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今年も僕は指名されませんでした…!

運命のドラフト会議。注目の菅野智之さんは巨人から1巡指名を受け、大谷翔平クンは日本ハムから1巡指名を受けました。春夏連覇の高校ナンバーワン投手・藤浪晋太郎クンは4球団競合の末、阪神が交渉権を獲得。大きな期待を背負い、明るい希望を胸に、プロの世界に飛び込んでほしい。メジャー行きを望む選手も含めて、できるならば日本プロ野球を盛り上げてほしい。そう願うばかりです。

やはり日本の選手は日本のプロ野球に貢献してこそではないでしょうか。今、自分が野球と出会ったのは誰のおかげなのか。今、自分に与えられた野球の才能が開花したのは誰のおかげなのか。今、野球選手になること、そしてドラフト会議で指名を受けることをみなが祝福してくれるのは誰のおかげなのか。それは日本の野球を発展させ、プロ野球というものを社会的成功の舞台へと押し上げた先人たちのチカラによるもの。

しかし、王貞治や長嶋茂雄はいまやちっこいオッサンにすぎません。イチロー・野茂を目の前で見た世代は小学校を卒業し、それ以下の子どもたちにとって彼らは「遠い国のメジャーリーガー」です。松坂大輔もダルビッシュ有も日本を旅立ちました。日本プロ野球のビッグスターは少なくなってきています。メジャーリーグが日本プロ野球の上位クラスのような雰囲気も漂っています。

それは未来の野球少年にとってよいことなのか。目の前に素晴らしい野球があって、素晴らしい選手がいる。そんな状況を引き継いでいくのも野球人としての責任なのでは。野球人生のすべてを…とまでは言わないまでも、バトンを受け取ってパスするくらいの時間を日本ですごしてもいいのではないでしょうか。まず日本の野球に足跡を残してから、個人の夢を叶えるという流れで。

正直、アメリカの野球がどれだけ盛り上がっても、日本では知ったこっちゃありません。遠くアメリカから日本の野球少年に夢や希望を伝え、野球文化を発展させようと思ったら、イチロー・野茂クラスの活躍が必要でしょう。それには日本でぶっちぎりの一番になってからでも遅くはないはず。いやむしろ「日本ですごかったアイツ」がアメリカでも頑張っているからこそ、夢や希望も膨らむのではないか。今年のドラフトを見ながら、僕はそんなことを思ったのでした。

ということで、思惑どおりにはいかないことも多々あった、TBS中継による25日の「プロ野球ドラフト会議2012」をチェックしていきましょう。


◆広島関係者のみなさん、来年はもう少し煙幕をまきましょう!

グランドプリンスホテル新高輪。西武グループの庭に、今年も12球団がノコノコやってまいりました。このホテルの従業員、監視カメラ、机、イス、テーブル・水差しにいたるまで、すべては西武グループの所有物。見える範囲のすべては西武グループの刺客と言ってもいいでしょう。こんな環境で毎年クジ引きをやってくれるとは本当にありがたい話です。

会場には1000人のプロ野球ファンが集い、その時を待ちます。僕もその一角に陣取り、お土産としてもらったドラフト会議ティッシュで鼻をかみながら待機。緊張感を高めるスタッフ。奥の通路でチラチラと蠢く関係者。十数台ものカメラ。ファンの間にも緊張感が広がります。

↓会場は静かに運命のクジ引きを待つ!












どうなれば幸せかなんてわからないのが人生!

クジで決めてもらうくらいのほうがスッキリする!


