日本ハムファイターズのダルビッシュ有投手が今オフにもポスティングシステムを通してメジャーに挑戦するのではと再び注目を浴び始めたことに対し、6月3日付のボストン・グローブ電子版は松坂大輔や井川慶の失敗を例にあげて、レッドソックスとヤンキースが獲得に動かなくても驚くことではないとの記事を掲載した。

 ダルビッシュのメジャー挑戦は時間の問題だといわれている。今オフにもポスティングにかけられる可能性があるが、レッドソックスとヤンキースは独占交渉権の取得に動くだろうか?

 今日中にレッドソックスは松坂大輔が肘の治療のためにトミー・ジョン手術を受けることを発表すると見られている。最初の2シーズンこそすばらしい活躍だったが、その後は故障などでぱっとせず、多くが1億300万ドルの投資は無駄に終わったと考えている。

 ヤンキースにとっても人ごとではない。4600万ドルを投資した井川は、今では2Aトレントンのブルペン投手でしかない。井川のメジャー登板はわずか16試合だ。

 レッドソックスとヤンキースが愚かだったのではない。当時、松坂には全球団が、井川にもほぼすべての球団が関心を示していた。

 さて、ダルビッシュだが、すでに動画サイトで見事な投球が紹介されるなど、報道される内容もいいニュースばかりだ。だが、松坂と井川のときも同じだった。

 もちろん、すべての日本人投手をひとくくりにして論じるのは公平ではない。しかし、球団は事前の調査を徹底するべきだろう。日本で使用している球は一回り小さく、ほとんどの試合は屋内で行われ、投手は週に1度の登板で中4日では投げない。練習方法もメジャーのそれとは異なっている。

 日本人投手はメジャー入りして最初の頃は活躍するものの、ケガを負ったり、打者が慣れてきて、急に成績が落ちる傾向がある。

 ダルビッシュは例外になるかもしれない。だが、痛い目にあったレッドソックスとヤンキースが独占交渉権獲得に動かなくても驚くことではない。