東京証券取引所での株取引の清算・決済を担当する日本証券クリアリング機構(東京都中央区、山下剛正社長)は12日夕、東京都中央区の東証内で会見し、8日に発生したみずほ証券によるジェイコム株式の大量発注ミスを受け、みずほ証券がジェイコム株の買い手に株券でなく現金を支払う「強制決済」の実施を正式に発表した。

 特別決済価格は、8日終値(77万2000円)に14万円を上乗せした91万2000円。同機構の山下社長は、「誤発注に始まる一連の経過がなかったと想定した場合の価格を基礎として算定した」と説明した。みずほ証券は8日、ジェイコム株の発行済み株式(1万4500株)の6倍超にあたる9万6236株を売り越した。同証券は13日に決済を行い、買い手は取得額との差額を受け取る。

 強制決済は、1950年に旭硝子株の投機的な売買の終了を目的に行われて以来、55年ぶりで、02年設立の同機構が決定するのは初めて。【了】