アンナ・カリーナの事務所は現地時間12月14日(土)に声明を発表、ガンのためにパリの病院亡くなったことを明らかにした。4番目の夫で映画監督のデニス・バリーが看取ったという。

1940年にデンマークのコペンハーゲンで生まれたアンナ。本名はハンネ・カリン・バイヤーで、アンナという芸名はココ・シャネルが命名したものだった。アンナはモデルとして活躍した後、1960年にジャン=リュック・ゴダール監督の『小さな兵隊』に主演、翌年ゴダール監督と結婚した。またその年にゴダール監督の『女は女である』でベルリン映画祭で女優賞を授賞している。1965年に2人は離婚してしまうけれど、その後も『アルファヴィル』『気狂いピエロ』など共に作品を作り続けた。シンガーとしても才能を発揮、1967年のミュージカル映画『アンナAnna』では彼女のためにセルジュ・ゲンズブールが書いた「Sous Le Soleil Exactement」を歌っている。昨年2018年には18年ぶりに来日、コンサートで歌声も披露した。

ヌーベルバーグのミューズとして知られ、アニエス・ヴァルダやルキノ・ビスコンティら多くの映画監督に愛されたアンナ。訃報に対してフランスのフランク・リーステール文化大臣は「今日、フランス映画は孤児になった。そのレジェンドを失った」とお悔やみの言葉を発表している。安らかな眠りを祈りたい。