コロナ禍だからこそ見直しを!プロに教わる夏の衣替え【整理・収納・ケア方法】

教えてくれた人

整理収納アドバイザー・整理収納教育士/大森 智美
神奈川県在住で建売住宅に子供3人と夫の5人暮らし。訪問・オンラインの片付けサポートを中心に活動。整理収納ライターとして執筆活動もおこない、インスタグラムでは子供がいてもすっきりした暮らしやお片付け、防災に関する情報などを発信している。

コロナ禍で着る服が変わった?衣類に対する意識の変化

コロナ禍の影響で外出する機会が減った昨今。『エステー株式会社』が実施した衣類への価値観に関する意識調査では、新型コロナウイルス感染拡大後「長く着られるお気に入りの服を少しだけ持っておきたい」 “スローファッション志向” の高まりがあるという結果が出ています。

一方、「流行の服を安く、たくさん持ちたい」といった “ファストファッション志向” は減少傾向に。こういったライフスタイルの変化は、衣類の収納方法にも影響があるのだと大森さんは言います。

※『エステー株式会社』衣類への価値観に関する意識調査/期間:2020年9月1日~9月4日、アンケート対象:20歳~59歳の男女603名(男性242名、女性361名)

「ご相談される方のなかでも、コロナ禍で着る衣類に変化があり、衣替えの際に着なくなったものを整理をする人が多いです。ちょっと近所に出られるキレイ目なゆったりした服装が増えているように思います。

オフィスカジュアルやおしゃれ着など、着る機会の減った服が1軍のままだとなかなか上手に整理ができません。この機会にぜひ見直しをしてみてください」

それでは実際に、衣替えのコツを教えていただきます。【整理方法】【収納方法】【ケア方法】の順でご紹介。ライフスタイルや季節に合わせた方法をお届けします!

【整理方法】おうち時間が多いからこそ環境を整える

「おうちで過ごす時間が増えている今だからこそ、自宅をキレイにすることが心の余裕に繋がります。衣類が溢れたクローゼットを見てげんなりした気持ちになることはありませんか?

着ていない服でクローゼットが埋まり、いつも着る服はしまう場所がない……では本末転倒ですよね。目に触れる機会が多いクローゼットを整えて、環境の質を高めましょう!」

増えてしまった衣類の見直しをする

まずお伺いしたのは、見直しのポイント。衣類を全部出して手に取り、本当にまた着たいかどうか整理することから始めるのが良いそうです。

「たくさん持っていても、毎日手に取る服は大体決まっていませんか?買ってみたけれど着心地がイマイチ、顔うつりが良くなかった……など手に取らない服には理由が必ずあるはずです。人に会う機会が減り、部屋着にすればいいやと残している方は要注意。

着る人間は基本1人ですから、まず一週間に何着あれば足りるか考えて整理してみましょう。クローゼットが着る服だけの1軍に厳選されると、毎日の洋服選びに迷いにくくなります!」

着る機会が減ったおしゃれ着を整理する

コロナ禍になってから一度も袖を通していない服たち。着る機会が減ったおしゃれ着はどう整理すれば良いのでしょうか。

「おしゃれ着は『高かった』『また着るかも』といった理由で手放せない方も多いです。数年着ていない服は劣化しているだけでなく、流行や年齢、体形、好みの変化などにより今も似合うとは限りません。

残すか迷う、おしゃれ着を整理するときにオススメなのは “試着してみること” 。鏡で客観的に見て、また着たいとテンションが上がるものだけ残すようにするといいですよ」

【収納方法】ゆとりを持たせ、キレイをキープ

お次は、実際の収納方法についてお聞きします。

「オンシーズンの服をクローゼットにギュウギュウに入れてしまうと取り出しにくく、しまう際もひと苦労。そうすると結局収納せずに、その辺にポンと置いたままという状況になってしまいがちなんです。ほど良くスペースが余っていると、出し入れのしやすいクローゼットになります」

ゆとりを持たせて見た目を整える

「とくに湿気の多い時期は、ゆとりを持たせて通気性を良くするのが大切。オンシーズンの服は、取り出しやすく選びやすい7~8割の収納を意識してみてください。

あとは、見た目を整えましょう。ハンガーを統一すると想像以上に見た目が整い、ハンガーの厚みもそろうので省スペースになりますよ」

見える化できるように収納する

「畳んで収納する際は重ねるのではなく、立てて上から俯瞰して見えるように収納するのがポイント。すべての衣類が “見える化” され、着たいものがすぐ見つかります。クローゼットや引き出しの容量ははじめから決まっているので、そこに入る分だけ厳選しましょう」

教えていただいた方法なら取り出す際もゴチャゴチャになりにくく、整理された状態がキープできそうです!

【ケア方法】しっかり対策をして衣類を傷めない

冬物をケアして来年に備える

整理をしたら、手元に残るのはお気に入りの衣類。そこで最後に、衣類を長く着るためのケア方法・対策を教えていただきました。

「冬物をしまう際は、シミにならないように洗える衣類はしっかり洗って干し、毛玉やホツレなどをケアしてからしまうのがオススメ。『なぜか次のシーズンになったらくたびれて見えて、結局着なかった……』とならないようにケアはとても大事です。

そのひと手間が来年も心地良く着られるポイントになります。今シーズン一度も着なかった服や、ケアしてまで残したいと思えない服はこの機会に手放しましょう」

防虫消臭ケアで湿気の多い時期を乗り越える

「湿気の多い時期に使ってほしいのが、我が家でも愛用しているレッドシダーブロック。天然の木材で防虫・消臭力があると言われています。引き出しにポンと入れるだけで手軽ですし、紐でクローゼットに吊るすこともできますよ。

もちろんほかの防虫消臭グッズでもOK!ジメジメしているとニオイが出やすかったり、虫の被害にも遭いやすかったりするので、ぜひ活用してみてください」

オンシーズンで着る夏の衣類ケアも大切

「これからオンシーズンになる夏物の衣類は、汗や皮脂汚れが冬物の衣類に比べて多くつきやすく、日焼け止めや汗で流れたファンデーションなどの汚れもつきがち。

目に見えにくい汚れをそのままにしておくとシミの原因になります。着用したら洗って汚れを落とし、しっかり乾かすことが大事です。お気に入りの衣類だからこそ丁寧にお手入れして、長く着たいですよね。

ライフスタイルに合わせた衣類の整理・快適な収納環境づくり・丁寧なケアを意識して衣替えをしてみてください」

衣替えするなら収納環境の見直しも

毎回同じような衣替えをするのではなく、ライフスタイルに合わせておこなうのが上手に収納するコツだと痛感しました。

衣替えをする際は、ぜひ収納環境も一緒に見直してみてくださいね。はじめは少し作業に時間がかかるかもしれませんが、一度やってしまえば日々の収納が楽になること間違いなしです!

取材・文/内山 栞(macaroni 編集部)