用意したセリフをカミカミになりながら読み上げ、開会のご挨拶を金本知憲さんがこなすと、いよいよプロ11球団プラスワンの入場。まず先頭で入ってきたのは、プロ11球団と横並びの抽選会に不満の色を隠せないDeNA。かわいそうなので無条件にひとりと交渉させてもらえる「スーパー指名枠」、一番クソ弱いところに与えられる「ワースト指名枠」、完全ウェーバー制による不動の1巡目1番手、という本来DeNAに与えられる3枠のアドバンテージは今年もありませんでした。中畑監督は精一杯の明るさで、不満を押し隠します。

以下、今シーズンの順位の逆順…指名順で入場する各球団。11番目には巨人、そして12番目には北海道日本ハム。ドラフトの主役がやってきました。テレビを通じて見守る注目選手たちにもピリピリしたムードが広がる頃。テーブルについた各球団の担当者も「また今年もこのノートパソコン使わなアカンのか」「去年習ったけど忘れた」「結局クジは紙なんだから、入札も紙でいいだろ」と機械化文明への反対ムードが広がります。

1巡目の指名。DeNA、ソフトバンク、西武は亜細亜大の東浜巨さんへ。オリックス、阪神、ロッテ、ヤクルトは藤浪晋太郎クンへ。中日は福谷浩司さんを一本釣りし、巨人・日ハムは公言どおり菅野智之さんと大谷翔平クンへ入札。もちろん巨人・日ハムの指名には大きな歓声が上がったのですが。それよりもどよめきがあったのは、広島が一本釣りを狙っていた森雄大クンへ楽天が横槍を入れた場面。広島関係者の「余計なことすんな」「若者の夢を大事に」「ウチはクジはしたくないんだ!」という血走った目が光ります。

さぁ運命のクジ引き。東浜さんの抽選ではDeNA中畑監督、西武渡辺監督、そしてソフトバンク王会長が登場。場内のファンからは「キヨシ!」の大きな声が上がり、悲壮感を漂わせます。ワイプ画面で見守る東浜さんは決して表情を崩しません。「プロ11球団OK、DeNAでもまぁOK」とは言いつつも、金・強さ・環境あらゆる面でここはソフトバンク一択の場面。王会長が当たりクジを掲げたときのニヤリとした満足気な表情は、心からのものだったに違いありません。

つづいて藤浪クンの抽選。会場の阪神ファンは抽選に弱いことを気に病みながら、和田監督へのゲキを飛ばします。しかし、本当にクジが下手糞なのは岡田前監督の流れを汲むオリックス。2010年は1位入札で3連敗、2011年は高橋周平の抽選に挑むもハズレ、そして2012年もその流れは継続。オリックスは1番手でガッチリとハズレクジをつかみ、連敗キープ。ちなみにその後のハズレ1位抽選でもガッチリとハズレクジをつかみ、「これなら菅野にいっても同じだった」「外れるなら大丈夫だろ」「いけよ」と他球団ファンもほぞをかみます。結局、藤浪クンは阪神が交渉権を獲得。甲子園のスターが甲子園へ行くこととなりました。

さぁ、そして注目の森雄大クンの抽選。当日のスポーツ紙などでも森クンは広島一本釣りの予想が並び、無風地帯と思われていたところ。思わぬクジ引きとなった広島・野村監督は、苦笑いが止まりません。そして野村監督はハズレクジに向かって一直線。ズバッ!グワシッ!とハズレクジを握り締め、クジを開く前から天を仰ぎます。

↓後ろでニヤニヤしている楽天・星野監督が熱い!


楽天:「ウチは若者の夢は邪魔せんよ」
楽天:「でもなぁ、森クンは別にどこでもよさそうじゃないか」
楽天:「森クンはワシが育てる」


その後、ハズレ1巡目の入札に進んだ広島さんですが、そこにはまたしてもクジ引きが待っていました。NTT西日本の即戦力右腕・増田達至さんへの入札は西武とドンかぶり。王会長の威光には及ばないまでも、西武・渡辺監督も抽選会場で一際眩しい輝きを放つクジ引き王です。2分の1の確率、西武グループのお膝元、しかも相手は本来の1巡目でクジを避ける指名をしてきた逃げ腰球団とくれば、負ける気はしません。

↓野村監督はニヤニヤしながら、黄金の右腕でガッチリとハズレクジをつかんだ!


先に引いて2度外す安定感!

渡辺監督は「当たって当然」の余裕の表情!

