序盤、メッシ・テベスのドリブルを中心にそのアイディアからチャンスをうかがうアルゼンチンに対し、ナイジェリアは最終ライン・中盤で守備ブロックを作り、その突破を何とか止めてカウンターを狙おうとはするものの、メッシ・テベスのドリブルにやや手を焼いていた印象。そんな時間帯の前半6分、ヴェロンの見事なCKからエリア外より飛び込んだエインセがヘッドでゴールを奪い、アルゼンチンが先制。

アルゼンチンは運動量の少ないヴェロンにフォローが少なく、そこを何度かナイジェリアに狙われてカウンターの形を作られるものの、サムエルら最終ラインが冷静に対応。アルゼンチンは前での仕掛けでボールを奪われても、攻守の切り替えが早く中盤でボールを奪い返し、スペースでボールを受けてドリブル仕掛けるメッシからチャンスを何度も作り出しましたが、GKエニュアマの攻守で追加点を奪えず。

前半ボールを奪ってもアルゼンチンの守備意識が高く、なかなかボールを前に運べなかったナイジェリアは、後半左SBタイウォらの攻撃参加で攻めの形は作るもののチャンスには繋がらず、逆にアルゼンチンはナイジェリアの繋ぎに対していい位置でボールを奪うとメッシやテベスがスペースでボールを受け、前を向けたことで攻めのリズムを作り、彼らを起点に何度か決定的なチャンスを作り出しました。

ナイジェリアは52分にマルティンス、60分にオデムウィンギーを投入し、攻め手を見出そうとするものの、守備意識の高いアルゼンチンに対して単発なチャンスが多く、チームとして厚みのある攻めの形を創りだすことはできませんでした。しかも後半30分には何度も攻撃参加を見せていた左SBタイウォが負傷交代。アルゼンチンは数多くのチャンスを作りながら追加点は奪えなかったものの、交代のカードを切ってゲームを無難に終わらせ、1-0で初戦を勝利しました。

アルゼンチンは前線のイグアインがやや合わず、中盤でもヴェロンが狙われたりなど、チームとしてはまだこれからという印象。しかし早い先制したこともあって全体的に高い守備意識からナイジェリアに対してボールを前に運ばせず、手堅い試合運びの中でもメッシ・テベスのチャンスメイク頼みとはいえ、そこから決定機を何度も作り出すなど、個々のポテンシャルの高さは感じさせました。

ナイジェリアは守備面ではオフザボールへの対応に遅れ、テベスやメッシの個人技にやや振り回された感もありましたが、GKエニュアマが何度もファインセーブを見せたこともあって、少なくなかったピンチの中でも1失点に抑えました。ただ一方で連動性に乏しく、個の局面打開に走りがちだった攻撃は、きちんと守れるチーム相手にはちょっと苦戦しそうですね。グループBは面白い戦いになりそうです。

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