IBMから分社したマネージドインフラを手がけるKyndrylの日本法人が始動
キンドリルジャパンは12月9日、オンラインで今後の成長戦略に関する記者説明会を開催した。同社は、米IBMがマネージドインフラストラクチャサービス事業を分社化して立ち上げたKyndrylの日本法人だ。11月4日にIBMからの分社化が完了し、独立した企業としてニューヨーク証券取引所に上場。日本法人の社長には1994年の入社以来、IBM一筋で昨年まで日本IBM 執行役員 GTS事業本部 インフラストラクチャーサービス事業部の上坂貴志氏が就任している。
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キンドリルジャパン 社長の上坂貴志氏
社会成長の生命線を担うKyndryl
Kyndrylの「Kyn」は親族のような関係を表す「kinship(キンシップ)」から派生した表現となり、「dryl」は植物などのつるを意味する「tendril(テンドリル)」から派生した表現。キンドリルジャパンの従業員数は関連会社を含めて4000人、事業内容はITインフラストラクチャの構築・運用サービスの提供(アウトソーシングを含む)で、国内拠点は東京、大阪、幕張など29か所となる。
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社名であるKyndrylの由来
キンドリルジャパングループは、キンドリルジャパン、デリバリーを専業とするキンドリルジャパン・テクノロジーサービス(KJTS)、管理業務に特化したキンドリルジャパン・スタッフオペレーションズ(KSOC)の3社で事業運営を手掛ける。
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キンドリルジャパングループの概要
上坂氏は「日本法人を立ち上げる際に、パーパス(存在意義)として境界を越え、チームの力で未来を築く要となる社会基盤を創造することを掲げ、“社会成長の生命線”を担わなければならないと考えた」と話す。
現状の市場環境について上坂氏は「コロナ禍でインフラの重要性が見つめ直されたと感じている。というのもインフラが整備されていると考えられていたが、そうではなかった。このため、市場そのものは新しい時代を迎えるにあたり、CAGR(年平均成長率)7%の成長が見込まれている。日本においてはインフラの整備がますます重要となり、ニーズの高まりが予測される」と述べた。
日本では、少子高齢化や30年間成長しないGDPと高まらない生産性、デジタル競争力ランキングはグローバルで28位、気候変動、カーボンニュートラル、SDGsへの対応などが顕在化し、先送りできない状況になっているという。
6つの技術領域にフォーカスしたサービスの提供
そのような中でKindrylでは、将来的に“社会基盤を支えるデジタル基盤”を目指している。これを実現するために同社が提供する価値として、技術領域を「クラウド」「メインフレーム」「デジタルワークプレイス」「アプリケーション&AI」「セキュリティ&レジリエンシー」「ネットワーク&エッジ」と6つのプラクティスエリアとして定義。
サービス領域はコンサルティング&デザイン、インフラ構築、マネージドサービス、カスタマーサクセス&サービス品質となり、デリバリーモデルは精通した技術者をアサインするカーペンターモデルと、標準化したモデルで効率性を求めるファクトリーモデルの2種類となる。
上坂氏は「IBMというエンドツーエンドでカバーする世界から、IBMで培った強みをそのままにベストオブブリード(各分野でそれぞれ最適な製品を選定して組み合わせること)を提供するためには、エコシステムパートナーが当社にとって大きな変革であり、戦略だ。そのためパートナーはコンサルティング、システムインテグレーター、ソフトウェア、ハイパースケーラー、ハードウェア、アプリ開発と多岐にわたる」と説明する。
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6つの技術領域に注力して顧客に価値を提供する
一方、キンドリルジャパンの組織は、縦軸に金融事業本部、保険事業本部、製造事業本部、流通事業本部、公共・通信・メディア・公益事業本部と産業別に組織を構え、業界を横断して対応するため横軸にストラテジックサービス本部、テクノロジー本部、カスタマーマネジメント本部を設けた。
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キンドリルジャパンの組織
そして、同社の戦略について話が移った。“戦略0”として安心・安全・安定稼働に向けた品質管理を行う「カスタマーサクセス&サービスエクセレンス」をベースに「サービスイノベーション」「ビジネスモデルイノベーション」「エコシステムイノベーション」の3つに取り組む。
サービスイノベーションではアーキテクチャ設計やインフラ構築・運用、モダナイゼーションを手掛け、ビジネスモデルイノベーションに関しては産業別のインダストリープラットフォーム、業界を超えたサービスプラットフォームを提供する。エコシステムイノベーションについては、オープンかつ柔軟な座組やアライアンスによる新たなビジネスモデルの創出を図る。
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キンドリルジャパンの戦略
経営的視点でもサポート
上坂氏は、戦略0でも触れたカスタマーサクセス&サービスエクセレンスについて「システム運用は構築することとは違い、監視やモダナイズ、機器の点検など、常に品質への配慮が必要なため当社は、これを責務として担う。一方でITの価値と向上とともに、企業風土やITリテラシーの向上など経営視点での品質向上も支援する」と力を込めていた。
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キンドリルジャパンの戦略
すでに、同社では分社化完了後に11月12日はマイクロソフトとグローバル戦略パートナーシップの発表、同19日にはVMwareとの協業、SAP Certificationを取得し、12月3日に全世界で社員数と同じ8万8449本の木を植樹する「One Tree Planted」を日本で実施。同6日はエクイニクスジャパンとの協業、同9日に日本カストディ銀行とメインフレームソリューションにおける戦略的パートーナーシップを締結している。
