ジョン・F・ケネディ元大統領の兄弟姉妹で最後の存命者だったジーン・ケネディ・スミス。雑誌『ピープル』などアメリカのマスコミによると現地時間6月17日(水)夜に自宅であるニューヨークのアパートメントで亡くなった。92歳だった。死因は明らかにされていない。

9人兄弟の下から2番目だったジーンは、兄のジョン・F・ケネディやロバート・F・ケネディの夫人たちともとても親しかったという。関係者によるとジャクリーン・ケネディを兄のジョンに紹介したのもジーンだった。

ジョン・F・ケネディはもちろん元大統領、ロバートは司法長官で上院議員、姉のユーニス・ケネディは活動家でスペシャルオリンピックを創設した人物。有名な兄弟姉妹の影になりがちではあったが、ジーンはクリントン政権時代の1990年代に駐アイルランド米大使として活躍。北アイルランド紛争の和平交渉に多大な貢献をした。またワシントンにある文化施設「ケネディセンター」に「ベリー・スペシャル・アーツ」部門を創設したのもジーンだった。この部門は世界中の体に不自由を持つ成人や若者たちにアートを学ぶ機会を与えるために活動している。ジーンはこれらの功績を称えられ、2011年には大統領自由勲章も受章した。これは世界平和や文化活動、アメリカの安全や国益に貢献した人物に与えられるもの。

ジーンの姪でアーノルド・シュワルツェネッガーの妻であるマリア・シュライバーはテレビ番組で「比類なき女性だった」とジーンを偲ぶコメントを発表。「アイルランド米大使として平和のために働き、国の代表として素晴らしいキャリアを築いた」と称賛、「彼女が天国で家族全員と再会していることが慰めです」と語っている。

ジーンは2016年に自伝『The Nine of Us: Growing Up Kennedy(9人兄弟:ケネディとして育つ)』を出版、兄たちについて「将来この国のトップの地位につくことになる兄たちと一緒に育ったということを完全に理解するのは難しい。当時、兄たちは私にとって遊び相手でしかなかった。彼らは私の楽しみの源、そして尊敬の対象だった」と綴っていた。マリアの言うようにその兄たちと再会していること、そして安らかな眠りを祈りたい。