95%の人がまだ知らない生活習慣病の「トリプルリスク」とは
30代、40代になると気になるのが生活習慣病。生活習慣病の代表的なリスク要因である、高血圧・高血糖・高血中脂質のいずれかが高い場合、1つだけではなく3つとも悪くなる可能性がある、という「トリプルリスク」についてご存知でしょうか。
95%の人がまだ知らない、知ると対策をしたくなる「トリプルリスク」。トリプルリスクを考える会のメンバー、岡部先生監修による解消法をご紹介します。
糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病に関連する疾病に造詣の深い岡部クリニック院長・岡部正先生によると、血圧・血糖・血中脂質の数字が高くなる根元は共通で、「インスリンの働きが悪くなる」ことだそう。
インスリンは血糖値を下げる働きがあり、この働きが悪くなると、それを補うために膵臓からインスリンがたくさん分泌されます。その結果、塩分排出に関わる腎臓の機能が低下して、血圧が上がったり、肝臓で中性脂肪の合成が盛んになり、血中脂質が増えてしまいます。つまり、どれか1つの数値が高いということは、他の数値にも影響を与えるインスリンの効きが悪くなっている状態の可能性があるのです。
■血圧・血糖・血中脂質、過半数が気にしているが、3つ同時ケアしてるのはわずか1割!トリプルリスクを考える会が30〜60代男女を対象に「現代人の健康と食生活に関する調査」を実施しました。
この調査で、生活習慣病のリスク要因である「血圧・血糖・血中脂質」について伺ったところ、過半数の人が1つ以上気にしていることが分かりました。一方、1つ以上ケアしている人は約3割、3つともすべてケアしている人は1割しかいないということも判明。生活習慣病が気になっているものの、ケアまでできている人は少なく、さらに3つ同時ケアできている人はわずかしかいないという健康に対する意識と行動のギャップが浮かび上がってきました。
■トリプルリスクの解消法岡部正先生は、トリプルリスクの解消には「健康診断で異常なしと言われても油断せずに生活習慣病予防 のために血圧・血糖・血中脂質、そしてそれらに影響を及ぼしやすい塩分・糖分・脂肪分 の“3つ同時ケア”をすることが非常に大切」と言います。
「トリプルリスクを考える会」のメンバーである管理栄養士・岩粼 啓子先生は、塩分・糖分・脂肪を3つ同時に配慮するために下記のポイントを提唱されています。
●お皿を増やすことで、品目数の増加と全体的なボリュームダウンを心がける。
●調味料を減らす、食感や風味でアクセントを追加する
岡部先生はさらに、「健康診断では空腹時など条件が限定されていることもあり、「隠れ高血糖」や「早朝高血圧」「食後高脂血症」などが発見できない可能性もあります。血圧・血糖・血中脂質、どれか一つ高ければ、 他の数値も危険になる可能性を意識する必要があります。」と述べています。
最初から複数をケアすることは難しいかもしれませんが、まずは「塩分・糖分・脂肪分」を意識した食習慣づくりから取り組んでみてはいかがでしょうか。
【参考】
95%の人がまだ知らない生活習慣病の「トリプルリスク」とははWoman Wellness Onlineで公開された投稿です。
【筆者略歴】
神崎 利奈
コスメライター/ブロガー/イベントレポーターコスメの成分についてまで詳しくなってしまうほどコスメ好き。食や美容、健康のイベントに300件以上参加し、レポートしています。お仕事のご依頼はkanzakirina@gmail.comまで。