2017〜2019年に日本IBM 代表取締役社長を務めた、米Kyndryl グループ・プレジデントのエリー・キーナン氏は「当社にとって日本は重要な国で2番目に大きな市場だ。われわれは世の中に必要不可欠なテクノロジーシステムをデザイン、構築、運用し、モダナイズしており、ミッションクリティカルなインフラサービスからDX(デジタルトランスフォーメーション)に沿った、より広義なトランスフォーメーションサービスへと拡大していく」とビデオメッセージを寄せていた。
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キンドリルジャパンの戦略
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社会成長の生命線を担うKyndryl
Kyndrylの「Kyn」は親族のような関係を表す「kinship(キンシップ)」から派生した表現となり、「dryl」は植物などのつるを意味する「tendril(テンドリル)」から派生した表現。キンドリルジャパンの従業員数は関連会社を含めて4000人、事業内容はITインフラストラクチャの構築・運用サービスの提供(アウトソーシングを含む)で、国内拠点は東京、大阪、幕張など29か所となる。
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キンドリルジャパングループは、キンドリルジャパン、デリバリーを専業とするキンドリルジャパン・テクノロジーサービス(KJTS)、管理業務に特化したキンドリルジャパン・スタッフオペレーションズ(KSOC)の3社で事業運営を手掛ける。
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上坂氏は「日本法人を立ち上げる際に、パーパス(存在意義)として境界を越え、チームの力で未来を築く要となる社会基盤を創造することを掲げ、“社会成長の生命線”を担わなければならないと考えた」と話す。
現状の市場環境について上坂氏は「コロナ禍でインフラの重要性が見つめ直されたと感じている。というのもインフラが整備されていると考えられていたが、そうではなかった。このため、市場そのものは新しい時代を迎えるにあたり、CAGR(年平均成長率)7%の成長が見込まれている。日本においてはインフラの整備がますます重要となり、ニーズの高まりが予測される」と述べた。
日本では、少子高齢化や30年間成長しないGDPと高まらない生産性、デジタル競争力ランキングはグローバルで28位、気候変動、カーボンニュートラル、SDGsへの対応などが顕在化し、先送りできない状況になっているという。
6つの技術領域にフォーカスしたサービスの提供
そのような中でKindrylでは、将来的に“社会基盤を支えるデジタル基盤”を目指している。これを実現するために同社が提供する価値として、技術領域を「クラウド」「メインフレーム」「デジタルワークプレイス」「アプリケーション&AI」「セキュリティ&レジリエンシー」「ネットワーク&エッジ」と6つのプラクティスエリアとして定義。
サービス領域はコンサルティング&デザイン、インフラ構築、マネージドサービス、カスタマーサクセス&サービス品質となり、デリバリーモデルは精通した技術者をアサインするカーペンターモデルと、標準化したモデルで効率性を求めるファクトリーモデルの2種類となる。
上坂氏は「IBMというエンドツーエンドでカバーする世界から、IBMで培った強みをそのままにベストオブブリード(各分野でそれぞれ最適な製品を選定して組み合わせること)を提供するためには、エコシステムパートナーが当社にとって大きな変革であり、戦略だ。そのためパートナーはコンサルティング、システムインテグレーター、ソフトウェア、ハイパースケーラー、ハードウェア、アプリ開発と多岐にわたる」と説明する。
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一方、キンドリルジャパンの組織は、縦軸に金融事業本部、保険事業本部、製造事業本部、流通事業本部、公共・通信・メディア・公益事業本部と産業別に組織を構え、業界を横断して対応するため横軸にストラテジックサービス本部、テクノロジー本部、カスタマーマネジメント本部を設けた。
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そして、同社の戦略について話が移った。“戦略0”として安心・安全・安定稼働に向けた品質管理を行う「カスタマーサクセス&サービスエクセレンス」をベースに「サービスイノベーション」「ビジネスモデルイノベーション」「エコシステムイノベーション」の3つに取り組む。
サービスイノベーションではアーキテクチャ設計やインフラ構築・運用、モダナイゼーションを手掛け、ビジネスモデルイノベーションに関しては産業別のインダストリープラットフォーム、業界を超えたサービスプラットフォームを提供する。エコシステムイノベーションについては、オープンかつ柔軟な座組やアライアンスによる新たなビジネスモデルの創出を図る。
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経営的視点でもサポート
上坂氏は、戦略0でも触れたカスタマーサクセス&サービスエクセレンスについて「システム運用は構築することとは違い、監視やモダナイズ、機器の点検など、常に品質への配慮が必要なため当社は、これを責務として担う。一方でITの価値と向上とともに、企業風土やITリテラシーの向上など経営視点での品質向上も支援する」と力を込めていた。
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すでに、同社では分社化完了後に11月12日はマイクロソフトとグローバル戦略パートナーシップの発表、同19日にはVMwareとの協業、SAP Certificationを取得し、12月3日に全世界で社員数と同じ8万8449本の木を植樹する「One Tree Planted」を日本で実施。同6日はエクイニクスジャパンとの協業、同9日に日本カストディ銀行とメインフレームソリューションにおける戦略的パートーナーシップを締結している。
2017〜2019年に日本IBM 代表取締役社長を務めた、米Kyndryl グループ・プレジデントのエリー・キーナン氏は「当社にとって日本は重要な国で2番目に大きな市場だ。われわれは世の中に必要不可欠なテクノロジーシステムをデザイン、構築、運用し、モダナイズしており、ミッションクリティカルなインフラサービスからDX(デジタルトランスフォーメーション)に沿った、より広義なトランスフォーメーションサービスへと拡大していく」とビデオメッセージを寄せていた。
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