先日、ノミネート発表の前倒しが発表された第85回アカデミー賞。<Huffington Post Entertainment>のコーナーGold Rushでは早くも大胆予想を始めている。

クリストファー・ローゼン(<Huffington Post>エンタメ欄編集者): 『レ・ミゼラブル』の素晴らしい映像にほれぼれしていたところ。アカデミー賞の投票権を持つ人たちは、「まさに革新的な映画だ! トム・フーパー監督は天才だし、(ファンティーヌ役の)アン・ハサウェイは2冠に値する! アカデミー賞に英国アカデミー賞(BAFTA)、もしかしたらピュリッツアー賞だって夢じゃない!」

だけど(発表の前倒しに伴い)ノミネートの投票締め切りが1月3日に早まったから、投票権を持つ人たちに影響を与えることのできる時間はかなり短いだろうね。『レ・ミゼラブル』の全米公開はその直前、12月25日になったしね(当初は12月14日公開予定だった)。12月公開でアカデミー賞作品賞を獲得したのは、これまで4本(『ビューティフル・マインド』『シカゴ』『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』『ミリオンダラー・ベビー』)しかないし。

トラブルといえば先日、『New York Post』の評論家ルー・ルメニックが、『レ・ミゼラブル』の対抗馬となりうる『リンカーン/Lincoln』を「つまらなかった」と一蹴していたね。でも全米公開は11月16日(金)だから、主人公エイブラハム・リンカーン役のダニエル・デイ=ルイスが、『ザ・マスター』のホアキン・フェニックスや『ヒッチコック/Hitchcock』で巨匠アルフレッド・ヒッチコックに扮したサー・アンソニー・ホプキンスを抑え、3度目の主演男優賞受賞(※)ってこともあるかな?

マイケル・ホーガン(<Huffington Post>アート&エンタメ欄の責任者): 『レ・ミゼラブル』か。(アメリカでの配給会社)ユニバーサル・ピクチャーズが、キャストに歌わせたビデオを先に公開したのは賢明な選択だったと思う。だけど君の(賞は逃すのではという)考えには同意するね。2002年には『シカゴ』がアカデミー作品賞を獲得した。ミュージカル映画としては、1968年の『オリバー!』以来の受賞だった。まあ、1961年から1968年の間では(『オリバー!』を含め)4本のミュージカル作品が作品賞に選ばれているんだけどね。それと今回の『レ・ミゼラブル』の上映時間は3時間近いだろう。厳しい締め切りを課せられているアカデミー会員にとっては酷な話に聞こえるだろうか?

『リンカーン』について、まあ批判もあるようだけど、見る人をうならせる可能性だってあると思う。個人的には、(スピルバーグ監督の前作)『戦火の馬』よりはいい作品であることを期待してるよ。

それと主演女優賞だけど、先日の段階では僕ら2人ともジェニファー・ローレンスを推してたよね。だけどアン・ハサウェイと『ヒッチコック』のヘレン・ミレンが現れた今はどうかな?

ローゼン: 君が挙げたヘレン・ミレンは楽に勝利を手に入れられるだろう。だけど、"もしも"って面白いシナリオがあるとしたら、ヘレン(2006年の『クィーン』)やマリオン・コティヤール(2007年の『エディット・ピアフ 〜愛の讃歌〜』)といった近年の受賞者はアウトだね。ジェニファーも。『ビースツ・オブ・ザ・サザン・ワイルド/Beasts Of The Southern Wild』のクヴェインゼイン・ワリス(8歳)と(今年のカンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)に選ばれた)『アムール/AMOUR(愛、Love)』のエマニュエル・リヴァ(85歳)のガチンコ対決なんてどう?

ホーガン: それも面白いね。自分だったらワリスに投票するけど、賭けをするのならリヴァかな。アカデミー賞(の受賞者)はしばしば、生涯功労賞と重なるし。そういえば司会者は? ジミー(・ファロン)に決まるのかな?

ローゼン: ジミーは僕も気になるね。いい仕事すると思うよ。(女性は)メリッサ・マッカーシーかな。彼女は面白くて頭が切れるし、皆から愛されているからね。

※ダニエルは『マイ・レフトフット』と『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』でアカデミー主演男優賞を受賞している

<来年のアカデミー賞予想を語ろう>

(原文:Michael Hogan: Academy Awards 2013: Will 'Les Miserables' Dream A Dream Of Oscar Gold?)
-------------------------------
マイケル・ホーガン
クリストファー・ローゼン