アスレチックスからフリーエージェントとなっていたノマー・ガルシアパーラ遊撃手(36歳)が、レッドソックスと1日だけのマイナー契約を結び、レッドソックスとして引退するという夢を叶えた(3月10日付ボストン・グローブなど)。 

 1996年から2004年のシーズン途中にカブスへトレードされるまでレッドソックスでプレーし、1997年に新人賞、オールスターには5度選ばれ、ヤンキースのデレク・ジーターやアレックス・ロドリゲスとは、だれが一番よい遊撃手かと比較された。

 レッドソックスでの通算成績は打率.323、ホームラン178本、打点690。

 メジャーデビューしたレッドソックスの選手として引退するのが夢だったという男は「言葉に言い尽くせないほどうれしい」と感激の面持ちで語った。

 元チームメートのティム・ウェイクフィールドは「彼は最高のチームメートで、彼が後ろで守っていてくれるとすごく安心できた」と述べた。

 この日、ガルシアパーラは以前の5番のユニフォームをつけて、レイズ対レッドソックスのオープン戦で始球式を行った。引退のアナウンスが流れ、満員の観客と、ダグアウトに一列に並んだ選手たちが拍手するなか、ガルシアパーラは大学時代からのチームメートでもあるジェイソン・ヴァリテックのミットに球を投げ込んだ。

 カブスのあとドジャーズとアスレチックスでプレーしたが、足の故障もあってここ数年は成績がふるわず、今オフはフリーエージェントとなったものの、どこからもオファーがなかった。

「だれにでも引退の日は来る。このオフは思うようにトレーニングができなかった。チームメートであり友人でもあった選手が、引退を決めたときに『タンクが空になった』といったが、ぼくのタンクも空になったということだ。野球に全力を注いだ」