中国新聞網は2日、鳩山首相の辞任について「結局は『日米同盟の』犠牲品となった」と論じた香港メディアの評論を紹介した。

 これは香港メディアの文匯報が同日に発表した文章で、鳩山首相が首相就任前や就任直後の時点で米軍基地問題の移転問題について得意満面に解決を約束したことで有権者から賛同を得たものの、結局それがワシントンの怒りを買い、巨大な圧力を受けたあげく、従来の政権と同じように日米同盟の犠牲となったと論じている。

 鳩山首相の得意満面の「約束」がアメリカの逆鱗(げきりん)に触れたことについて、「アメリカ人は、もし米軍が日本から離れればアメリカはアジアの主導権を失うことになり、さらにはアメリカ本土の戦略的安全も損なう可能性がある。アメリカは沖縄に基地を持っていればロシアや北朝鮮などの軍事活動を監視するのに都合がよく、牽制(けんせい)することもできる」という理由を挙げた。

 そして、今年4月の核安全サミットではわずか10分のあいさつ程度の会談しか行われなかったことや、集合写真を撮影した際に鳩山首相が隅に追いやられたことが「ワシントンはこの首相のことが全く眼中になかった」と論じた。(編集担当:柳川俊之)



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