フジテレビはキャスターが国分太一、平井理央、本田朋子。民放としては充実している。何といっても『すぽると』で積み重ねてきた厚みがある。

国分太一は、ジャニーズではたぐいまれな「ふつうに話せる」キャラクター。並のアナウンサーよりもゆったり構えている点で上だろう。平井アナは、いるだけで芸がなくてもOK。本田アナは中継の経験が豊富だ。

それ以上に、現地取材班がすごい、三宅正治、小倉智昭、渡辺和洋、そして舞の海、本田朋子。要するに「めざましテレビ」と「とくダネ!」をそのままロンドンに持ち込もうというわけだ。

三宅と小倉というのは、牛丼とカレーの合い掛けみたいで、濃厚すぎる感はあるが、何もなくても盛り上げてくれそうではある。

見逃せないのは舞の海。相撲キャスターではNHK、タレントとしては民放と、引退後も技能派らしく立ち回っているが、この人は良く勉強するのだ。人が注目しないことに目をつけて、「おっ」というようなコメントをする。

「ウサイン・ボルトは、脇が甘いですね」とか「フェルプスは、足の小指の使い方がいいですね」みたいな、耳寄りのコメントが期待できそうだ。

ただ、小倉おやじが不必要な振りで、舞の海に余計なコメントをさせたりしないかが心配。なにしろ小倉は“五輪通”を自認している。まるで自分の家のように、五輪会場を闊歩することだろう。

そういう邪魔くささはあるが、厚みのある布陣なのである。