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まさかの抽選2連敗。広島サイドの落胆はいかばかりか。会場内では悲鳴にも似た「ノムケン…」の声が漏れ、広島関係者のテーブルはお通夜の空気。野村監督のうつろな表情には「誰にしよう…」「す、菅野…!」「いや、それは売り切れか…」と困惑も滲みます。

↓結局広島は1巡目で龍谷大平安高の高橋大樹クンを指名!
【広島1位 高橋大樹 外野手・龍谷大平安】1位指名に驚きを隠せなかった。テレビ画面に自分の名前が表示されると「えっ!ってホンマにびっくりです。1位になれる選手じゃないですから、ホンマにびっくり。2位か3位だと思っていた」と目を丸くした。

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/10/26/kiji/K20121026004413100.html

ノムケン:「キミが1位だ!」
本人:「えっ!ってホンマにびっくりです」
本人:「1位になれる選手じゃないですから」
本人:「2位か3位だと思っていた」


↓ちなみに広島は混乱の果てに思い切ったドラフト戦略に出ていた!
<事前の考え>
投手王国に即戦力右腕を加えたい。広島は亜大・東浜をドラフト1位の最有力候補に挙げている。球団関係者は「即戦力の中では1番。うちは即戦力が欲しいし、監督ともそういう話しをしている」と語った。
(中略)
ドラフト1位指名選手は、最終的に野村監督の意向を反映する方針。4年目の指揮を執る来季は勝負の年となるだけに、野村監督も即戦力選手の加入を望んでいるという。
http://www.nikkansports.com/baseball/professional/draft/2012/news/p-bb-tp0-20121012-1031450.html



<最終的な指名>
1巡目:高橋大樹(高卒、外野手)
2巡目:鈴木誠也(高卒、投手)
3巡目:上本崇司(大卒、内野手)
4巡目:下水流昂(社会人、外野手)
5巡目:美間優槻(高卒、投手)
育成:辻空(高卒、投手)
育成:森下宗(大卒、外野手)

ノムケンが即戦力投手をほしいと言ったら、即戦力野手と投手素材ばっかりとってきた…!

ノムケン政権の集大成とかより、編成は5年後のカープを見ていた…!


僕の連れ合いの広島ファンもこの結果にはイスからずり落ち、3巡目以降はショックから半分寝ているような状態に。2012年はあわやCS進出というチャンスもあっただけに、「あんまりイイ選手獲ると勝ってしまうな」と球団も危機感を募らせていたのでしょう。現在よりも未来。来年よりも5年後。希望を先に先に置いていく広島のドラフト戦略。絶対届かない位置にぶら下げてあるニンジンのように、ファン・選手・関係者もグッとやる気がわいてきそうですね。

↓そんな2012年度ドラフト会議の雑感など!
●DeNA
即戦力を求め、社会人を中心に指名するなど、来季への必死さは伝わってくる。セガサミーの2選手をとり、「いっそ全部セガサミーにしてみるのも手か」という構想も垣間見えた。しかし、ドラフト的な見せ場は東浜さんへの抽選で登場した場面のみ。来季は「DeNA以外ならOK」と言われるような存在感を見せてほしい。

●オリックス
2度のクジ引き敗戦には、岡田前監督の残り香を感じる。来年のドラフトまで新監督が残留しているかはわからないが、ぜひクジ引き連敗記録の更新を狙ってほしい。

●阪神
1巡目の藤浪クン、2巡目の北条クンと甲子園の星を連取。「地元の野球を熱心に見にいっている」というスカウト網の分厚さを感じさせた。

●ロッテ
4巡で早々に選択終了。3巡目に阪神2巡目の北条クンと光星バッテリーを組んだ田村捕手を指名。「阪神が田村クンを獲る」「地元で熱心にスカウトがチェックしているからな」「甲子園で活躍した選手は見逃さないはずだ」という阪神ファンの期待にストップをかけた。

●広島
クジから逃げてはいけない。

●楽天
育成1位で指名した宮川将クンは夜のテレビ番組で、ドラフトの様子を生放送で見守っていた。指名されないことに号泣し、育成で指名されてはまた号泣するドラマティックな展開に、視聴者も思わず涙。それなのに育成で指名された直後に「プロ野球に進む道が叶えられました。親父ありがとう」という主旨の結構長い手紙を懐から出してくるとはどういうことか。指名された場合用の手紙を事前に書いていたときの、彼の気持ちが思いやられる。

