冬の移籍マーケットでフンテラール、“ラス”・ディアラ、フォベールを獲得したR・マドリー。怪我人の穴を埋めたいという意図は十分に分かるが、R・マドリー一筋でトップまで上がってきた選手達には出場チャンスがさらに減ることになる。

　銀河系集団と謳われたフロレンティーノ・ペレス会長時代には“ジダネス（ジダン達）”と“パボーネス（パボン達）”と言われ、スター選手とカンテラ出身選手という区分けがされていたが、カルデロン前会長になってもカンテラに目を向けられることは一度もなかった。

　下部組織チームを統括していたミチェル氏は、カルデロン会長が一度も下部チームに興味を持ったことがないとして辞任したほどだ。選手を外から獲得するのは良いが、あくまでもそういった選手は自分のクラブでは補いきれない部分の補強でなくてはいけないはずだ。しかし、中心選手がほとんど外部出身ではフットボールのコンセプトもずれてしまうし、失敗した場合の立て直しも図りにくくなってしまう。

　「冬の選手補強でカンテラ出身選手が出場するチャンスがますます減った」というのはハビ・ガルシア。トップチームまで上がってもチャンスがない。R・マドリーはいったいどういうクラブになりたいのか。バルサ戦でデビューし、まずまずの活躍をしていたパランカなどこれまでもたくさんいい選手はいたはずだ。カシージャス以降、チームの中心となれる選手が下部チームから出ていないが、若い選手を我慢して使うというのも大事なことではないだろうか。

（スペイン通信）