直前の強化試合で惨敗を繰り返していた中で、初戦のカメルーン戦に1−0で勝利。支持率がゼロに近い状態から一転、決勝トーナメント進出に向けて日本国内もたちまち盛り上がった。今回のW杯はぶっつけ本番だ、と書いたことがあるが、カメルーン戦ではそれがうまくはまったよね。
でも、オランダはぶっつけ本番で勝てるほど甘くなかった。そういうことじゃないかな。

オランダ戦もカメルーン戦と試合の入り方は同じだった。しっかりディフェンスのブロックを作り、相手の良さを消すことを第一とし、少ないチャンスをものにしようというサッカーだ。
当事者以外からしたら退屈でたまらないサッカーをしながら、日本はゲームプランどおりに前半を0−0で終えた。しかし後半に入り、オランダの個の力により先制を許してしまう。失点後は戦い方を変え、次々に交代カードを切って死に物狂いで前へ出て行ったが、いくつか作ったチャンスが本当にオランダのゴールマウスを脅かしたかと言われれば、そうじゃないよね。
追いつきたいという気持ちは伝わったし、それが相手へのプレッシャーにもなっただろうけど、それだけでは強豪国に勝てないんだ。

大会直前の段階で、日本は一度メチャクチャになっている。当初の方針と、あれだけこだわっていたメンバー構成はがらりと変わった。交代策も今まで見たことないものばかりだ。そんな付け焼刃のサッカーでは、守ることはできても、攻めることはできない。それがよくわかったんじゃないかな。

もちろん、次のデンマーク戦にも期待しているけど、この時点でも未来の日本サッカーが良くなるために反省すべき点はたくさん見えているよ。決勝トーナメントに進めれば、さらにいろいろなものが見えてくるだろうね。グループ突破を祈りながら次戦を迎えたいと思う。(了)