6回途中、降板を告げられ肩を落とすオリックス・金子(左から3人目)=ZOZOマリン

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○ ロッテ 5 - 3 オリックス ●

<4回戦・ZOZOマリン>

◆ 勝てない金子千尋

 オリックスの先発は、開幕から勝ち星がついていない“エース”の金子千尋。過去2戦、リズムに乗ったピッチングができていない金子だったが、この日はZOZOマリン特有の風に加え、小雨も降る悪環境のなか、ロッテ打線を4回までノーヒットに抑えるなど、本来の姿を取り戻しつつあった。

 ところが5回、5番の鈴木大地に二塁打を打たれると、セカンド大城の捕球ミスや、キャッチャー伊藤のパスボールなども重なり2-1と逆転を許してしまう。さらに田村には11球粘られてタイムリーを打たれるなど、この回だけで30球を投じて3失点。6回は中村と井上に連続四球と、1アウトも取れずにマウンドを降りた。

◆ 四球でピンチ拡大…

 5回まで2安打ピッチングだったにもかかわらず、この日も金子を苦しめたのは4つ与えたフォアボールだった。

「不運と言ってもフォアボールが多い。ミスはわざとやることじゃないし、バント処理(大城の失策)は僕の送球も悪かった。あそこを踏ん張りきれない。フォアボールを出さないのは大前提。出してしまってからしっかりできなかった」

 試合後、金子はチームメイトではなく、フォアボールを出してしまった自分自身の不甲斐なさを悔やんだ。

 ここ数年、決め球がボールになり、フォアボールで苦しむ場面が見られることについて、「投げきれてない。ストライクゾーンで勝負しきれてない」とコメント。開幕からカード頭となる火曜日の試合を任せている福良淳一監督も「金子は良かったのに5回になって急に崩れた」と困惑顔。それでも「まだ火曜日で行ってもらう」と金子に対する信頼は揺らいでいな。

◆ ロメロに一発も…伊藤は二軍へ

 一方の野手に関して福良監督は、「ロメロに一発が出たのは良かった」と大砲の一発を評価していたが、「相手がミスをして流れがこっちに来ているんだから、バントはキッチリと決めないと」と、7回に伊藤がバントを失敗し、併殺になってしまったプレーについて言及。さらに、「キャッチャーは(山崎)勝己と入れ替えます」と続け、2つのミスを犯し、バッティングでも開幕からノーヒットと精彩を欠く伊藤の降格を発表した。

 チームは開幕から連勝が1度もなく、借金は「6」にまで膨らんだ。打線は今季2番目に多い9安打(2度目)を記録したが、3安打5得点のロッテに敗れるなど、開幕前は優勝候補の一角に挙げられながら投打が噛み合わない状況が続いている。。

取材・文=どら増田