日本のいわゆるデフレの実態は長期不況であり、それを脱却するには成長率を上げるしかない――これは多くの経済学者のコンセンサスだが、ではどうすれば成長率が上げるのか、という点についてはコンセンサスがない。本書は戦後の高度成長の時期についての多くの実証研究をサーベイし、それが一度きりの幸運だったのかもしれないと示唆している。日本の戦後の成長の要因を、終戦直後の「傾斜生産方式」や、銀行による産業金融などの