美しさへの道は一日にして成らず

写真拡大

「美人は得」とはよく聞く言葉です。

2015年2月に出版された、ダニエル・S. ハマーメッシュ の「美貌格差 生まれつきの不平等の経済学」で発表された、「見た目のいい人と普通の人では生涯収入で約2700万円の差が出る」という内容を覚えている人も多いと思います。

記者も、"薄々なんとなーく気づいてはいたけれど、ああそれ言っちゃうのね"と、暗澹たる気持ちになりました。

もしも、おカネだけでなく、「見た目」が寿命にまで関係しているとしたら――? 最近では、見た目が寿命に影響するという研究が次々と発表されています。

サバ読むと長生きする

もしあなたが(いわゆる)美人ではなくても、悲観することはありません。この場合の「見た目」とは生まれつきの美しさではなく、後天的な美しさのこと。シワやたるみが少なくハリのある肌、姿勢の良さ、しなやかに動く体など、キレイに若々しく見えることです。つまり、美しさを追求する人は「長生き」まで手に入れられるということです。

詳しく説明しましょう。2009年のデンマークの研究者による双子の調査では、同じような遺伝子を持つ双子でも、長年の生活習慣の違いから老け方に差が出てくることが明らかになっています。平均70歳の双子では、見た目の年齢が約10歳も違ってくるそうです。

そして、70歳以上の双子387組を7年間追跡調査したところ、老けて見える方の人が早死する傾向がみられました。さらに、身体機能や認知機能も低かったといいます。

食生活の工夫、運動、色々な趣味......。確かに、若々しくキレイでいるためにはいろいろな努力が必要です。そしてそれは全て健康につながっていたのです。

さらには、年のサバを読んで若くごまかすことも効果があるといいます。英国で6万5000人を調査した研究では、実年齢より若いと感じている人と、老けていると感じている人では、8年後の死亡率のリスクが40%も違っていました。

結局はどう生まれたかよりどれだけ努力して生きているか、が大事なのかもしれません。とりあえず、5歳、いや3歳若く言ってみようかな。

調査結果は「見た目のアンチエイジング研究会」などより抜粋。