<九州サーキット 第18回北九州オープンゴルフトーナメント 最終日◇20日◇小倉カンツリー倶楽部(福岡県)◇6888ヤード・パー72>
20名以上のシード選手が出場したツアー外競技の「北九州オープン」。2日競技の最終日、インスタートの裏街道から出た19歳の久常涼は、「あまり調子は良くないなかで、後半いい流れに乗れて伸ばせた」と、この日のベストスコアタイとなる「65」をマークして9位タイに入り存在感を示した。
久常といえば昨年サクセスストーリーを完成させた売り出し中の若手。岡山県作陽高3年生だった2020年のQTを受けたが1次で敗退。ツアーの出場優先順位は1212位とどの試合も出場できない位置でプロ転向し、ルーキーイヤーの21年を迎えた。
下部に当たるABEMAツアーに主催者推薦で出場し、トップ10入りで次戦の出場権獲得をつなぎ、3戦目にプロ初優勝。その後も300ヤード以上の飛距離、アグレッシブな攻めの姿勢で年間3勝を達成した。07年に制定された資格の適用を受けて、翌週からレギュラーツアーの出場権を獲得。わずか7試合で賞金ランキング50位に入り、初シードを手にしている。
22年になると積極的に海外にも進出している。2月からサウジアラビアとタイでアジアンツアーの3試合に出場した。3戦目の「インターナショナルシリーズ・タイランド」では最終的には32位タイだったが、2日目を終えてトータル14アンダーで単独首位に立った。「自分の持ち味がうまくいきました」としたが、決勝に入ると「ちょっと緊張したり、ナーバスになるところがあったのが要因かなと思います。悔しい終わり方です」と振り返る。「(海外は)芝質が違ったり、うまく対応できない部分もあった。早く海外でも慣れていけるようなプレーをしたい」と“土産”を持って帰ってきた。
国内開幕戦は2週後。「今年は10代での(日本ツアー)優勝をこだわっていきたい」と目標を掲げる。9月9日に20歳の誕生日を迎えるが、その前に石川遼(15歳245日)、ハン・ジュンゴン(19歳41日)、松山英樹(19歳261日)に次ぐ、4人目の10代優勝が身近な目標だ。将来的には米国男子ツアーの参戦を目論むが、その足掛かりとして今年は欧州男子ツアーの予選会受験を視野に入れている。(文・小高拓)
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