プラモデルといえば、男性であれば子どものころに一度は作ったことがあるだろう。憧れのスーパーカー、戦車やガンプラなど、実物を見ることができなくても模型を作り、机に飾って眺めることでいろんな空想(妄想?)をしていたものだ。

 そんな幼少期を過ごした大人たちをターゲットに、模型メーカーで知られるタミヤがプロデュースし横浜にオープンしたのが「タミヤプラモデルファクトリー」。開店して3ヵ月だが、休日には1000人近くも来店するスポットとなっている。

 人気の秘密は、実際にプラモデルが製作できるアトリエ(有料)だ。専用のワークデスクや塗装室・撮影室があり、工具や接着剤、エアブラシなどが利用できる。お気に入りの商品をショップで購入し、その場ですぐ製作できるワークショップ型のプラモ屋さんなのだ。モデラーと呼ばれるプラモデルの名人が常駐しており、難しい塗装や作り方などの技術指導をしてくれるので、プラモデル製作の腕も上がるということから人気を博している。

 アトリエの利用者は「家では家族の目が気になるので」という、30代から50代のビジネスマンが圧倒的に多いという。家ではゆっくりプラモデルも作れないビジネスマンの悲しい諸事情が垣間見えるが、そんなオトコたちが束の間の解放感を得られる“隠れ家”として利用者が急増している。

 また、親子向けや初心者から上級者に向けたさまざまな教室を行っており、中でも「カー&バイク」「大人のためのゼロ戦」などの講座は、40代以降の男性を中心に人気だという。中には出張を利用して大阪から毎週通っているツワモノもいるというから驚きだ。

 プラモデルというと、1人で黙々と作業するというイメージだが、教室では利用者同士が雑談をしながら和気あいあいと作っているという。

「仕事や家庭から離れられる場所なので、プラモデルを前にするとみんな子どもの頃の感覚になるんです。平日の夜に開催しているジオラマ教室には、ネクタイ姿のビジネスマンも嬉々とした表情で参加されていますよ。そんな生徒同士だから一緒になると5分で仲良くなります。会社の肩書きや世代に関係なく、みんなが仲良くなれる大人の社交場なんですよ」(タミヤプラモデルファクトリー Master 長谷川伸二氏)

 ゼロから作り始め、完成に到達するまでの過程に自分の仕事を重ねてしまうかもしれないが、「日常を離れ、童心に帰る」という週末の過ごし方はいかがだろうか。

(フジイナオキ)

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