南米選手権なんていらなかったんだ…!

17日、日本サッカー協会は正式に南米選手権への参加を辞退しました。海外組を招集できず、国内ではJチームからの反発もあり、十分な編成ができない状況。アルゼンチン協会など開催側の協力を得て、一旦は撤回した参加辞退でしたが、やっぱりムリということで非常に残念な一日となりました。

それぞれのビジネスと事情。震災により変更されたJリーグ日程との重なり。主力選手を招集されては困る各クラブ。強制力がない海外組の招集。「海外組15人を招集できたら協力するよ」というJ側の譲歩?を取りつけるも、選手はついに集まりませんでした。選手がいないのでは参加できるはずもありません。これだけ時間をかけてもダメなら、今回は諦めるしかないでしょう。

それでも、まぁサッカー自体がなくなるわけではないのが救い。日本代表が南米で躍動する姿は見られませんが、自分の家の近くのスタジアムで、隣の県で、テレビで、躍動する国内組の姿を見守ることができます。日本が参加しなくても中継があるのかは不透明ですが、アルゼンチンやブラジルが鎬を削る南米選手権を、家で見守ることができるかもしれません。それに、代わりと言っちゃなんですが8月10日に韓国代表との国際親善試合開催も決定しました…!

そもそも南米選手権は日本が参加して当然の大会ではなく、「初めからなかった」と思えば悔しさも薄れるというもの。心の底に「震災から立ち上がる日本の象徴」「南米選手権の活躍で世界に元気な日本をアピール」「日本国内に勇気と元気を」的な想いが生まれているので、ここまで残念な気持ちになるだけ。元気な日本をアピールする機会は南米選手権だけではなく、サッカー人が日本に元気を届ける機会もまた南米選手権だけではありません。この発表が行なわれた日にも、世界では日本のサッカー人たちが、勇気と元気を届けようと奮闘していたくらいなのですから…。

ということで、ドイツに集合した日本人選手と爺たちの奮闘について、17日の「東日本震災復興支援慈善試合 ドルトムントVS欧州日本人選手選抜」からチェックしていきましょう。



◆ドルトムントさんありがとう!香川さん、よく頑張ってくれました!

ドルトムントの黄色いユニフォームで埋まるスタジアム。もともと日本への遠征を考えていたドルトムント。震災により遠征自体は中止されましたが、その代わりに日本を支援するこの試合をセッティングしてくれました。嬉しい話であると同時に、遠征や慈善試合開催を決断させた香川真司の存在が誇らしくもある話。香川が元気にシーズンで活躍したから、日本に元気を贈る試合が開催できた…何となく元気のリレーのようなものを感じます。

日本選抜はGKにフォッヒャー(川島招集できず)、DFに内田・細貝・槙野・相馬崇人、MFに長谷部・赤星貴文・香川、FWに岡崎・森本・矢野というスタメン。控えには安田・西澤明訓・奥寺康彦・城彰二・名波浩・ブッフバルト・ルンメニゲといったまさかの豪華メンバー。しかも監督はリトバルスキー。日本の海外進出、ドイツサッカーとのつながりも、思った以上に深くなっていたものです。

そして始まった試合。まず開始50秒で内田が退場し安田と交代。「ウッチーが50秒も出てくれた」と考えるべきとは思いつつ、「ウッチー50秒で引っ込んだwwww」というひと笑いが起きることは避けられないウッチーらしさ。

試合が動いたのは前半の8分。ドルトムントの放ったシュートをGKフォッヒャーが突っ立ったまま見送る八百長プレー。「所詮は借り物か…!」というプレーで日本選抜はいきなりの失点。さらに直後の12分にはカウンターから数的不利の状況を作られアッサリと失点。「日本に元気を…」「盛り上げてくれるんとちゃうんかい…」「どうせなら香川に点を取られたかった…」と早速日本をガックリさせてくれたのです。

↓借りてきたGKは明らかにドルトムント側の選手!


ダメだろコレwwwwwwwwwwww

ドルトムントでもこんなプレーしたら第4GKとかにされるぞwww





やはり急造チーム。日本選抜はせっかく攻めている場面でも、パスが噛み合わないところを奪われてピンチになる場面多数。「真剣にやりすぎる」ドイツ人気質というべきか、ドルトムントの真面目なプレーに苦戦を強いられます。逆に前半19分、香川がエリア内で華麗なターンからDFをかわし、GKとの1対1から豪快にシュートを外した場面では日本人・ドイツ人が一斉に大爆笑。「慈善試合とはこういうものだ」と日本のエースが教えてやる一幕も。

そんな香川の熱い想いがドイツ人にも伝わったのかもしれません。前半35分、エリア内に突入した岡崎をドルトムントDFは引っ張りからのローキックで撃墜。PKを献上すると、これを香川が決めて場内は大盛り上がり。リトバルスキー監督も「俺も笑いを取るぞ」とばかりに、得点した香川を引っ込めてルンメニゲ御大を投入し擬非レッズ・オールスターを形成。さらに赤星を下げて名波を投入するなど、深夜の日本に「ジジイ増えてきたwww」という笑いを提供したのです。

↓香川さん久々の得点で、場内は温かい爆笑に包まれる!



香川さんお疲れ様!

※ここからは爺中心にお楽しみください。





後半に入ると、爺選抜は爺中心に躍動。右サイドでボールをキープしては次々に奪われる名波。ボールがきたらビックリしてコケる名波。健康のためにウォーキングを始めたルンメニゲ。クロスに歩いて飛び込むルンメニゲ。CKに名乗りを上げて全力でショートコーナーを蹴るルンメニゲ。FKの壁に入っても飛びゃしないルンメニゲ…と爺勢は必死に奮闘。

もちろん、後半から投入された爺も負けじと奮闘。襟がないユニフォームを用意されて不満顔の西澤。出たと思ったらすぐ引っ込む西澤。「このデブ誰?」「日本が国難のときにメシ食いすぎだろ」「ゴール決めたらバク転するのかな…」と全国に衝撃が走った城。DFラインに入ると危なっかしさでドギドギするブッフバルト。ジャンク屋で見つけた東洋のコンピューター・奥寺は、ただの体当たりで相手の攻撃を止めるというレジェンドぶりを発揮。気がつけば「日本復興支援試合」というか「爺復興支援試合」といった様相に。

しかし、そんな爺たちを長谷部・岡崎ら若き日本選手は必死にフォロー。一度引っ込んだのに再投入された森本・矢野・赤星も献身的な介護を展開。まさにこれからの日本に求められる「助け合い社会」を象徴するかのような美しいプレーの数々に、遠く日本でも温かい気持ちが広がります。

そうです、今こそ助け合いのとき。そのことを日本に教えるべく、リトバルスキー監督もダメ押しの爺采配。1点負けてる云々は置いておいて、後半82分に謎のメガネのオッサンを投入し、「サッカー選手でも何でもないけどいいよね」「カバーしてあげて」「助け合いの精神!」というメッセージを日本に発信したのでした。

結局試合はそのまま1-2で終了。しかし、勝敗ではない何かを得た好ゲームでした。人と人とのつながり。助け合う心。この試合で感じたものを胸に、今日も元気に頑張っていきたいもの。たとえ遠くに離れていても、心でつながることはできるのですから。We are all together。すべての心をひとつに…。

↓爺の奮闘に勇気と元気をもらった「ドルトムントVS爺選抜」動画



試合後に何故か日本代表のユニフォームを着ているチョン・テセに激しい違和感www

ならいっそ、オッサン全員に着せてやれwwwwwwwww






ありがとうドルトムント!ありがとう爺選抜!元気をもらいました!

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