています。二人で4試合ほど優勝争いに絡んだのは、本当に強烈でした。
小西 誰が出てくるのか分からないのがステップの面白いところでもありますよね。ルーキーがいきなり出てきましたが、そんななかでベテランも活躍するのがステップ。実は40代や50代の選手もQTランキングで出てくることになります。昨年の初戦では22年目の佐藤靖子選手が初優勝を挙げましたし、レギュラーツアーで5勝もしている服部真夕選手が優勝したのもカッコよかったですね。
下村 私もあれを見ていて泣きました。服部先輩のことは小学校のときから知っていて、ジュニアの頃から一緒に試合に出ていました。高校時代も成績を残してプロテストにもトップ合格し、すぐにシードを取りました。順調に進んでいましたが、どこかのタイミングでアプローチが（イップスに）…。
小西 そうなんですよね。いまではアプローチだけ左で打つようになりました。その左のアプローチで勝った。そのことについてもちゃんと答えてくれるし、自分の弱いところをさらけ出して優勝をつかんだのは本当に感動しました。私が優勝インタビューをしたんですが、涙がこぼれそうでした（笑）。
下村 プロっていわゆるイップスになるとなかなか立ち直れないんですが、そこからまた自分を盛り上げていったことに、心の強さを感じました。服部先輩は本当に優しくて思いやりもある選手なので、本当にうれしかったです。
――ルーキーもベテランも活躍する。やはりそこがステップの魅力でしょうか？
小西 19年のプロテストに合格した選手が、結構すぐにレギュラーツアーに行ってしまったので、20-21年シーズンはどんなステップになるのだろうと思っていましたが、蓋を開けてみればリ・ハナ（韓国）選手などは一気に出てきました。20年の初戦に勝った植竹希望（のぞみ）選手はいまやレギュラーツアーのシード選手。新しい選手が出てくるのは、もちろん魅力です。
下村 そうですね。誰が出てくるか分からない。毎週の調子とか、コースとの相性とかいろんな要素があると思いますが、若手、中堅、ベテランと、層が厚くなっているのがいまのステップです。
■悔しい思いが糧になる レギュラー昇格へ
――今年は不本意ながらレギュラーツアーから落ちてきた選手もいますね。
下村 そうですね。その一人、脇元華選手は、今年ステップにも出場することになるQTランキング（79位）だと思いますが、楽しみですね。脇元選手は18年のプロテストに合格した直後はステップに出ていましたが、すぐにQTでレギュラーツアー行きを決めました。そんな選手がまたステップに戻ってくれば、ツアーを引っ張ってくれると思います。当時、脇元選手は「早く上に上がらないと」と言ってレギュラーに行きました。またそういう気持ちでプレーすれば、他のステップの選手にもいい刺激になるのではないでしょうか。
小西 脇元選手は18年に河本結選手と優勝争いをしていましたよね。河本選手もその年はステップで4勝を挙げました。
下村 河本選手も渋野日向子選手もステップから上がっていった選手ですよね。そう考えると、なおさらステップの層の厚さが分かります。
小西 そういう選手でいうと宮田成華（なるは）選手はどうでしょうか。苦労して19年にようやくプロテストに合格しました。昨シーズンは3000万円近く稼ぎ、賞金シード間近でしたが、56位。ステップでもこれまで何度も出場してきて、優勝はありません。悔しい思いをしてきているので、初優勝をつかんで変化の年にしてほしいと願っています。
――まとめると色んな選手に注目ということで（笑）
下村 みんな技術はありますし、楽しみです。昨年ステップ賞金ランキングで3位に終わり、悔しい思いをした石川怜奈選手はハートもゴルフも大きい選手。今年はより楽しみです。
小西 ステップの醍醐味（だいごみ）の一つは、知らない選手の成長を最初から見続けることができるところ。そういう点で見ると、昨年11月のプロテスト合格者はまだ見たことがないので、早く見てみたいです。例えば泉田琴菜選手。昨年秋のプロテスト2次予選最終日に「61」を出しているんです。「どんな選手??」ってなりますよね。そんな選手を今年もたくさん見ていきたいと思います！
小西綾子（こにし・あやこ）
大阪府出身。日本体育大学大学院体育科学研究科卒業。スポーツの楽しさ、醍醐味（だいごみ）を伝えることを志し、現在はリポーターやスポーツ実況で活躍中。女子ゴルファーとの親交も深く、スカイAのゴルフ中継でもリポーター、実況を務める。
下村樹美（しもむら・じゅみ）
1988年5月3日生まれ、愛知県出身。2011年にプロテストに合格。ケガなどもあり一線からは身を引いたが、16年からはスカイAでラウンド解説をしている。プロ目線での解説が好評。今年もステップ・アップ・ツアーから選手のプレーの模様や声を届ける。ALBA.Netでもステップ・アップ・ツアー各大会ごとに注目選手やみどころを発信する。
<ゴルフ情報ALBA.Net>
■21年は豊作の年 印象に残ったシーンは？
――昨年のステップ・アップ・ツアーを振り返ります。印象に残っているシーンをお聞かせください。
小西 やっぱりなんといっても、岩井明愛（あきえ）選手、千怜（ちさと）選手の姉妹ですよね。強烈な印象を残しました。姉妹で連勝なんて普通はあり得ないことで、運もありつつ実力ももちろんあって、周りの選手に聞いてもセンセーショナルだったと言っていました。
