「恥ずかしい〜」と言いながら、カップにキスをする高橋恵(撮影:小路友博)

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<LPGA新人戦 加賀電子カップ 最終日◇9日◇グレートアイランド倶楽部(6,526ヤード・パー72)>
13歳の時に2部ツアーで優勝した逸材が、久しぶりの栄冠を手にした。今季プロテストに合格した21名で争われた「LPGA新人戦 加賀電子カップ」の最終日。この日は強い風が吹き、多くの選手がスコアメイクに苦戦。単独首位から出た高橋恵は2バーディ・3ボギーの“73”とスコアを落としながらもトータル3アンダーで逃げ切り優勝。2日間でアンダーをマークしたのは高橋のみ、一生に一度の舞台で底力を見せた。
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前半はスコアを2つ落とす苦しい展開に。2位から出た川岸史果に首位を奪われた。しかし、「焦りはなかったです。10番のティグランドで最後の9ホールを楽しもうと思いました」と気持ちをうまく切り替え、強風の中でも冷静にプレー。「風は好きなんです。昔から。上手くは言えないけど、風が吹くと頑張ろうと思える」、タフなコンディションでも集中力を欠くことなく、後半は1つ伸ばしてフィニッシュした。
「本当にうれしいです」と心からこの勝利を喜んでいた高橋。プロの試合で勝ってから、成績を出さないとと自分にプレッシャーをかけすぎ、「去年はパッティングの時に手が震えた」とイップスにもなった。昨年のプロテスト後に、自らに負荷をかけすぎず、気楽にプレーしようとしたところ徐々に回復し、今年はプロテストに合格。ファイナルQTで7位に入り、来季の出場権も掴んだ。
プロになっての初勝利は「重いですね。トロフィーも重かった(笑)」。これまでとは違う“重み”があった。この勝利は「自信になる」と今後のプロ生活には大きな弾みとなった。
思い描く夢は大きい。「4年後には賞金女王になりたい」。自分の今の力量を考えると、トップに立つにはそれぐらいの時間がかかると計算していた。「日本ツアーで結果を出すことができたら、その時に海外挑戦も考えたい」。尊敬するゴルファーはタイガー・ウッズ(米国)と海外で戦う宮里藍。いつか世界と戦えるよう、オフはこの勝利を糧にさらに研鑽を積んでいく。
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