クラブワールドカップといえどワールドカップ! セルジオ越後さんは「W杯の冠が泣いている」とおっしゃってますが、いやいや世界的名手の品評会としての機能は十分に果たしております。

 今回の柏レイソルの健闘がどこまで世界に報じられたかは定かではありませんが、J2からの初年度J1初制覇という快挙とはいえまだタイトル歴としては浅いわけだし、彼らはACLを勝ち抜いたわけでもありません。やはりタイトルホルダーの競演ということを考えると、柏は輝かしい未来がある「これから」のチーム。

 その代わりに、タモリ・ビートたけしとともに、日本の「お笑い芸人BIG3」と呼ばれ、「さんまのまんま」「さんまのからくりテレビ」を筆頭とする数々の冠番組を持ち、日本放送演芸大賞受賞を始めとする輝かしいタイトルを所有する日本のベテランがきっちり「仕事」を果たしたわけです。

 その仕事がどういう内容だったかは皆さんご存知なのでサラリと触れるだけにしておきますが、世界最高のプレーヤーがクラブワールドカップでMVPに選ばれる、その黄金の機会を共有できる世界で極少数の人間にしか許されない栄誉に浴したさんま氏、「老後はどうしますか」という定年退職祝いの席のごとき質問力で瞬時に場(世界中のお茶の間)を沸騰させるという、若手には出せない超絶スキルを世界的な場で見事に披露したわけです。

 やはりワールドカップは選手の品評会。単にクオリティが高くてコレクティブ、最後まで運動量の落ちない、良い意味で日本的な柏レイソルは面白みが足りないのだと思いました。

 プレーに例えるなら、脚で押しこむだけで決勝点というシーンで豪快にアッパーカットをかまし、ボールはクロスバーを越えるわレッドカードを食らうわ、あふれるチャンスを一瞬にして大ピンチに変える、そういう魔法のようなスキルこそ求められるのだと痛感いたしました。

 そのようなおもしろトークスキルは当然ながら世界のメディアの目に止まり、Goal.comでは「Japanese Broadcaster Wastes Golden Opportunity In Lionel Messi Interview Farce」(日本のメディア、メッシへのおもしろインタビューで黄金の機会の機会を逸する)とさっそく取り上げられております。
 
 

 http://www.goal.com/en-india/news/2292/editorials/2011/12/20/2810735/japanese-broadcaster-wastes-golden-opportunity-in-lionel

>But not this time. With the world's most famous player in the spotlight, NTV had an opportunity to demonstrate just how capable Japanese broadcasters are of serious sports journalism. As it turns out, they're about as capable as Santos were in the final third on Sunday night.

 「世界で最も有名なプレイヤーがスポットライトを浴びた日、日本テレビは、日本の放送局がシリアスなスポーツジャーナリズムにおいて何ができるかを示す絶好の機会であった。しかし彼らが成し遂げたのは、決勝の夜にサントスが(バルセロナ相手に)最後のフィニッシュで見せた拙さと同じレベルのものだった
 
 おお、さんまさんの決定力はサントスと並び立つ! 少なくとも世界2位の評価を受けているということですね!

>And with YouTube and other websites allowing the footage to spread at the speed of a "like" button, for the first time football fans outside Japan can share in the embarrassment.

 「YouTubeや他のサイトに投稿されたこの番組が瞬時に『イイネ!』ボタンによって拡散したことで、日本以外の国は初めてこの種のいたたまれなさを共有することになった

 さんまさんが世界デビューした瞬間の克明な描写! サントスを圧倒的な能力で子供扱いしたメッシを困惑させることができたのは、少なくともこの日では明石家さんまただ1人。サントスと11人の明石家さんまが対戦したなら、4−0といった生やさしい点差では済まなかったはずです。サントスは今頃、柏レイソルが明石家さんまを欠いていたことに心の底から安堵していたに違いありません。

 ちなみに

ずーっと文中ではSanma Akiyasha(「秋夜叉さんま」)になってるので、ひょっとしたら別の人の話かもしれないけどな!!!