●ヤクルト
藤浪クンの抽選は外すも、1位指名の石山さん獲得は予定どおり。ヤマハ所属の社会人ということもあって、ドラムを叩いて喜びを表現するなど早速のキャラ立ちを見せていた。

●ソフトバンク
王会長にクジを引かせるのはズルイ。

●中日
特に興味ナシ。

●巨人
とにかく菅野さんを獲らせてほしい、そんな想いが滲み出る指名。ほかもツバをつけていそうな候補は避け、「ウチからは邪魔しない」「2巡目以降は静かにしている」「だからそっちも邪魔するな」という雰囲気を醸し出していた。

●日本ハム
大谷翔平クンの指名で会場をドッとわかせた。栗山監督は終始テーブルで押し黙っており、指名についてはノー意見の様相。まだ選択終了の意志表示をする前に監督だけが席を立ったときには、「あぁここからが栗山さんの仕事なんだな」「新幹線で花巻に行け!」「ダメだと思うけどガンバレよ!」と温かい拍手も起こった。

主な興味は1巡目に集約されており、2巡目以降は淡々と進んだドラフトでしたね…!

未来の大選手登場に期待!

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↓そして我が埼玉西武ライオンズは、夜の番組でエエ話が紹介された2選手を指名!
●西武
2巡目で指名した相内誠クンと、5巡目で指名した佐藤勇クンは夜のテレビで紹介されたエエ話の持ち主。

幼い頃に父を亡くし、女でひとつで育てられた佐藤クンは、子だくさん一家ということもあり「自分も中学を出たら働こう」と思い詰めたこともあったとか。しかし、兄弟の説得などもあって高校進学・プロ野球を目指すことができ、ついにこの日プロへの扉を開いたというじゃありませんか。

5万円の硬式グローブを清水の舞台から飛び降りる覚悟で買ってくれたお母さんは、「自分のものは何もいらない」「何もほしくない」「(契約金で買ってほしいものは)何もない」と語り、すべてを子どもたちに捧げてきた半生を涙で振り返っていました。

「投手の育成が下手糞」「完成品しか活躍しない」「人格形成にも難アリ」として定評がある西武ライオンズへようこそ!佐藤勇クン!

そして、相内誠クンは少年時代を養護施設ですごした苦労人。一時は素行も乱れ、野球を辞めようとした時期もあったとのこと。それを施設の職員さんや、先輩に支えられながら立ち直り、こうしてプロへの扉を開いたというのです。

今回のドラフトでは、施設の職員さんは祝杯で真っ赤に染まった顔に涙をとめどなく流し、キックボクサーとして活動している先輩の島野さんは「嬉しくて殴っちゃうかもしれない」と言いながら、何故かサンドバッグをバンバン蹴っていました。

「ちょっとチャラそうな選手を待っている」「そのほうが女子受けもイイ」「人格形成には難アリ」として定評がある西武ライオンズへようこそ!相内誠クン!

うわ…1巡目を跳び越えて、エエ話のふたりのほうが気になる!

特に相内クンには、松坂→涌井の系譜を継ぐ存在となってもらいたいな!

道路交通法的な部分も含めて!


↓ちなみに相内クン本人は西武への入団を喜んでくれている模様!
<本人ツイッターより ※人気急騰によりアカウント削除済>

相内誠 ‏@makopiaiuti
ドラフト2巡目で西武ドライオンズに入団することができました!みんな本当にありがとーな(T^T)

戦士A:「俺は中日ドラゴンズ!」
戦士B:「俺は西武ライオンズ!」
戦士A&B:「二球団合体…西武ドライオンズ!」

相内誠クン、ようこそ西武ドライオンズへ!

ドラ軍団一同、キミを待っているぞ!

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プロ野球を盛り上げるビッグスターになってください!期待しています!