下村 そうですよね。私も岩井ツインズの連勝が印象に残っています。ツインズなんですが、違ったプレースタイルで、双子なのに違うんだなと思ったのを覚えています。二人で4試合ほど優勝争いに絡んだのは、本当に強烈でした。
小西 誰が出てくるのか分からないのがステップの面白いところでもありますよね。ルーキーがいきなり出てきましたが、そんななかでベテランも活躍するのがステップ。実は40代や50代の選手もQTランキングで出てくることになります。昨年の初戦では22年目の佐藤靖子選手が初優勝を挙げましたし、レギュラーツアーで5勝もしている服部真夕選手が優勝したのもカッコよかったですね。
下村 私もあれを見ていて泣きました。服部先輩のことは小学校のときから知っていて、ジュニアの頃から一緒に試合に出ていました。高校時代も成績を残してプロテストにもトップ合格し、すぐにシードを取りました。順調に進んでいましたが、どこかのタイミングでアプローチが（イップスに）…。
小西 そうなんですよね。いまではアプローチだけ左で打つようになりました。その左のアプローチで勝った。そのことについてもちゃんと答えてくれるし、自分の弱いところをさらけ出して優勝をつかんだのは本当に感動しました。私が優勝インタビューをしたんですが、涙がこぼれそうでした（笑）。
下村 プロっていわゆるイップスになるとなかなか立ち直れないんですが、そこからまた自分を盛り上げていったことに、心の強さを感じました。服部先輩は本当に優しくて思いやりもある選手なので、本当にうれしかったです。
――ルーキーもベテランも活躍する。やはりそこがステップの魅力でしょうか？
小西 19年のプロテストに合格した選手が、結構すぐにレギュラーツアーに行ってしまったので、20-21年シーズンはどんなステップになるのだろうと思っていましたが、蓋を開けてみればリ・ハナ（韓国）選手などは一気に出てきました。20年の初戦に勝った植竹希望（のぞみ）選手はいまやレギュラーツアーのシード選手。新しい選手が出てくるのは、もちろん魅力です。
下村 そうですね。誰が出てくるか分からない。毎週の調子とか、コースとの相性とかいろんな要素があると思いますが、若手、中堅、ベテランと、層が厚くなっているのがいまのステップです。
■悔しい思いが糧になる レギュラー昇格へ
――今年は不本意ながらレギュラーツアーから落ちてきた選手もいますね。
下村 そうですね。その一人、脇元華選手は、今年ステップにも出場することになるQTランキング（79位）だと思いますが、楽しみですね。脇元選手は18年のプロテストに合格した直後はステップに出ていましたが、すぐにQTでレギュラーツアー行きを決めました。そんな選手がまたステップに戻ってくれば、ツアーを引っ張ってくれると思います。当時、脇元選手は「早く上に上がらないと」と言ってレギュラーに行きました。またそういう気持ちでプレーすれば、他のステップの選手にもいい刺激になるのではないでしょうか。
小西 脇元選手は18年に河本結選手と優勝争いをしていましたよね。河本選手もその年はステップで4勝を挙げました。
下村 河本選手も渋野日向子選手もステップから上がっていった選手ですよね。そう考えると、なおさらステップの層の厚さが分かります。
小西 そういう選手でいうと宮田成華（なるは）選手はどうでしょうか。苦労して19年にようやくプロテストに合格しました。昨シーズンは3000万円近く稼ぎ、賞金シード間近でしたが、56位。ステップでもこれまで何度も出場してきて、優勝はありません。悔しい思いをしてきているので、初優勝をつかんで変化の年にしてほしいと願っています。
――まとめると色んな選手に注目ということで（笑）
下村 みんな技術はありますし、楽しみです。昨年ステップ賞金ランキングで3位に終わり、悔しい思いをした石川怜奈選手はハートもゴルフも大きい選手。今年はより楽しみです。
小西 ステップの醍醐味（だいごみ）の一つは、知らない選手の成長を最初から見続けることができるところ。そういう点で見ると、昨年11月のプロテスト合格者はまだ見たことがないので、早く見てみたいです。例えば泉田琴菜選手。昨年秋のプロテスト2次予選最終日に「61」を出しているんです。「どんな選手??」ってなりますよね。そんな選手を今年もたくさん見ていきたいと思います！
小西綾子（こにし・あやこ）
大阪府出身。日本体育大学大学院体育科学研究科卒業。スポーツの楽しさ、醍醐味（だいごみ）を伝えることを志し、現在はリポーターやスポーツ実況で活躍中。女子ゴルファーとの親交も深く、スカイAのゴルフ中継でもリポーター、実況を務める。
下村樹美（しもむら・じゅみ）
1988年5月3日生まれ、愛知県出身。2011年にプロテストに合格。ケガなどもあり一線からは身を引いたが、16年からはスカイAでラウンド解説をしている。プロ目線での解説が好評。今年もステップ・アップ・ツアーから選手のプレーの模様や声を届ける。ALBA.Netでもステップ・アップ・ツアー各大会ごとに注目選手やみどころを発信する。
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