その実力に相応しい活躍の舞台が、ようやく与えられつつあるジェイク・シールズ。元プロ修斗世界ミドル級王者、そしてEXC世界ウェルター級王者だ

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6月6日(土・現地時間)にミズーリ州セントルイスのスコットトレード・センターで開催されるストライクフォース「Lawler vs Shields」。ストライクフォースのレギュラーイベント第二弾は、エリートXC配下選手の獲得以前と明らかに異なり、CBS中継イベントに負けないオールスターキャスト。“新生”を印象づけるラインナップとなっている。

キンボもジナ・カラーノもいない大会のメインは、182ポンド契約の元エリートXC世界王者対決、ロビー・ローラー×ジェイク・シールズの対戦となる。

ロビー・ローラーは1982年生まれで、今年の3月に27歳になったばかりだが、MMAキャリアはすでに8年を数える。パット・ミレティッチの秘蔵っ子として、01年4月に19歳でMMAデビューを果たし、4戦目にはハワイで行われたショーグンという大会(※山本“KID”徳郁がジョシュ・トムソンと対戦している)で日本の火若津将軍を79秒KOで下すと、キャリア4戦目で早くもUFC出場を決めている。

02年5月から、04年10月までの2年5カ月間のUFCの活動は4勝3敗。今もトレーニングを積むマット・ヒューズが同じウェルター級王者だったこともあり、7戦目にはミドル級に転向を果たしている。

その後、ハワイのICONを舞台に日本でもお馴染みのジェイソン・メイヘム・ミラー、地元のファラニコ・ヴィターレ、フランク・トリッグと四巴のミドル級王座争奪戦を繰り広げつつ、PRIDE USAやIFLでも勝利を重ねた。

ICONがプロエリートに買収されたことでエリートXCに参戦、初戦のホームリングといえるハワイ大会でムリーロ・ニンジャをTKOで下して、エリートXC世界ミドル級王座を獲得した。

CBSライブ大会にも2度出場し、スコット・スミスを相手に王座防衛を果たした彼の最大の特徴は、アグレッシブなパンチ攻撃にある。これまでに挙げた16の勝ち星のうち、打撃での勝利が実に13で、判定は僅か2つ、80パーセント以上のノックアウト率を誇る。さらにいえば、UFC離脱後の戦績は8勝1敗1NCという抜群の成績を誇っている。

そんなローラーと対戦する元エリートXC世界ウェルター級王者シールズは、今や最後の世代といえる日本でキャリアアップを果たしたファイターといえるだろう。

ベイエリアの名門シーザー・グレイシー門下のシールズは、1979年生まれの30歳。カレッジ時代にMMAキャリアをスタートさせ、レスリングと柔術の融合に最も成功したファイターといわれる。カリフォルニアローカルのグラジエイター・チャレンジでキャリア早期を過ごし、ハワイのプロ修斗公式戦ウォリアーズクエストで、レイ・クーパーに判定負けを喫しながらも、02年12月に桜井マッハ速人のアンダードッグとして初来日を果たした。

この一戦で、番狂わせの判定勝ちを手にしたシールズは、パンクラス参戦を挟み(三崎和雄とドロー)、菊地昭、ミルトン・ヴィエイラを下し、04年7月、ハワイでクーパーにリベンジを果たした一戦で修斗世界ミドル級のベルトを手にしている。

そのベルトを菊地に敗れて失って以来、地味強の彼に来日のチャンスは巡ってこなかったが、ハワイのROTRでデイブ・メネー、岡見勇信、カーロス・コンディットを破り、ウェルター級トーナメントで優勝。米国MMAワールドでも実力者として名を馳せるように――。

同時に地味というイメージも付き続け、抜群の戦績を誇りながらもUFCから代役出場でしか声が掛からず、実力に相応しいチャンスを得ることはできずにいた。

ローラーのICON同様に、ROTRがプロエリートに買収されたことでようやく米国メジャーシーンで活躍することとなり、ヘナート・ベヒーシモ、マイク・パイル、ニック・トムソン、ポール・デイリーという非ズッファ系ウェルター級の強豪を破り続け、エリート世界ウェルター級王者に君臨。ファンの間ではUFC世界ウェルター級王者GSPとの対戦が望まれるほどの存在感を示すようになった。