女だって“立ちション”したい! パリ市が女性用の小便器の設置を検討、なんと日本にも立ち小便グッズが
「あ〜あ、私も立ちションできたらいいのに!」
キャンプで、野外フェスで、車での長旅で……あなたにももしかして、立ちションができる男性をうらやましく思った経験があるのではないでしょうか。
どうやらこれは、パリジェンヌにとっても同じことのようです。パリ・サンマルタン運河に、女性用の立小便器を設置することをパリ市が検討しています。
「どうして男は道ばたでスッキリできるのに、女はできないの?」
きっかけは今年1月、28歳のパリジェンヌがネットでこんな要望書を公開したことでした。
「夏にサンマルタン運河でピクニックするのは、とっても素敵なことですよね。だけど女性にとっては、トイレ探しが大きなネックになります……パリ市が設置した小便器や、ラ・ヴィレット池でスッキリできる男性たちと違って」
「(女性用の小便器が設置されれば)私たちは公衆トイレの長い長い列を避けることができます。まぁそもそも公衆トイレに並ぶのは、もしそれが見つかって、しかもキレイで壊れてなくて、麻薬中毒者に占領されてなくて、水浸しにもなってなければの話ですけどね」
一見にぎやかなパリの、切実なトイレ事情が伝わってくるようです。市民の要望を聞くためにパリ市が設置したサイト上で、彼女はこう問いかけています。
「どうして男は道ばたでスッキリできるのに、女にはできないの?」
日本にもあった! 女性用立ち小便器に、立小便専用グッズ
日本では、昨年11月に東京都江東区で、アウトドアを楽しむ女性が野外で用を足す姿を盗撮される事件も発生(出典:DMM news)。なかなか困難な女性のトイレ事情ですが、そんな背景もあってか、実はズボンを下ろさずに用を足せる“立ちション応援グッズ”も作られているんですよ。
男性器がついていなくても立ちションができる道具は、FUD(Female Urination Device)またはSTP(Stand-To-Pee Device)と呼ばれ、複数のメーカーから発売されています。
主に筒状のものを押し当てて使うようになっており、素材もさまざま。
・使い捨ての紙製
・漏れにくいシリコン製
・豊富なカラーから選べるプラスティック製
日本からも、一部ネット通販などで購入することができます。
また、世界的に見ても女性の立ちションは珍しくありません。日本では1964年の東京オリンピックの際、女性が立って用を足す習慣のある国々の選手のため、国立競技場に女性用の立小便器を設置したことがあります(現在は閉鎖、非公開)。
以前はTOTOにより男女兼用の立小便器「サニスタンド」が製造されていたこともあるそうですが、日本では抵抗感が強く、あまり広まらなかったとのことです。
とはいえ、たとえ男性器がなくたって“立ちション”のニーズはあるもの。立小便器や立ちション補助グッズはピクニックするパリジェンヌはじめ、アウトドアを楽しむ女性、戦場におもむく女性兵士や、FtM(女性とされて生まれ、男性として生きる)トランスジェンダーにも支持されています。果たしてパリ市がどんな結論を出すのか、注目されるところですね。
参考記事:metro news
(牧村朝子)