国立故宮、北京故宮を提訴へ  絵画画像の無断使用で/台湾

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(台北 2日 中央社)国立故宮博物院(台北市)は2日、北京故宮が国立故宮所蔵の絵画3点の画像を無断で使用したとして、北京側を提訴することを明らかにした。北京故宮が過去に出版した「故宮画譜」の中に、国立故宮の「谿山行旅図」、「富春山居図」、「早春図」が著作権の許可を得ないままで掲載されていた。

無断使用が明るみになったのは昨年10月。民進党の何欣純立法委員(国会議員)が質疑の際、国立故宮の出版物に掲載されていた絵画3点の画像が北京側に無断でスキャンされて使用されていたことを指摘した。当時、国立故宮は、著作権の許諾手続きをするよう北京側に書面で要請したが、電話で何度も問い合わせても北京側から返答は得られなかったという。

国立故宮の担当部署は、経済部知的財産局に処理を委託。同局が中国大陸の国家版権局と話し合った結果、中国大陸側は書画や文物の写真の創作性は版権局が認定するものではないとの見解を示し、北京故宮を提訴し、著作権の存在を確認するよう提案したという。また、問題解決のため、国立故宮と北京故宮間で、意思疎通の体制を設置するよう促した。

国立故宮が2日に立法院(国会)教育及文化委員会で行った報告によると、故宮は10月6日に提訴を決議し、すでに訴訟の委託手続きを完了させている。書類の準備が整えば、速やかに北京裁判所に提訴する。

(鄭景ブン/編集:名切千絵)