試合 :プレミアリーグ 第31節
開催日:2013年3月30日
結果 :マンチェスター・ユナイテッド勝利
スコア:「0−1」
得点者:OG

ヨルダン戦から中3日と中4日、3月30日のこの第31節と4月1日のチェルシーとのFAカップ準々決勝再試合と、どちらに使うのかな、と思っていたのですが、香川が使われたのはこの第31節のサンダーランド戦でした。

FW:ファン・ペルシ
MF:ヤング 香川真司 バレンシア
MF:キャリック アンデルソン
DF:ビュットナー ヴィディッチ スモーリング ラファエル
GK:デ・ヘア

香川は上記のメンバーでのトップ下としてスタメン出場。そして、後半34分までの出場となりましたが、ほとんど代表戦での疲労などは感じさせず、とても軽快な動きで良いパフォーマンスを見せていました。香川のアシストや得点などはありませんでしたが、結果も勝利だったという事で、香川にとっては悪くない試合だったかなと思います。

しかし、全体的な動きとしては悪くなくても、やはり香川の1つ1つのプレーには気になる事がいくつかあって、その一番が「前を向くプレー」という部分ですね。やはり香川には、ボールを受けた時にクルっと素早く前を向いて、という事を期待してしまう訳ですが、意外とその時にボールコントロールがもたつくというのか、意外とその時に前を向く速度が遅いというのか、それで抜けきれない事が多い、それでボールをロスしてしまう事が多い、という印象がこの試合でもありました。

ジダンのマルセイユルーレットのようなターンで前を向いて抜け出す、というプレーも香川はしますが、しかし、基本的には、ボールを収めてから「U」の字のように動いて前を向いたり、あるいは、半身の状態でボールを受けてそのまま前を向いたり、という動きで前を向こうとするプレーが多く、それで問題はその時の動く半円の大きさとスピードで、もう少し動く半円の大きさを小さくする、もう少しスピードに緩急をつける、という事をやった方が良いような気がします。

メッシ、イニエスタ、シャビ、という選手たちは、ボールを受けた時の軸をほとんど動かさずに、まるでコマのように回転して前を向きますが、実際には「U」の字の動きを最低限まで小さくしている、その結果としてボールを受けた時の軸をほとんど動かさずに前を向いているように見える、という事だと思いますから、香川にもそういう動きを身に付けて欲しいですね。もう少し姿勢を正しく重心を低くして、足というよりも身体でボールを前へコントロールするようなイメージだとそうなるかなと思います。

そして、緩急というのは、香川の場合、ボールを受けてから前を向いてフェイント(ドリブル)で抜ける、という一連の動作の時のスピードが一定である傾向があって、それだと相手としてはその動きに対応しやすく、ボールを受けた時に一瞬だけ止まってから前を向くとか、前を向いてから一瞬だけ止まってグッと速度を上げるとか、そういうチェンジオブペースを前を向いて抜け出そうとする時の一連の動作の中に入れると、もう少し抜け出せる確率が上がるのではないか、という事ですね。

全体的には良い動きをしていながらも、どこか納得できていないような渋い表情を浮かべていたこの試合の香川でしたが、おそらく、ボールを受けて前を向いて抜け出す、そこのプレーが上手くできなかった、という事が、その理由の1つだったのではないかと思うので、ボールを受けて前を向いて抜け出す、というプレーにもっと威力を出すためには、もう少し姿勢を正しく重心を低くして、足というよりも身体でボールを前へコントロールするようなイメージで「U」の字の動きの半円の大きさを小さくする、更には、その一連の動作の中にもう少し緩急を入れるようにする、という事をやると良いのではないかなと思います。